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あなたの真似をしただけです【電子書籍化】

作者: 名紗すいか



 ヴィオラは十七年の人生で、これ以上ないくらいに、我慢の限界というものを迎えていた。


 意味がわからない。


 同じ言語で会話をしていても、そう思うことはこれまでにも多々あった。


 だけど人にはそれぞれ個性があって、それぞれ考え方が違うのが当たり前であり、その理解できない部分を理解しようとしなければ人間関係なんてすぐに破綻してしまうと常々思っていたからこそ、我慢した。


 自分の常識の範囲外の事態が起きたとしても、冷静に相手との対話を深め、互いに理解し合えるよう努力してきた方だと思っている。


 母が亡くなってすぐに父が再婚し、義母とその連れ子が家に来たときでさえも、ヴィオラは黙って歓迎した。


 妻を亡くした父の寂しさも理解できたし、軟弱な子しか産めなかったからといきなり離縁されて寄る辺をなくした義母が、親戚だった父に手を差し伸べられて再婚を決めた気持ちも理解できた。はじめは会話すらままならなかった義母の連れ子とも、今ではそれなりに友好関係を築けるようにもなった。どうにかこうにか家族という形にできたのは、ヴィオラが努力したからである。


 だからこそ、婚約者との初顔合わせのときに、なに食わぬ顔をしてついてきた彼の妹を、最初から邪魔者扱いして排除しようとはしなかった。


 たぶんそれがいけなかったのだろうと今ならわかる。


 それ以降、デートの度に金魚の糞のようにくっついて来る彼の妹に対して、回を重ねるごとに顔を引き攣らせていくヴィオラはきっと悪くない。


 だから心の中でくらい言わせてほしい。


(本当に、なんなのかしら、この子……)


 婚約者の言い分はこうだった。


「オペラに行くって言ったらどうしても行きたいって。これから家族になるわけだし、今から親交を深めておくのも悪くはないだろう?」


 分別のつかない子供ならいざ知らず、彼の妹は十五歳。駄々をこねて許されるような年齢ではない気がしたが、彼にとってはまだまだ小さな子供らしく、眼差しひとつ取ってもあまやかしているのが見て取れた。


「だって留守番なんて、寂しいんだもの!」


 そう言い切った彼女はなにをどうしたらそうなるのか、彼の腕にしがみつきながらうるうるとした上目遣いでこちらを窺ってきた。自分の主張が通らないはずがないというその目に思うところはあったが、ヴィオラはぐっと堪えた。


 ここで言い返したら自分が悪者になる。


 彼の妹は元々持病があり、幼少期はずっと、空気のいい田舎で暮らしていた。ようやく元気になって王都に出てきたという。それはあちこち行きたいところばかりだろう。


 そんな境遇を鑑みて、我慢した。きっと健康優良児の自分にはわからないつらさとか寂しさとかがあるのだろう、と。


 十五歳など多感な時期だ。とはいえヴィオラとは二歳しか違わないが、年下は年下。幼過ぎると思わなくはないが、年下は年下。


「そういうわけで、妹も一緒に連れて行ってもいいかな?」


 なにがそういうわけなのかまったくわからなかったが、さすがに帰れとは言えなかった。正直意味不明な理論だと思ったが、いくらなんでも今さら無下に追い返すのも大人げないと、仕方なく彼らの言い分を受け入れた。その一回きりのつもりだったから。


 ちゃんと確認しなかったヴィオラが悪いのか、相変わらずデートは小姑同伴。


「妹はまだこっちで友達ができてないらしくて。家にこもりっぱなしではかわいそうだろう? きみともすっかり打ち解けたみたいだしさ。まぁ、今だけだから、よろしく頼むよ」


 今だけって。


 具体的な日数を提示してくれれば、ヴィオラだってその期間くらいは我慢する。だが返ってきたのは曖昧な苦笑。たぶんいつまでとは決まっていないのだ。


 慕ってくれるお兄ちゃん子の妹がかわいいのはわかる。ちゃんとわかっている。


 婚約者の目には妹とヴィオラが打ち解けているように見えているらしいが、言わせてもらえば、これで打ち解けているのなら世界の大半はヴィオラの友達だ。控えめに言って、眼球が死んでいる。


 婚約者の目のないところで睨まれていると言ったら、彼は果たしてどちらの言い分を信じるのか。


 いや、言わなくてもわかる。きっと大人げないとヴィオラが窘められて終わりだ。


 家族と、もうすぐ家族になる他人。比べるまでもない。


 ヴィオラはすっかり貼りつけ慣れた笑みを浮かべると、婚約者の腕を引く妹の後に続いた。はたから見ればヴィオラこそが金魚の糞だっただろう。


(……本当に意味がわからないわ)


 この妹が良心のあるまともな子ならば、ヴィオラとてここまで思い悩むことはなかったろうが、残念ながら彼女は人を不快にさせる天才だった。


 三人で向かったオペラ。まず、並びがおかしかった。


 婚約者、妹、ヴィオラの席順。デートに来ているのに、なぜ恋人との間に小姑を挟まなければならないのか。納得のいく答えを導き出せないままオペラがはじまった。


 当たり前のように寄り添う婚約者と妹。それをおかしいと思っていないようで、婚約者も当然のように受け入れている。


 本当に、意味がわからない。


(あなたが婚約者なの? だったらわたしはなんなの?)


