第6話 幼馴染みさん、乱入
思いついたのでなんとなく投稿
いろんな意味でお待たせしました。
電話して来たのは私の幼馴染みだった。
彼女の名前は真壁 由美
幼稚園から小学校の5年生くらいまでは家が近所という事もあり、ずっと一緒に遊んで過ごして来た間柄なのだが、彼女の父親の仕事の都合で彼女は引っ越した。まぁ引っ越したとは言っても外国に行ったわけではなかったのだけど、当時の彼女は別れ際がなんというか…
『私達、遠く離れてもズッ友だからね!!』
鼻水を垂らして大号泣しながら車の窓から身を乗り出してずっと手を振っていたんだけど…
私が思ったのは…
(それなんてフラグ?)
というのも、その小一時間後くらいの事である。
Prrr……Prrr……
家の電話が鳴っていたので私が受話器を持って応える。
『もしもし佐志屋です』
『も…もしもし…ま、真央ちゃん?』
由美ち(あだ名)だった。
ぶっちゃけ私は由美ちがどこに引っ越すのかは母から聞いていたので、少し寂しくはなるけど会えなくなるような距離でも無かったので、別段、お別れという気持ちで送り出してはいなかったのよね…
その後、高校時代は同じ学校に進学して旧交を温めるつもりだったんだけど、由美ちは当時、常に誰かに抱えられて休憩時間や昼休みを過ごしていたので、実際に一緒にいたのは登下校時の駅までの道のりだけだった。
何故学校にいる間一緒にいなかったかというと、それは彼女の身なりによる部分が大きいだろう。
彼女のコンプレックスにもなっていることだが、彼女を一言で表すなら『幼女』というのが妥当なところだと思う。
反論?
認めません。
身長142センチ、お胸はぜっぺ…いや、少し、気持ち、僅かばかり…まぁ寂しい感じと言っておこうかな…(遠い目)その上、少し体温も高めでからかえば返ってくる良い反応(やり過ぎるといじける)
そんな背伸びしている小学生のような可愛らしい女の子を放っておく同級生では無かったので、女子には常に誰かに抱っこされたり、膝の上に座らせられたり、ご飯、またはお菓子を食べさせられたり、男子はよく彼女の頭を撫でていたっけなぁ。
要するに、みんなに可愛がられていて私が入り込む隙がなかったのだ。
私?
その時の私は人間関係を築くのが面倒になってたから、図書館に入り浸ったりスマホでソシャゲとかオンラインゲーで遊んだりとかしてたかな?
悔いは無い。
気を使ってかどうかは分からないけど、由美ちは私が遊んでいるオンラインゲームを一緒に遊びたいから教えてとか言って、何かしらの形で私と関係を持ち続けていたんだけど、その時の私は色々とあって彼女を避けていたのよね…
今思えば申し訳ない気持ちでいっぱいだったけど、当時の私はいわゆる『陰キャ』と呼ばれるような感じで、学校カーストの底辺にいるような存在だったのだ。
かたや登下校時に一緒に帰るのはカーストトップグループの人気者の由美ちである。
肩身の狭さもさる事ながら、彼女と仲の良い取り巻きからの陰湿な嫌がらせが重なり、私はある日から不登校になってしまった。
それ以降は、空いた時間や休みの日を利用して由美ちが家に来たりして関係は続いてたりしたんだけど、それも長くは続かず、私は居留守を使ったりして結局は避けてしまった。
私は引きこもってからネット依存症になり、部屋から出る事がほとんど無くなった。
部屋で何をしているのかというと、寝てるかFXで稼ぐかネトゲばかりしていた。
父も母も基本的には放任主義ではあるが、働かざる者食うべからずがモットーであるため、さすがに一時期は危なかった。
そこで始めたのがFXと株である。
たまたまFXで少しまとまった収入があったため、それを元手に株に手を出してみた。
そしてこれもたまたまなのだけど、あり得ないほど安い株を見つけてそれを買えるだけ買った。
その結果、私は翌日莫大な利益を得て遊んで暮らせるだけの資金を手に入れることになった。
というのも、その株というのは何かの手違いによって本来の価格と違う価格で売りに出されていた株だったのだ。
それが適正の価格に戻った事による価格急上昇で一夜にしてとんでもない収入を得ることが出来たのだ。
そんな事があり、私は毎月決まった額を親の口座に振り込んでいるため、私が部屋から出なくても親は文句を言えなくなってしまったのだ。
閑話休題
まぁそういったわけで、私は日がな一日ネトゲを満喫しており、他のプレイヤーからも頼りにされるトッププレイヤーの仲間入りをしていたのだけど、ある日、あるプレイヤーが私に個人チャットを飛ばしてきた。
『今日からしばらくお休みだからイン出来る!色々教えて><』
誰かと思って送信者の名前を見ると『お江戸由美』
由美ちのアバターだった。
それからというもの、ほぼ毎日のように由美ちはインしては私と一緒に遊ぶようになり今もそれは続いていた。
それがマーブルが家にやってきてから毎日遊んでいたネトゲに全くインしなくなって数週間…
心配になって電話をかけたとの事だった。←イマココ
「生きてるよ…いきなりそれはご挨拶じゃないかな?」
『あれだけ毎日インしてた人がいきなりパッタリ来なくなったら心配するでしょ!?』
まぁ…それは確かに…
「まぁ私も色々とあってログイン出来ない状態だからね〜」
『引きこもりの真央ちゃんがイン出来ないほどの大事?何ソレ?」
「この度子供を授かりました」
仔猫だけどね〜
『は……』
「こね…『はぁぁぁぁぁぁぁ!?』うるさっ!?」
いきなりの大音声に思わずスマホを遠ざけた。
「ちょっとちゃんと話を…」
ツー、ツー、ツー…
切られてました。
まったく…誤解される言い回しをした私も悪いけど、もう少し落ち着いて話を聞くという事が出来ないのかなぁ?
「みぃ〜?」
「何でもないよマーブル〜、さっ、おいで〜」
「みっ!」
よちよち歩きで私に向かって頑張って歩いてくるマーブルたんマジ天使!
そんな事を考えながらマーブルと戯れること数十分後、家のインターホンがイタズラかと思うほどに連打されて鳴り響く。
何事かと思っていると、訪問者は玄関を開けて迷う事なく私のいる部屋の前まで辿り着いたようだ。
だがちょっと待ってほしい。
玄関、鍵かけてたんですけど!?
軽くパニックになっている私を侵入者が待ってくれることなどあるはずもなく、部屋のドアが開かれる。
「真央ちゃん!!子供ってどーゆー事なの!?」
入って来たのは幼馴染みの由美ちだった。
「お帰りはあちらです」
私は抑揚の無い声で無表情に玄関先を指差した。
「ちょっと!?な、なんでぇぇぇ!?」
「ふぅぅぅぅっ!!」
いきなりの闖入者にマーブル警戒MAXだった。
残念系合法ロリ(?)登場です。






