眠れる夜と眠れない夜
「はぁ、今日も疲れた。」
仕事を終えた私は会社を出てスーパーへと向かう。
今日はもう遅いし、惣菜にしよう。
高校を卒業したのち公務員受験をした私は、
現在社会人3年目。某省に勤務している。
今年の春の異動で、地方から東京にある本省に異動してきた。
異動前までは、毎日定時で帰れていたものの異動してからというもの毎日3時間以上は残業している。
それでも来たばかりということもあり、かなり先輩方が助けて頂いている。先輩や上司は毎日10時過ぎまで働いている。
終電を逃して泊まるなんてザラだ。
私はここでやっていけるのだろうか?
スーパーにつき、買い物かごをとる。
最近は惣菜を買う日が増えた。
「ここの惣菜やすくて美味しいんだよな。」
店内の野菜売り場でカット野菜をカゴに入れる。
惣菜コーナーには3割引や半額の惣菜が並んでいる。
私はメンチカツをカゴに入れる。
「よし、半額だ。」
公務員は高給取りだと言われることもあるがそんなことはない。
若手の公務員なんて薄給のため、半額で惣菜を買えるのはありがたい。
すぐにレジで会計を済ませると、バス停へと向かい椅子へ座り5分後に来るであろうバスを待つ。
「バスが来るまで少し眠ろう。」
疲れもあってかすぐに眠ることができた。
っと、まぁ1話目はこんなところか。
いやぁ、話を考えるのって楽しいなぁ。
この前までフルタイムで働いていたのが嘘みたいだ。
嫌いな先輩、優秀すぎて比較される同期、パワハラ上司。
日々の残業、薄給、激務、激務、激務。
某省から内定をもらったと話したら親はとても喜んだ。
これで将来安泰だ。
内定が決まってよかった。
などなどいろいろなことを言われた。
電話越しに泣きながら仕事を辞めたいと伝えた時
父は黙って話を聞いてくれた。
母は泣きながら帰っておいでと言ってくれた。
仕事を辞め実家に帰ってからしばらくは外に出れなくなった。
それでも両親は何も言わなかった。
ある日父から
「お前は昔から創造するのが好きだったな。
何かしてみたらどうだ?」
と言われた。
確かに私は創造することが好きだ。
その言葉があったから、私は今物語を書いている。
ここでは色んな人のいろんな人生を主観でも客観でも見ることができる。
私はこれからも色々な人の人生を紡ぐ。
それが私のやりたいことだから。
私は夢を見る。
もしもあの時仕事を辞めていなければ。
別の場所に就職していたら。
日本に生まれてなかったとしたら。
物語の中ではそれができる。
物語の中で私は何にでもなれる。
でもそれは現実でも同じだ。
私たちは何にでもなれる。
明日は何か始めてみようか?
何かを始めるのに遅いなんてことはない。
私はこれからも私の人生を歩んでいくのだ。
友人のことです。