 従者かなにかだとでも思ってるのだろうか。


 いっそ怒って帰ればいい。ヴィオラが彼の家に嫁に行く予定ではあるが、まだ後継として家に残るという選択肢も残されているのだ。


 この国は女王陛下の統治する国なので、女性でも爵位を継ぐことができる。


 ヴィオラはひとり娘ではあるが、実家はしがない子爵家。父がよかれと思い、ヴィオラには裕福な伯爵家との縁談を見つけてきてくれたのだ。


 残念ながら今は家を継ぐ方に気持ちが傾いているが。


 正直このまま逃げてもいいのだ。


 だけどそれだとヴィオラが負けたようではないか。こんな……頭の悪そうな子供に。


 それだけはなけなしのプライドが許さなかった。


 婚約者も別に悪い人ではない。むしろ優し過ぎる。だから付け込まれる。この小悪魔に。


 この妹は優しい兄を他人に取られたくないのだ。本当に行動原理が子供過ぎて呆れる。


 オペラの内容などほとんど頭に入って来ず、気づいたら幕が降りていた。


 食事のときもそうだ。四人掛けテーブルに、彼らは並んで座る。まあ、それはいい。あちらは兄妹なのだから。


 だけど。


(お互いの料理を食べさせ合うのは、違わない?)


 自分は一体、なに見せつけられているのか。


 ヴィオラはそっと天を仰いだ。ムードのある天井の照明にいっそ泣けてくる。


 しっかりデザートまで堪能した婚約者の妹は、明日からダイエットをがんばると謎の宣言をしていた。


 今日からがんばれない人が明日からがんばれるとでも思っているのだろうか。


 太りたくないならその辺の草でも食ってろと言いたい。


 だいたいそのコルセットを必要としない細さで、なにを寝ぼけたことを抜かしているのか。胸があるせいで太って見られがちなヴィオラに対する嫌味なのか。


 妹を傍に置いているせいで、ご飯を食べたら当然お開き。健全なデートで、はい終了ー……。


「じゃあまた」


「またね、お姉さん」


 仲良く手を振って、ふたり同じ馬車へ。同じ家へと帰って行く。


「また……?」


 ヴィオラは中途半端にあげた手を、そっと握り締めた。


(また次もついて来る気なの、あの小娘……!)


 ああ、もうだめだ。


 もはや怒りしかない。


(……だめよ。落ち着きなさい、わたし)


 相手は子供。生意気だけど、まだ子供。人の気持ちを考えられなくても仕方ない。世界が自分中心で回っていると信じていても、あと数年したらその考えの痛さにも気づくことだろう。誰もが一度は通る、病。そう、あの子は病気なのだ、怒っても仕方ない。だって、病気なのだから。


 どうせ恥ずかしくて身悶えする運命だ。今はそっとしておいてやろう。それが大人の務めだ。


 そもそもあの妹がここまで増長してしまったのは、ヴィオラが強く言わなかったからだ。


 責任の一端は自分にもある。そこは反省すべき点だ。


 少し冷静になって考えてみる。


 たとえば、ヴィオラが今の婚約者の立場だったら、どうだろうか。


 もし自分に彼女のような不憫な妹がいたとして、その子が懐いてくれていたとしたら、確かに連れて出歩くかもしれない。


 これまでなにもない田舎で療養するしかなかった子だ。王都で人生を謳歌してほしいと思うこと自体は当然のこと。


 大丈夫。そこは理解はできている。


 もう少し彼らの気持ちを知れたら、彼らの心に寄り添えたら、この燻った怒りだけは、ひとまず鎮まりそう。


 そこでふと、ヴィオラはあることを思い出して手を打った。


「なんてこと! わたしにもいるじゃない!」


 すっかりと失念していたが、義母の連れ子であるアリスの年齢は、婚約者の妹と同じ十五歳。しかもちょうどいいことにあの子も病弱ということで通っている。身体的ではなく精神的な方面の話ではあるが、病弱は病弱。


 ヴィオラも彼らの真似をしてみればいいのではないか。


 そこからなにか見えてくるものがあるかもしれないし、それに、いい加減彼らもヴィオラの気持ちを理解すべきなのだ。


(わたしったら、天才かもしれないわ)


