Lv3
『おのれらっ。。。!!!』
竜の声に憤怒の色が込もる。
「ひっひ、こんな所まで吹き飛んでおったのか」
『ガイコツめ...忌々しい!!』
神って。。。
こいつらか。上級四神てのは。
凄いなオレ、神様見ちゃったよ。
などと考えているとインドの踊り子の様な露出の高い服を着た女の神と目が合った。
「あら~、このヒトは誰かしら?お友達?」
『こやつは迷い込んできたただのヒトよ。さして気にする様な存在でもない』
「貴方には聞いてないのよ~、お・だ・ま・り♪」
グゥッ!という呻き声を聞き竜を見ると翼に刺さった矢が光っていた。
こいつがアルテミスか。。。あのガイコツがリッチーだな、恐らく馬に乗った蛮族のような格好の神がオーディン。となると、ムスッと腕を組んで目を閉じている黄金鎧がアーサーってとこだな。
完全に主観によるイメージだが間違いないだろう。
『こやつらが我をここに縫い止めた張本人、忌々しい神々よ!』
竜が言った直後に再びグアアと叫びをあげる。
見ると尾に刺さっていた槍が光っている。
「そろそろ目障じゃね?おれっち飽きてきたし、速攻滅ぼして帰るとしょーやー」
馬にに乗った神、オーディンが言った。
てゆーか軽い!チャラ男を感じさせるのは気のせいではなかろう。
『飽きたとな...穏やかに日々を過ごしていた我らを神の名の下に襲い、挙げ句の果てに罪の無い人々までも手にかけおって!?』
「ひっひっひ、新しい魔導の礎となるのも悪くなかろう」
「ぶっちゃけ、暇だったのよ~♪ほら、天界ってなにもない所でしょ?って言ってもわからないわよね~」
『暇つぶし、だと......そんな理由で我が弟は...我が半身は!?」
「・・・」
(アーサーって神だけ会話に入ってこないな。というか一言も喋っていない。寡黙なタイプか...)
などと考えながら、今のやり取りで引っかかる所を恐る恐る聞いてみることにした。
「あの?」
「あら~、まだ居たのね。なにかしら?特別に神様がお話してあげるわよ♪」
ウッフンと擬音が入りそうな動きでアルテミスが答えた。
この神、非の打ちどころのないくらいの美人なんだけどなんかこう...とても冷たい感じがする。
「さっき暇つぶしに襲ったって聞こえましたけど実は何か理由があるんじゃ?まさか本当にお遊びで神様が力をふるうわけでもないだろうし...実はこの竜、何か悪いことしでかしたとか?」
「あ~、そういう質問なのね?実はこの竜、神とは少しジャンルが違うんだけど...神並の力をもっているのね?“神殺し”の能力があるの。そのせいでたくさんの神様たちがこいつに食い殺されてしまったのよ~♪どう?悪いでしょ?怖いでしょ?」
そして、アルテミスが軽い感じで言う。
「だから、暇つぶしに滅ぼそうと決めたわけなのよ♪わかるかしら?」
「えっ?」
なんだかもっともらしいことを言っていたので耳を傾けていたが、思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。
「えっと...要するに、神々を喰い殺したという罪でこの竜が滅ぼされるということになった。ということであってますよね?」
「まぁ建前上はそうなるかしらね♪正直、そんな理由はどうでもいいのよ。天界には神なんて溢れているもの。そう、あなたのようなヒトと同じくらいね?でも、竜も最初は二匹居て手応えが合ったのにリッチーの新魔法で一匹消し飛んでしまってから歯応えがなくなっちゃったのよ」
「ひっひ、ちとやりすぎたかのう。人間の国も1つ無くなってしもーたわい」
「そうそう、あの魔法マジぱねぇし!今度教えてくんね??」
・・・なるほど。
そんな感じの存在か、この世界の神様達は。
まあ、地球でも神様に会ったことなんてないし空想の産物だしな。実際はこんな感じなのかもな。
「ヒトなど、黙っていれば増えすぎてしまうから多少間引いても問題あるまい。神も、竜種も、同じこと。」
黄金鎧のアーサーが目を閉じこちらも見ないまま初めて言葉を発した。それに続いて他の神々が口々に言う。
「マジでー、間引くのも大変っしょ」
「最近は大きな戦争もありませんでしたしね♪」
「ワシらも忙しい身分でのう」
「・・・」
・・・なるほど。
今のやり取りを見ていてまあ最初から感じるものはあったが、
確実なことは、少なくとも神様は竜と同じく俺にとっても不愉快な存在だ。