第1話 私、仔猫と初対面
ガチャ…
観念した私は恐る恐る部屋のドアをゆっくりと開ける。
いつもは抵抗無く開くはずのドアが何か置いてあるようで少しだけ重く感じ、開いた部分から顔を覗かせてみると、そこには大小2つの段ボールが重ねられて置かれていた。
下に大きな段ボール、その上に小さな段ボールが蓋を開けられて置いてあり、小さい段ボールからはわずかながらごそごそと動きを見せる白黒斑模様の小さい丸っこい物体が見えるあたり、これが母の言っていた「ヤツ」だろう…
とりあえず、脇に並べられた朝食を部屋のテーブルへ移動させ、私は部屋の前に重ねられた段ボールを一つずつテーブル脇に移動させる。
小さな段ボールは当然軽く、逆に大きな段ボールは何が入っているのか分からないが結構重かった…
それにしても…
「これ寝てるんだよね?…面倒見ろって言ってもどうしたらいいのよ…」
わざわざ寝ているのを起こすのも気が引けるし、かといって放置するのもいただけない。
考えていると、私の視界にあのやたらと重かった大きな段ボールが眼に映った。
(そういえばこの段ボール、何が入ってるんだろ?)
気になった私は、仔猫を起こさないように段ボールを開けようとする…が…
「みぃ…」
びくぅっ
仔猫が起きてしまったようだ…
こんなわずかな音にすら反応して起きるとは…
仔猫って敏感なのね
まぁ起きてしまったのなら仕方ない。
私の本気でお前の面倒を見てやろうではないか!!
………
「みぃ…みぃ…」
!?
こ、これは…どうしたらいいんだろうか…
いざ意気込んでは見たものの、やはり私は仔猫の世話をする勝手が全く分からないのだ…
とりあえず…
抱っこしてみよう!
腫れ物に触るような手つきでおっかなびっくりしながら両手で包み込むように仔猫を持ち上げてみる。
「ほ…ほわぁぁぁぁぁ…」
軽い!ふわもこ!めっちゃ可愛い!!
などと持って見た感想が脳内を駆け巡りスパークを起こした私は、思わず感嘆の吐息を漏らす。
すると突然仔猫が鳴き出した
「みぃ!?みぃみぃ!!」
こいつ…動くぞ!?
というか…
「みぃ!みぃ!みぃ!」
暴れすぎ!!