 思い立ったが吉日とばかりに、ヴィオラは意気揚々と馬車へと乗り込んで家路についたのだった。




 ヴィオラは帰宅してすぐ、普段はあまり足を伸ばすことのない廊下の奥へと進んで行き、目的地である部屋の前に到着するとドアを少々強めにノックした。


「アリス! ちょっと話があるのだけれど」


 中から、ガタガタッ、という音がして、しばらく待っていると、ドアがごく薄ーく開いた。


 淡い金色の髪から覗く水色の瞳が、怯えたうさぎのようにこちらを見上げている。


「お、お義姉様……?」


「そうよ。あなたの義姉の、ヴィオラよ。ちょっと話があるから、部屋に入れてちょうだい」


「へ、部屋にっ……?」


 アリスは目をうろうろとさせている。いじめている気分になるから無理に押し入るのは気が進まないのだが、さすがに廊下で話す内容ではない。


「散らかっていても気にしないから」


「そういうことでは……。ど、どうぞ……」


 アリスがおどおどしながらドアを開けてくれたのでヴィオラは躊躇わずに入室した。


 アリスの部屋は、五歳のお姫様が住んでいそうなパステルカラーの愛らしい内装だ。アリスの好みが前面に押し出されている。


 部屋は特に散らかってはいないが、どうにも家具や小物がヴィオラの趣味と違い過ぎて、夢の中にいるかのようで居心地が悪い。なによりぬいぐるみが多過ぎる。ぬいぐるみしか友達がいない子なので仕方なくはあるが。


 アリスは自室だというのに、不安そうにスカートを握りしめて所在なさげに立っているので、ヴィオラは小さくため息をついた。


「ソファを勧めてはくれないの?」


「あ……どうぞ」


 慌てて勧められたパステルピンクのソファに腰を下ろしたものの、左右にいるパステルカラーのユニコーンのぬいぐるみたちからの圧迫感。


 やはりユニコーンのぬいぐるみに挟まれるようにして向かいに腰を下ろしたアリスを、ヴィオラは改めて観察した。


 腰まである淡い金色の髪は艶めいており、小さな顔は透き通るほど白い。長いまつ毛の下にあるパッチリとした水色の瞳は常に潤んで見える。鼻筋は通っていて、薄い唇は薄紅色だ。容姿にぴったりの、フリルとレースとリボンたっぷりのベビーピンクのドレスを着こなし、白靴下を履いた足元は赤いエナメルの靴だった。


