第2話 私、段ボールに負ける…
「みぃ!みぃ!」
「あわわわわ…」
あまりにも仔猫が暴れるため、私は仔猫を入っていた段ボールに慌てて戻す。
「みぃ!みぃ…」
元いた場所と分かったのか、先程とは打って変わり静かになる仔猫。
その変わり身にかなりのショックを受けて凹む私…
何故だ…
しかしよく仔猫を見てみると、仔猫はまだ目が開いていないようだった。
よくよく思い返せば、先程抱き上げた時もこの子は目が開いていなかったように思う。
人間でも目の開かない状況で得体の知れない何かに急に触れられたりしたらそれは恐怖でしかないだろう…
おそらくそれと同じで仔猫は暴れたのだろう…
と、思いたい…
というかそうであってくださいお願いします。
ともあれ、気を取り直して仔猫がおとなしくなっているうちに大きな段ボールを開けて中身を確認しよう。
なるべく物音を立てないよう慎重に段ボールを開けてみると、中には猫を飼うために必要と思われる道具がいくつも入れられていた。
その中に一通の手紙らしき物も同封されていたため、私は封を開けて中身を読むとこう書かれていた。
『この度は仔猫を貰っていただき本当に感謝しております。
本来であれば母猫が面倒を見る時期ではあるのですが、その子の母猫が育児放棄をしてしまい私達だけでは手に負えない状態となってしまっていました。
その子の他にもまだ4匹ほどの仔猫がいるのですが、他の子達も母猫は見向きもしない有様です…
生まれて間もないその子のお世話は大変だとは思いますが、何卒よろしくお願いします。」
おおぅ…
お前…生まれてすぐにそんなハードモードな状態だったのね…
手紙にはこの他に元の飼い主が調べたのであろうお世話マニュアルの様な物も同封されていたため、私はそれを元にこの子のお世話をする事になるのだった。
感想などもお待ちしてますm(_ _)m