お菓子の香りがする私
今日は黒いしろかえでです。
美しい少年が私にくれた名前は
「お菓子のお姉さん」
地引網方式のハロウィンのお菓子でナンパしたガキどもの中に奇跡的に混じっていたダイヤモンドの原石……
そう!まさしく原石だった!
カレはつんつるてんでいかにも洗濯負けしたくたびれた服を着ていたから、その美貌が覆い隠されていたのだ。
予想通りカレには母親が無く、父親は子供よりオンナに興味がある輩だったので、カレを迎えに行くたびに父親からはイヤラシイ目で見られたし、冗談ごかしに「オレと一緒になれば和希といつも一緒に居られるぞ!」とナンパまでされた。
和希と出会ってからの私の絵のモデルはカレひとりとなってしまったので、私が支払うモデル料は生活にだらしない父親にとっては良い副収入となったのだろう。
加えて、モデルとして私の家に居る間は和希の面倒はすべて私が見ていたので、その事も父親にとっては好都合であり、私と父親は基本、Win-Winの関係だった。
カレがモデルの……エルフや天使の連作は私の代表作となり、私に名声とそれなりの収入をもたらせた。
カレに出会う前は、私は絵を描く事しか能が無い……独活の大木でいつも猫背のメガネ女子でしか無かった。
でも、有名になって……カレをあちこち連れて歩くのに“保護者”が垢抜けしないのはカレの美しさに対しての“悪”だと痛感し、私は自分の事も懸命に磨いた。
でもカレが小学生の間は「お菓子のお姉さん」で居たくて……フレグランスだけはM〇NTALE VANNILA CAKEを使っていた。
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下着以外は頓着なく私に着換えさせていた和希も今は自室で着替えをする様になった。
和希が中学へ上がってすぐに父親は轢死した。
どうやら色んな恨みを買った挙句の事らしい。
だけど和希にはそんな火の粉が毛ほども降りかからない様、すべて私が守り抜いた。
そんな……
親以上の恩義のある私に隠れて着替えるとは!
しかも!
着替えるのはカレの肌が透けてみえる薄物だと言うのに……
そんなカレの成長に私の心は嬉しさでウズウズする。
実は私には隠された連作がある。
それは和希が小5の時から取り掛かったもの。
裸の自画像
この連作を描いている時は
カレを傍には置かない。
でも、ドアにカギを掛けている訳ではないし、私の事をコッソリ見ているカレの気配も十分に感じている。
そして描きかけの自画像のキャンバスの縁に……カレの指のシーリングスタンプが残されているのを見つけた時の私の幸福感と言ったら!!
ああきっと!
もうすぐなんだ!
カレが生身の私に
押印するのは……
そしてその時
私はカレを迎える香りとして
ユニセックスのMAND〇RL〇 di SICILIAを纏おう
こうして私は
あのお正月の童謡みたいに指折り数えて
美しい少年が“青年”となるその日を……
心待ちにしている。
おしまい
黒姉の毒気に当てられております(^^;)
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