Lv20
俺たち三人は山道を進んでいく。
途中何度も魔物が現れたが、スライムかゴブリン、角の生えた一角兎という下級魔物ばかりでナナは手を出さず俺とアルが相手する。
「チハヤ、うしろ!」
「おぅ!」
背後から木の棒を持ち襲ってきたゴブリンをひと蹴りし態勢が崩れたところをアルがトドメをさした。
「だいぶ慣れてきたみたいだね」
ナナが胸の前で腕を組み言ってきた。
「ああ、最初よりな」
「チハヤは飲み込みが早いね。さすがだよ」
「いや、一人だったらもっと時間かかってるはず。アルのおかげさ」
えへへと照れた様に笑うアル。
うん、やはり可愛い。
「まぁこのくらい当たり前にできてもらわんとな。さて、もうそろそろ目的の場所だが、、、」
そんなこんなで洞窟の入り口が見えてきた。
「ここが俺の出てきた洞窟か」
「チハヤ、入ってみる?」
「ん、、もちろんだ。そのために来たし」
俺たちは洞窟に入って行く。
–––––洞窟内–––––
「もうすぐあんたの居た平場だよ」
「・・・おう」
「なんだい、随分大人しいじゃないか」
「なんでもねーよ。ただ何もおもいだせななと思ってただけだ」
ここにオレが現れたのか。
オレがこの世界に来た理由は?
バランはどうなった?
湖はそのままか?
色々と考えているうちにあの広場に出た。
「さぁ、着いたよ。どうだい?なんか思い出したかい?」
「、、、湖が、ない…」
「湖?そんなもん最初からなかったよ。この何かが空から落っこちてきたようなクレーターの中心に、あんたは居た。真っ黒い炭の塊の中にね」
「は?湖はなかった?そんなばかな、あんだけの水の量干上がるわけがないし、、、」
しかも炭の中に居た?
あの時オレはバランの吹いた黒い炎に焼かれて……
「そんなこと言おうが無いものは無い」
「チハヤ、本当にここに湖があったの?それに、ここで何があったかは覚えてる?」
「ああ、オレはここで……まてよ!?底に何か居るぞ!」
湖のあった場所。
クレーターの底に動く黒い影が見えた。