 婚約者の妹と同じ十五歳。婚約者の妹もそれなりに美少女ではあったが、お人形さん然とするアリスは別格だろう。


「今日はなにをしていたの?」


 アリスは恥じらうようにうつむき、ユニコーンのぬいぐるみのひとつを膝の上へと乗せると、ぽそりと言った。


「マルガレーテと、おしゃべりを……」


「マルゲリータ? おいしそうないい名前ね」


「……えぇと。……ありがとう、ございます」


 婚約者の妹も年齢の割に精神が幼かったが、幼さで言うのならうちのアリスも負けてはいない。ぬいぐるみとおしゃべりしている十五歳もなかなかいないだろう。


「マルゲリータとはなにを話していたの?」


「あ、えぇと……落ち込んでいたら、慰めてくれて」


「そう。マルゲリータはいい子なのね」


「! は、はい!」


「それと、気分が落ち込むのは、日の光を浴びずにずっと室内にいるからよ。窓辺でもいいから日光浴をしなさい」


「は、はい……」


 叱られたと思ったのかしゅんとするアリスにヴィオラは肩をすくめる。


「いじめたりしないから、びくびくしないで背筋を伸ばしなさい」


「はっ、はい」


 背筋は伸びたが、目は相変わらずうろうろしているし、白魚のような細い指も首元のチョーカーをいじってどうにも落ち着かない様子。


「あの……お義姉様にいじめられるとは、思っていません……」


「それならいいけれど」


 アリスは子供の頃、同世代の子たちに散々いじめられたらしく、家からほぼ出ないくらいの極度の対人恐怖症なのだ。


 ひとまずヴィオラが怖がられているわけではなさそうなので、早速とばかりに本題を切り出した。


「今度の婚約者とのデートに、あなたもついて来てほしいの」


「……はい?」


「そう、了承してくれてありがとう」


「えっ、いえ、違っ……」


「気負わなくても大丈夫よ。どうせ婚約話は白紙になると思うから」


「えっ、え?」


「理由なら、行けばわかるわ」


「あの、でも、無理です。そんな非常識なこと……」


 おろおろとするアリスの言葉に、ヴィオラは目を丸くした。


「やっぱり、婚約者とのデートに身内とはいえ第三者がついて来るのは、非常識だと思う?」


 アリスはきょとんとしてから、戸惑い顔でこくりとうなずく。


「非常識だと思いますが……」


 ほぼ家から出ないアリスでさえ、それがいかに非常識なことであるのかわかるというのに。あの婚約者とその妹にはわからないのだ。田舎にいたからでは済まされない。


「その非常識な行いを、わたしがされているとしたら?」


「…………は?」


 めずらしくアリスが真顔になった。顔立ちが愛らしいので凄みはないが。


「顔合わせから今日まで、婚約者と会う度に、彼の妹がついて来るの。それも毎回。飽きもせず、ね」


 アリスは顎に指を当てて、しばらく考えるような仕草をしていたが、急に震え出した。


「……あのっ、それって、もしかして…………幽霊かなにかですか……?」


 涙目でぶるぶるしながらそう言ったので、ヴィオラは思わず笑ってしまった。


「あなた、おもしろいことを言うわね」


 それはそれで嫌だが、幽霊ならばいっそ、話が通じなくても仕方ないと割り切れるかもしれない。


 だが、残念ながら相手は生身の小娘だ。


「幽霊じゃないわよ。たぶんわたしに対する嫌がらせ。気に入らないのよ、兄嫁ができることが」


 アリスがマルゲリータの角あたりに目を落として、ぽつりと言った。


「……ごめんなさい。それ、ちょっとだけ……わかります」


「それ?」


「わたしも、いきなりお義姉様の婚約者だと言われても……その……赤の他人、ですし」


「……まぁ、そうね」


 ヴィオラとしても、その気持ちはわかる。父がいきなり義母とアリスを連れて来たときに、まさしくそう思った記憶がある。


「お義姉様の婚約者、わたしも、嫌です」


「会ったこともないでしょうに」


「でも、嫌いです。わたしは、お義姉様が…………いえ、お義姉様にはうちを継いでほしいと思っていますから……」


 父は、身体的には問題ないのだからとアリスに家を継がせる気だが、やはり荷が重いのだろう。


 家から出なくてもやれる仕事を父がちょこちょこ任せはじめているのだが、地頭は悪くないので今のところ問題なくこなしていると聞く。


 ヴィオラは別にどちらでもいいのだ。嫁に行くのでも、婿を取るのでも。


 ただ家から出られないアリスのことを考えると、ヴィオラが出た方がいいかと思っただけで。


 だが今のままだと、嫁として出たところでその務めが果たせない。


 婚約者と結婚したら、初夜のベッドに三人肩を並べて眠ることになりそうだ。もちろん、彼の妹が真ん中で。


 それはさすがにぞっとする。


「お義父様に言って、白紙にしてもらったらいいのではないですか?」


「だめ。やり返さないと気が済まない」


「やり返す……? ……ああ、そういう」


 やはり察しのいい子だ。頭の回転は悪くはない。対人恐怖症でなければもっと外で活躍できたのにと思ってしまう。


「……お義姉様に求められている役割は、たぶん、理解できました」


「そう? じゃあ、今度のデートについて来てくれるわね?」


「それは……でも……」


「もちろんタダでとは言わない。わたしのお願いを聞いてくれる代わりに、あなたのお願いも聞いてあげる」


「えっ!」


 急に頰を染めてそわそわとしながらユニコーンのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめるアリス。この様子だと、ヴィオラになにか頼みたいお願いごとがあったようだ。


 はなから対価なしで交渉しようとは思っていなかった。引きこもりの子を、ヴィオラが無理やり外に連れ出すのだ。それくらいの対価はあってしかるべきだろう。


「ほ、本当ですか? なんでも……?」


 アリスがきらきらした瞳でヴィオラを見つめてくる。まるでおもちゃをもらった子供だ。


「叶えられる範囲内でならね」


 きっとうちを継いでほしいと正式に頼まれるのだろう。すでに想定していたことだ。それ以外でも、アリスの性格ならそう無理難題はぶつけてこないだろう。


「それなら、やります」


「本当? ありがとう。じゃあ、日にちが決まったらまた来るわ。それと、当日はいつもと同じような格好でいいから。マルゲリータを連れて来てもいいわよ」


「は、はい……!」


 マルゲリータ同伴の許可がよほど嬉しかったのか、アリスは破顔しながらこくこくとうなずいた。





 数日後、婚約者から手紙が届き、次のデートの日が決まった。


 朝からめかし込んだヴィオラだったが、普段の三割増しでフリルとレースのついたドレス姿のアリスを見て、自分のめかし込み具合の弱さに一瞬言葉をなくした。


 ヘッドドレスまで装着したアリスは髪を高い位置でツインテールに結い、マルゲリータを抱いて完全武装だ。


 今日はひとりではないのだ。それだけでいつもよりほんのちょっとだけ心強くある。


 マルゲリータを抱えていない方の手を繋ぐと、アリスはわかりやすく動揺した。母親以外の人と手を繋いだことがないのかもしれない。わからなくはないが、もう少し余裕を持って、いっそ婚約者の妹のようにあざとくあまえて来てほしくはある。


