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純粋無垢で無知な少女と  作者: 葉崎かぐね
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2話 鶴の恩返し的な?

 

 美少女を家に連れ込んだ俺は、リビングのテレビ前にあるソファーにねっころがりながら考えていた。


 そう……今後少女をどうするか、と。


 勢い余って連れてきたはいいものの、高校生の一人暮らしの家には最低限の日用品しかない。


 問題は寝る場所だ。


 今日は俺がこのソファーで寝ればいいものの、それが毎日続くとなるとさすがにこたえるものがある。


 買えばいいという発想もあるが、値段が高い上に親が抜き打ちできたとき言い訳が効かない。


 ……一緒に寝るという選択肢もあるが、それはどうなのだろうか。


 まあ許可してくれそうだけど。


 ──何せ今その少女は、ついさっき知り合ったばかりの男の家でシャワーを浴びているのだから。


 ただの純粋無垢なのか、貞操観念が薄い子なのか……はたまたもう既に経験済みで慣れているのか──。


 後者だったらやだなと思いつつ、今はそんなこと考えている場合ではないとかぶりを振って思考を整理する。

 

「さて……どうしたものか」


 俺がそう呟きながら起き上がって座りなおすと、脱衣所のスライド式ドアが開いた。


 少女が風呂から出たのだろう。


「……」


「出たか。ところで今日寝る場所なんだけど──え?」


 俺は少女に聞こうとして振り向くと──言葉を失った。


 俺の目の前には──全裸の女神がいた。


 じゃなくて少女が。

 

「え?はい?……え、ええ!?」


「……?」


 俺が心底驚いていると、少女は訳が分からなそうに首を傾げた。


 すると二つの双丘がぷるるんっと揺れる。



 で、デカイッ……!



 隠す気はさらさらないらしい。


「は、恥ずかしくないのか!?」


「恥ずかしい……?」


「お前まじか……」


 俺は出来るだけ見ないように手で顔を覆いながらバレないように指の隙間から見る。


 その、なんだろうか、見られて恥ずかしい体はしていないタイプなのだろうか。


 非常にオープンでかえって困る。


 やはり経験済み──だから今そんなことどうでもよくて!


 ……どうでもよくはないが。


「どうした?着替えは俺の置いといたはずだが……。ッ!まさか俺の服着たくないのか!?すまんそこまで頭回ってなか──というかなんでそんなびしょびしょなん?体拭いてないのか?」


「わからない」


「……ん?」


「どうやったらいいか、わからない」


「……んん?」


「きて」


 俺が少女の言葉を理解できないでいると、彼女は俺の手を掴んだ。


 そして少女は俺の思考を置き去りにして俺をソファーから立たせ、脱衣所へ連行した。

 

「これがどうやるかわからない」


「……シャンプー?」


「ん。教えて」


「……これが頭洗うやつで、これが体洗うやつ、でこの石鹼は顔あら──」


「わからない」


「だからこれが頭──」


「洗ってほしい」


「ああ、じゃあ一緒に入るか?」


「ん」


「じゃあそうす……る?ん……て、ええええええ!?」


 俺はやっと現在置かれている状況を再認識して、思わず人生史上一番大きな声が出た。


 改めてこの状況を見つめ直す。


 目の前には全裸の美少女。


 そしてここは脱衣所。


 そしてそして……パンツ一丁の()


「ッ!?」

 

 俺いつの間にパンツいつの間になってた!?……という事件をかき消すほどの重大事件が発覚してしまい、俺はゴクンッと唾を飲んだ。


 いやまあこれは仕方ないというか、男なら当たり前というか……生理現象というか。


 

 俺の息子はパンツなんか突き破ってやる!と言わんばかりに立派になっていた。


 

 少女の目が俺の息子に釘付けになる。



 は、恥ずかしいッ……!


 いや仕方ないでしょもう一度確認してほしい。


 目の前には全裸の美少女。


 そしてここは脱衣所。


 いやたっちゃうじゃん……!


「……あの、その……なんかすみません」


 俺は未だ俺の暴れ狂うやんちゃな息子を見続ける少女に小さな声でそう言う。


 汚物を見るような目をされたらヤダなと思いながらチラッと少女の顔を見てみる。

 

「すごい」


 少女は──めっちゃ目を輝かせていた。


 すると驚く事にガシッと俺の息子を掴んだ。


「ヒィッ!?」


 ひ、引きちぎられる!?


「これすごい。でも、私にはない……なんで?」


 少女はそう言いながら股を開いて自分のをまじまじと見つめる。


 もちろん俺もそちらに目が行く。


 な、なるほどー、そんなこうぞうしてるん──ふぁ!?


 突然少女が俺の息子を掴みながら手を行ったり来たりさせた。


 そう、それはつまりしこし──


「ちょっ、まじで何してんの!?」


 俺は慌てて少女から距離を取る。


 その際俺の息子からナニか垂れそうになるが必死に気合いでこらえた。

 

「あ、……ごめんなさい」


 少女は俺が怒っていると勘違いしたのか、不安そうにそう謝った。

 

「いやいいよ別に。……じゃあ、入る?」


 そうして、俺と少女は風呂に入った。


 

 たった数分で、この少女の破壊力を思い知った。



 『純粋』過ぎる、と──


 この時の俺は、少女は『純粋』なのか、『無知』なのか考えていなかった。


 それくらい、この『特別』に浮かれていたのだから。

 

 


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