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ページ01~終わり

読者の皆様がヌナを好きになってくれると嬉しいですよー






それでは、楽しんでくださいですよー!










 人類絶滅の日なんて俺が生きているうちには来るわけがないと思っていた。危険なことはすごい人が何とかしてくれるんだろう。俺はいつも通りで良いって。

そんなわけにはいかないときもあるってことを俺は知ってしまった。この話を語るならどこから語ろうか。誰に聞かせるわけでもないけども。


 あれは確か……

 ああ、そうだ。事の起こりは前から見たかったアメコミの映画を鑑賞した帰り道。確か十六時半発の電車を待っていた。この浅羽市で一番の繁華街のそばにある浅羽駅は平日とはいえ、そこそこ人がいた。


 この一週間で終わりになる夏休みに思いをはせながら一番ホームで電車を待った。


「二番ホームに電車が参ります。白線の内側にお下がりください」

 アナウンスによると俺の家とは反対方向への電車が来るようだ。

 暇を潰すため、さっき見た映画の内容を思い出す。シリーズ物の二作目で誰も信用しない一匹狼キャラの心を主人公が解かして絆された一匹狼キャラと主人公の共闘で悪い奴を成敗するという中々王道の物語だった。だが、映像の迫力はすごかった。ストーリーは普通に完成度が高く映像がきれいでアクションとビジュアルがcoolで大満足だった。


 出会ってから間もない人間を心の底から信頼するなにかの主人公みたいな人が俺の前に現れたらいいのにな。そんな奴、少なくとも俺の生活圏内にはいないけどな。


 俺の背後で電車が停まり幾人かが降りて幾人かが乗ったようだ。煩わしく有機的で無規則な足音が少しずつ階段に向かっていった。音に意識が引っ張られ、ちらりと階段の方へ目をやった。






 ()()()()()()()()。心臓を脈打つ速度が尋常じゃなく上がった。思考が止まっていた。呼吸も止まっていた。苦しいぐらいに吸って吐いた。熱が出てるときに全力疾走したみたいな嫌な疲れかただ。腹も少し痛い。


「どういうことだよ」

 思考と同時に言葉が出た。予想以上に声量が大きくなってしまった。響く俺の声を掻き消すものは何もなく羞恥心が少し芽生えた。


 人が目の前で消えた。何が起こったかと言えば()()()()()()()()()の一言に尽きる。沢山の人が一切の時間差なく。服や鞄が無造作に落ちているが人はいない。パニックになってうまく言葉がまとまらない。とりあえず呼吸を整えよう。


 まず息を一秒止める。そして息を吐ききる。その後、限界まで息を吸い込む。これを三回繰り返したら呼吸も心臓も思考も整った。まず確かなのは人が見当たらないことと、服や靴、鞄が辺り一帯に放置されていること。いまだ電車が発進していないこと。そして錯覚か幻覚だと思いたいが、人が一瞬で消える瞬間を見たこと。


「つまり一体全体どういうことなんだよ。わかんねーよ」

 混乱のあまり誰にぶつけるでもない言葉が出てしまった。


 とりあえず、今俺がするべきことは決まっている。()()()()()()()()()。いろいろなことが起こって頭が混乱しているのは確かだが今、便意を抱えているのは間違いない。もしこの世に便意よりも優先するべきことがるあるとしたら、それはきっととても尊いものだ。でも、今の俺にはそんなものはなく浅羽駅構内のトイレ目指して歩き始めた。


 服や鞄を踏まないように気を付けながら階段を登る。踏んだら気分が良くないし足を滑らせたら一大事だし。


 トイレまでトラブルなくたどり着いた。残念なことに人の姿は見つからなかった。トイレの中も服などが散乱していていつの間にかまた心拍数が上がった。何気なくトイレのドアに手をかけようとしたら俺の腕が()()()()


 ホワッツ!

「一体何が起こっているんだよ!?」

 俺はそう言いながら俺の両手を確認した。両手とも黒い何かに覆われていた。両手で俺の頬を撫でようとすると黒いのは俺の頬をすり抜けた。手と頬が特に何もないように触れ合ったのだ。


「どういうことなんだよ。誰か説明しろよ」

 俺はそんなことを思わず口走ってしまった。だが答えてくれるものは当然、誰もいない。いろいろ疑問は降りつもり止まないが、二つだけ確かなことがある。たとえ俺以外の人間がいたとしてそいつが何かを知っているとは限らないし、もしなにか知っていたとしても答えてくれるか分かりはしないってことと、とりあえず今はトイレに入るべきだということだ。


 ここで一つ問題が発生した。黒い何かは俺の手のみならず全身を包んでいるということだ。試しにズボンを下ろしてみたら何の問題もおきなかった。そう、ズボンとパンツは黒いのをすり抜けて下ろすことができたのだ。

 そして洋式の便座に座った。洋式便座も黒いのをすり抜け、尻に冷たいプラスチックが当たった。大便もすり抜けてくれることを祈りながら力んだ。小便が出た。やはり、放尿時の開放感はなにものにも代用できない。大便も出た。ありがたいことに大便も黒いのとは干渉しなかった。この黒い何かには物理的干渉力がない。(もや)や霧みたいなものなのだろう。


 それよりも人がいない、人が消えた事の方が重大だ。なぜ俺だけが無事なのか? 他に無事な人はいるのか? 他の無事な人もこの黒いのを身にまとっているのだろうか? 考えると疑問は絶えない。


 尻を上げトイレットペーパーを引いた。これまで通り、黒いのはトイレットペーパーをすり抜けて、無事尻を拭けた。便器にトイレットペーパーを流しながら考えた。これまでは視覚外の作業だったからこれまでと変わらない感覚ですることができたが、視覚内の事だと少し変わるかもしれないなと。そして、水に流すため緑のボタンを拳の底で押そうとした。


 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()



 落ち着くんだ俺。その一心で胸に手を当て深呼吸すると、黒いのが消えていった。水は便器の中を滞りなく流れていった。


 少し頭がクラクラした状態で歩き出す。目的地があったわけじゃない。ただ自分が壊した壁から目を背けたかったんだ。


 鏡があった。トイレだから当然だけど。


 ()()()()()


 ちょっとした思いつきで、そう願ってしまった。


 そうしたら鏡の中の俺の周りが少しずつ暗くなって、最後には黒い人影になってしまった。黒いのは筋肉のようにも見えた。


 まるで自分がフィクションの登場人物になれたみたいで口角が上がった。

なんか、ここの漢字おかしいぞ。


なんか、ここの文法が変だぞ。




そう思ってしまったそこのあなた。一番下までざーって行くと右のほうに”誤字報告”って書いてあるところがあるのですよー


そこをクリックすれば誤字があったと、このさくに伝えることができるのですよー




それを確認次第このさくも誠心誠意対応させてもらうのですよー




えっ、まだアカウントを作ってないから誤字報告できない?




じゃあ、ユーザー登録して君もなろうユーザーになりなさいなのですよー

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