第0話 私、仔猫の面倒を見る?
ほのぼのって良いですよね
『あんたの部屋の前に朝御飯と一緒に仔猫置いといたからね』
「………はぁ?」
そんな意味不明なLINEが届いたのは、徹夜でネトゲからログアウトした直後だった。
この文面の送り主は私の母である。
私はこのLINEを見てこう送り返してやった。
『私の朝御飯、仔猫なの?』
好き嫌いの無い方だと私自身思ってはいるが、流石の私でも仔猫を食べるような趣味は持ち合わせてはいない。
もちろんふざけて送り返した返事であったのだが…
『あんた…仔猫食べるの…?え?マジで…?』
食べないよ!!
こんな残念なのが私の母なのだが、今回のこの内容はいきなりすぎるし本当に意味が分からない…
このままの状態でやり取りをしていたら延々と意味不明な母の文面に振り回されると確信した私は早々にどういうことなのかと返信する。
長々と30分程のやり取りを経て、内容を要約するとこういう事らしい。
母の知人が飼っている猫が子供を産んだため、仔猫の里親になったが、生まれて本当に間もない上に自分では仕事があるために面倒を見ることが出来ない。
よって、丸一日中部屋に籠っている私に仔猫の世話をしろ。
母よ…
何故に面倒を見れないと分かっていながら里親を引き受けたのだね…
『母上さんや…言いたい事は多々あるけど、なんで私なのよ?』
『あんたどうせ一日中家にいて暇してるでしょうが?だったら面倒くらい見れるでしょ』
簡単に言ってくれやがりますねコンチクショー…
えぇ。
確かに私は日がな一日家にいますとも。
でも私はただ家にいるのではない。
この家を守っているんだよ。
自宅警備をしているのです!
『知ってる?それただのニートって言うんだよ?』
…………
ニートじゃないもん!!
本気出してないだけだもん!!
『ハイハイワロスワロス』
ムキーーーーーーーーー!!
『あんたの冗談はとりあえず脇に置いといて…』
置かれてしまった…
『さっきも言ったけど、どうせ家にいるのに代わりはないんだから仔猫の面倒ちゃんと見てね。それがあんたの今の仕事よ』
マジっスか…
『面倒見ないって言うならあんたを追い出してその部屋を仔猫の部屋に改造するから』
慎んで仔猫様の面倒を見させていただきますのでそれだけはご容赦をぉぉぉぉ!!
と…
こんなやり取りがございまして、私は今日から仔猫の面倒を見ることになったのである…
続きはまた後日