 義母はアリスがヴィオラと会話しているだけでも嬉しそうなのだが、一緒に街に連れて行くと言うと涙ぐんでしまった。


 引きこもりがちだった我が子が家から出るとなれば、そうなるだろう。理解できる。


 ここ最近は買い物にすら出ず塞ぎ込んでいたので、ひとしおだろう。


 待ち合わせまで向かう馬車の中で、やはりアリスは外への恐怖心からか、ずっと不安そうにマルゲリータを抱きしめていた。


 ヴィオラはものすごい罪悪感に苛まれつつ、せめて少しでも不安がやわらぐようにと話しかけた。


「いい? あなたはわたしの婚約者の妹の真似をすればいいの。簡単でしょう?」


「か、簡単かどうかは……見てみないことには」


「確かにそうね。百聞は一見にしかず。その目でよく見ておきなさい。とりあえず……」


 ヴィオラが腕を差し出すと、アリスはきょとんとしてから首を傾げた。


「わたしの腕に、こう、抱きつく感じで引っついてみなさい」


「えっ、え?」


「いいから、ほら」


 さらにずいっと腕を出すと、動揺激しいアリスは頰を染めながらヴィオラの腕にそっと両手を触れた。


「もっと抱きつく感じで」


「えぇと……し、失礼します」


 思い切った様子できゅっと抱きついてきたアリスは小動物のようだ。


「じゃあ、今日一日その体勢で」


「えっ!?」


 ぱっとこちらを見上げたアリスが息を呑む。間近で見つめ合っていると頰がますます赤く染まっていき、もはや薔薇色だ。


「? わたしの顔になにかついている?」


「あっ、違っ……あの、いつもと同じで、その…………お美しい、です」


「あら。ありがとう」


 アリスにでも褒められると嬉しい。


 そして婚約者が一度としてヴィオラを褒めたことがないことを思い出してしまい、心の中で渋面を浮かべる。


 歯の浮くようなあまい台詞を求めているわけではないが、少しくらい、褒めてくれてもバチは当たらないだろうに。


「それ……お義姉様の紫水晶のイヤリング。蝶々の意匠で、かわいいですね」


 ゆらゆらと揺れるイヤリングに触れながら、ヴィオラは素直に礼を言った。


「ありがとう。わたしも気に入っているのよ」


「お義姉様のセンス、すごくいいと思います」


「そう?」


 服装や小物にこだわりのあるアリスに太鼓判を押され、荒みかけていた自尊心が満たされた。


「マルガレーテもそう言っています」


「あら、マルゲリータも見る目があるわね」


 ぬいぐるみでさえ褒めてくれるというのに、と、小さくため息をついたところで、待ち合わせ場所へと到着した。


 すでに婚約者はそこにいて、当然のように妹も一緒だ。


 いつもならばこのまま回れ右して帰ろうかと思うところだが、今日は違う。


 ヴィオラは腕にアリスをくっつけたまま、ふたりの前に堂々とその身を晒した。


「お待たせしたかしら」


「いや、今来たところで……えっと? そちらは?」


 婚約者の視線がヴィオラから横へと移ると、アリスは警戒心の強い小動物のようにさっと後ろへと隠れてしまう。


「前に家族の話をしたことがあったでしょう? この子がアリスよ。これから家族になるわけだし、今から親交を深めておくのも悪くはない、でしょう?」


 ヴィオラはあえて、はじめに婚約者が言ったのと同じ台詞を返す。


 彼は気づいたのか気づいていないのか、曖昧にヴィオラとアリスを交互に見ているが、ちょっとだけ頰が引き攣っている。少し前の自分を見ているようでヴィオラの溜飲が少しだけ下がった。


 そして婚約者の妹はと言うと、どこから見ても完璧な美少女を体現するアリスに敵愾心を抱いたのか、ヴィオラごと鋭く睨みつけてきた。


 アリスは言いつけ通り、しっかりと真似して婚約者の妹をキッと睨み返している。凄みに欠けるが、ないよりはまし。


「そういうわけなので、この子も一緒に連れて行ってもいいかしら?」


「だけど……」


「友達がいなくて、家にこもりっぱなしなの。かわいそうでしょう? よろしく頼みますね」


 ここまで言えばさすがに引き下がるしかないだろう。今アリスを追い返せば、自分の妹も追い返さなくてはならないと気づいている。


「今日だけなら……」


「今日だけとは言ってないけれど、仲良くしてあげてくださいね」


 アリスはマルゲリータを口元まで掲げて、渋々という顔をしながら、マルゲリータがしゃべっているという体で口を開いた。


「……お願い、します」


 婚約者は完全に引いていたし、婚約者の妹はぼそりと、「きもっ」と暴言を吐きながら兄の腕にくっついた。


 思った以上にひどい反応に、自分の都合でアリスを連れて来てしまったことを後悔したが、当人はそんなヴィオラの背後からぽつりと似た言葉をこぼしていた。気持ち悪っ、と。


 アリスはアリスで、目の前のふたりが兄妹の距離感ではないことを気味悪がっているようだった。それはよくわかる。


「大丈夫?」


「別に。これくらい、あいさつみたいなものだから、平気です」


 暴言があいさつ。ヴィオラが思っていたよりもアリスは気丈だった。


 本人が大丈夫と言うのなら、それを信じよう。


「今日は観劇するのでしょう? 早く行きましょう?」


「あ、ああ……」


 婚約者はいつものように妹を連れてヴィオラの前を歩く。しかし今日はひとりではない。


「……お義姉様をエスコートしないなんて」


「いいのよ、いつものことだから」


「早く婚約白紙にしてください」


「できれば円満に婚約を解消したいのよね」


「……がんばります」


 なぜかやる気を見せるアリスだが、大丈夫だろうか。


 劇場に入ると当たり前のように婚約者の隣に彼の妹が座り、その隣にヴィオラは腰を下ろそうとしたが、その前にアリスが座席にマルゲリータを置いた。


「……さすがにマルゲリータの席は、ないと思うのだけれど」


 そんな……! という目を向けられると悪いことをしている気になる。


「マルゲリータは膝の上でいいのではない?」


 アリスは仕方なさそうに、マルゲリータを一旦持ち上げてそこに座り、膝の上へと置いた。


「ぬいぐるみなんて持って来るのがおかしいんじゃないの?」


 アリスがキッと婚約者の妹を睨む。完全に敵認定したらしい。


 婚約者はわたしとの間がふた席分離れていることを、さすがになにか言って来るかと思いきや、なにもない。


(結局その程度なのよね……)


 愛されるなんて贅沢なことは望んでいなかったが、ヴィオラとて若い娘。それなりに恋愛に憧れもあった。


 ふた席分向こうに座る他人。その関係性をお互い越えられなかったということだ。


 観劇に集中できずに嘆息を漏らすと、肘掛けに前脚をかけたマルゲリータがこちらを覗き込んできた。


 もちろん動かしているのはアリスではあるが、マルゲリータは慰めるようにヴィオラの腕に角を擦りつけてくる。


(慰め上手ね、マルゲリータ)


 アリスが落ち込んでいたらマルゲリータが慰めてくれたと言っていたが、きっとこういうことなのだろう。


 寄り添ってくれるマルゲリータの優しさに心を癒しながら、ヴィオラは改めて、目の前の劇へと意識を集中させた。




「わたし、ケーキが食べたいー!」


 幕が降りた直後、余韻もなにもなく婚約者の妹がそう宣言した。


 この子はきちんと演目を観ていなかったのだろうか。切ない恋の物語だったのに、よくケーキなんて重たいものが入るものだ。ヴィオラはもう胸がいっぱいなのだが。


「そうだな。なにか食べに行こうか」


 婚約者も同意見らしく、呆れながら、やたらと静かなアリスを見ると、こっちはこっちでマルゲリータを抱きしめてはらはらと涙を流していた。


 アリスの方がまだヴィオラとの感性が合っている。


 泣くほどではないにしても。


「アリス。移動できる?」


 アリスの代わりにマルゲリータがこくりとうなずき、また婚約者の妹が、「きもっ」とつぶやく。


 婚約者も妹を窘めてはいるが、本音では彼女と似たようなことを思っているのが、言葉や表情の端々から伝わってくる。


 なんとなくお互いに、少しずつ、だけど着実に、距離が開いていっているのを感じている。


(このまま円満解消になりそうね……)


 もちろんヴィオラも婚約者も、お互い、貴族の結婚というものをよく理解しているので、表面上だけの家族を演じ続けることは可能だろう。


 だが彼の妹がいる限り、どうしてもヴィオラの負担が大きい。


 対等でなければ、そこから必ず綻びが生まれる。


 そしていつか、表面を取り繕えないほどに破綻するはずだ。


 はじめから壊れるとわかっているものを、大事にはできない。


 場所を変えて、婚約者の妹の選んだカフェのテラス席。日差しに顔を顰めるヴィオラは、紅茶を飲みながらケーキをおいしそうに食べる婚約者の妹を観察した。


 言いたいことは山ほどあるが、ひとつだけ言わせてもらえるのなら。


 ダイエットは一体どこにいった。


 そんな疑問も湧かないらしい婚約者は、妹がここまで元気になったことを本当に嬉しそうな眼差しで見つめている。


 彼が悪いわけではない。


 そしてヴィオラが悪いわけでもない。


 単純に価値観の問題。


 これはそう簡単には埋められないだろう。


 嘆息すると、アリスが心配そうにこちらを見ていることに気づいた。あまり食が進まないのか、頼んだケーキもひと口分しか食べていない。


 向かいの席では、婚約者と妹が当たり前のようににケーキをシェアしており、いつもはそれをドン引きしながら眺めていたヴィオラだが、今日は違う。


「アリス。それ、ひと口ちょうだい?」


「え? えっ!?」


「あーん」


 口を開けて待っていると、狼狽するアリスがマルゲリータに助けを求めるように、どうしようっ、と話しかけるが、当然マルゲリータが返事をするはずもなく。


「お、お義姉様に、あーんって……」


「嫌ならいいけれど」


「嫌とかじゃなく!」


 引き下がりかけたところを食い気味に止められる。アリスはフォークでケーキを掬うと、ヴィオラがあーんをする口へとそっと入れた。


 人に食べさせてもらうことでなにか味に変化があるかと思ったが、ケーキはケーキだった。


 しかしアリスは違ったらしく、染まった頰を両手で挟み込みながら、感慨深そうにつぶやいている。


「どうしよう、ひとつ夢が叶った……」


 なんて小さな夢なのか。


 あまりの小ささに泣いてしまいそうだ。


 もっと大きな夢を持ってほしい。


「うわ、きもっ」


 婚約者の妹に、アリスがむっとして言い返す。


「あなたの真似をしただけですが?」


 完全同意。


 なぜ自分はよくて人はだめなのか。


「わたしたちは兄妹だもの。だからいいの」


 だからおかしいのだが、婚約者は妹と同意見らしい。意味がわからない。


「確かに、きみたちとは違うよね。血の繋がりはないし、それにきみは――」


 彼がアリスへとなにか言いかけたとき。


「――あぶないっ!」


 小さな子供のような声がどこからか聞こえて、ヴィオラはふと空を仰いだ。


(あれ……? なにか、影が……)


 くっと目を細めて空を凝視していたヴィオラは、次の瞬間、かっと目を見開いた。風雨にさらされ脆くなっていた煉瓦のいくつかが、建物から剥がれ落ち、このテラス席へと真っ逆さまに落ちて来ている。


(嘘っ……!)


 婚約者は間髪をいれず、妹を庇うように自分の胸へと引き寄せた。


 その一瞬、確かに彼と目が合った。


 合ったが……それだけだった。


「お義姉様っ……!」


 動けずにいたヴィオラの体は、アリスによって床へと押し倒される。ヴィオラを庇うようにアリスが覆い被さった直後、落下した煉瓦がテーブルに直撃して砕けた。


 近くのテーブルからの悲鳴が轟き、辺りが騒然とする。


 テーブルの上に飛び散る煉瓦の残骸やティーセットの破片を見て、ようやく、ヴィオラは事態を理解して青ざめると、遅まきながら体が小刻みに震えはじめて止まらなくなった。


 当たっていたら間違いなく怪我をしていた。下手をすると死んでいたかもしれない。


 砕け散った煉瓦の向こうで、へたり込んでいる婚約者とその妹。


 驚愕に満ちた婚約者と、つかの間、見つめ合った。


 人は咄嗟の行動にこそ、本心が出る。


 この瞬間、完全に縁が切れたのを感じた。


「お義姉様! 大丈夫ですかっ!? 怪我は!」


 肩を揺すられて、はっとアリスを見る。真っ青な顔をしてこちらを覗き込んでいる。怪我はなさそうだが、スカートが破れてしまっていた。マルゲリータもそばで転がってしまっている。


「……わたしは、大丈夫。あなたこそ、ドレスが破けて――」


「ドレスなんて、どうっっでもいい! お義姉様の方が大事でしょう!?」


 真剣なアリスの瞳を見ていたら、なにも言えなくなってしまった。


 婚約者の妹は泣き出してしまい、彼は必死に腕の中の彼女の頭を撫でながら、大丈夫だと言い聞かせている。


 もし今日、アリスがおらず、ヴィオラがひとりだったら――。


 想像すると恐ろしい。


「大丈夫ですよ、お義姉様。大丈夫、大丈夫……」


(真似をするのは妹の方だって言ってあったのに……)


 ヴィオラは震えが収まるまで、不器用によしよしと背中を撫でるアリスの胸に額を押しつけていた。





「……じゃあ」


「ええ」


 婚約者は、「また」とは言わなかった。


 ヴィオラも言わなかった。


 これでよかったのだと思う。


 彼は妹のことも大事にしてくれる相手を探した方がいい。


 そしてヴィオラも。


 今度こそ、自分のことを大事にしてくれる人を探したいと思った。





 後日、父から予想通りの話を聞かされたヴィオラは、すぐにアリスの部屋へと赴いた。


「今日はなにをしていたの?」


「あの……ジェラルドと、おしゃべりを」


「ジェラート? ひんやりしていそうでいい名前ね」


「……あの……えぇと、ありがとう、ございます」


「そうそう。婚約の話ね、白紙になったわ」


「ほ、本当ですか!」


「ええ。やっぱりお互いに合わないとわかったから、仕方ないわね」


 道のりは険しそうだが、妹のことを大事にしてくれるいい結婚相手と巡り合ってくれたらいいと思うくらいには吹っ切れている。


「それで、今度はアリスのお願いを聞いてあげないとと思って来たのよ。アリスのお願いはなに?」


 アリスはスカートをいじりながらもじもじしていたが、意を決して、潤んだ瞳と赤い頬で、ヴィオラに挑むように向き合った。


「あのっ、わたし、お義姉様と……」


「わたしと?」


「結婚、したいです……!」


(……うん?)


 ヴィオラは、およそ三十秒は固まった。


(結婚? わたしと、アリスが?)


 女同士でいいのだろうかと思った瞬間、ヴィオラは己の過ちに気がついた。


(そういえばこの子、義妹じゃなくて、義弟だったわ……)


 普段から女の子の服ばかり着ているせいですっかり妹扱いしていたが、アリスは正真正銘男だ。


 恋愛対象は男性なのではと疑っていたのだが、この分だとどうやら違ったらしい。


「わたしと、結婚したいの?」


「……はい」


「わたしとしか話せないから?」


「ち、違います! あの、実は、お義姉様のことが、その……ずっと、好きで……」


 なぜ。アリスの行動を否定せず受け入れてきたからだろうか。


 まあ、慕われて、悪い気はしないのも事実だ。


 血が繋がっていないので、結婚しようと思えばできるのである。


 一度約束した以上、内容が気に入らないからと反故にするのはヴィオラの主義に反する。


 アリスはきちんとした常識もあるし、こうして一緒に暮らせるくらいには価値観も近い。対人恐怖症なので浮気はしないだろう。腹が立つ小姑もついて来ない。


 アリスには家でできる仕事をさせて、社交はヴィオラがする。役割分担はできそうだ。


 じっくり考えてみた。


 まあ、最良というわけではないが、悪くはない。


 どうしたら子供ができるのかわかっていなさそうではあるが、最悪の場合、ヴィオラが押し倒してさくっと済ませてしまえばいい。身体的には問題ないのだから、回数をこなせばそのうちできるだろう。


「わたしのこと、愛しているの?」


「あ、あい、愛して、ますっ……!」


 顔が真っ赤なので、それが嘘ではないことはよくわかった。


「いいわよ。お父様がいいと言ったら、結婚してあげる」


「えっ、ほ、本当に……!?」


「お父様がいいと言ったらね」


 父に丸投げすると、アリスはジェラートを抱えたまま、慌ただしく部屋を飛び出して行った。


「お義父様っ! お義父様ぁぁーー!!」


 淑女がはしたない。


 いや、淑女ではなかったが。


「……あんなにはしゃぐことかしら?」


 呆れ混じりのため息をついたとき、ふと、ソファに座っていたマルゲリータと目が合った。


「そういえば……あのとき、あぶない、って叫んだのって……」


 口にしかけて、いや、そんなはずはないだろうとかぶりを振る。


 ヴィオラはくすりと笑ってから、マルゲリータの角をちょんとつついた。


「あの子が戻ってきたら、もっとしっかりするように言っておいてちょうだい」


 マルゲリータがこくりとうなずいた気がしたが、まあ、気のせいだろう。



最後までお読みいただきありがとうございました!

タイトルと内容が微妙に噛み合っていない気もしますが、ほかに思いつかなかったので、ひとまずこのままで。


【人物紹介】

ヴィオラ(ヴィオレッタ)

どんな相手でも、一度は理解しようと試みる難儀な性質

妹同伴の元婚約者よりは、女装癖のある義弟の方がいいと判断して即決したが、婚活市場に出ていたら普通に引く手数多な美人


アリス(アリスティード)

少女趣味と女装癖のせいで散々いじめられ、実父にも蔑まれて、母親とともに家を追い出された過去がある

唯一理解を示してくれたお義姉様に傾倒

しかし知らない間にお義姉様に婚約者ができていて、引きこもりが加速

恋愛対象は元から女性


マルゲリータ(マルガレーテ)

そこそこ大きいユニコーンのぬいぐるみ

パステルパープル

色違いの仲間があと十四匹いる(うち一匹はミントグリーンのジェラルド)

たまにしゃべる


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― 新着の感想 ―
たたたたたたまにしゃべるうううううう!!!!!!??????
面白かったのですが 1番心に刺さったのが 人物紹介の最後の1行 たまに喋る……………… いやっ そうじゃなくてっ そこじゃなくてっ なんでやねーん!
素通り仕掛けて一旦遡って理解しましたw>たまに喋る この仕返し痛快で面白かったです!
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