Lv15
あの後、石を集め終えてオレは昨日持ち上げられなかった岩を持ち上げ食堂に行き無事にマズい飯を食うことができ眠ることができた。
サラッと言ったが岩を持ち上げる時
「マジかーーーっ!!?」
と叫んだ。だってビビったし。自分が。
アルもポカンと口を開けて見ていたがすぐ我に返り凄い凄い!と賞賛してくれた。
いくらオレでもここまで変化があれば理解できた。オレの二つの特徴。
一つ目は驚異の回復力。
傷を負ってもすぐに治る。どの程度までいけるか、なんて馬鹿な実験はしたくないが相当の自己治癒力があるだろう。
二つ目は驚異の成長力。
走れば走った分だけ体力がつき、打たれれば打たれた分だけ頑強さが増す。岩を持ち上げれたのも重いものを持つという行動に成長して筋力が上がったのだろう。
そして今は、
ビュッ–––––
「ふっ!」
ビュッ–––––
ビュッ–––––
「よっ!はっ!」
昨日と同じ距離からのナナの石投げを避け動体視力と俊敏さの成長を実感していた。
「く……この!チョコマカと!?」
「ふはははは、当たらなければなんとやらなのだ、、、、」
ズリッ、、、ドテン!
コケた。
「いや、ちょ、その、調子に乗ってすまんというか、、、」
「死ねやクソガキー!!」
調子に乗ったらいかんということも実感した。
–––––夜の食堂–––––
「いててて、、、」
「あはは、今日もだいぶやられてたね」
「あの女、これでもかってくらい全力でぶつけてきやがって」
まぁ、もうすっかり傷は治ってるんだが。
石の当たった部分も昨日より傷つきにくくなっている。
「さすがは竜の坊主、ってとこか」
コトン
テーブルにおっさんが料理を置いた。
「おっさんの料理も成長したらいいのにな」
「ちょ、チハヤ…」
「わはは、そんなこと言うだろってお見通しよ。まずはこれを食ってみな」
「なんだ、随分自信ありげなセリフだな」
まぁ期待しないで……モグリ
カチャン。。。
オレは肉を頬張った瞬間フォークを落としてしまった。
「し、塩味が効いてる…だと……?」
「わーっはっはっは!どうだ、俺様の進化した料理は」
「ま、その位だな。あとは同じだ、美味くはない」
「んだとこらぁ!?」
「まーまー、ジークフリートさんもその位にして。あとは、焼き方をもう少し工夫してみたらもっと美味しくなると思うし。スープも野菜と肉を炒めたものを入れて塩で味を調整したり、サラダにドレッシングかけてみたり、とかね」
「ふむ。焼き方、炒める、ドレッシングか…よし、やってみよう」
頑張れアル。
ここの飯はお前の肩にかかっている。
少し(?)だけ小マシになった料理を食べ、オレたちは部屋へと帰っていった。
–––––兵舎の部屋–––––
「ねーチハヤ。明日は休みだし、言ってた洞窟に行ってみるの?」
「ああ、問題ないか?」
「うん、大丈夫だよ。じゃあ、念のため明日は僕の剣を持っていくね」
「オレは結局武器にも触れなかったからな、魔物が出たら殴るか石でも投げるか」
「あはは、チハヤならそれでも倒せそうだね。街の外に出る魔物はそんなに強くないし。でも、山に入ると集団で囲まれたら危ないからそれだけは注意しようね」
「なるほどね、了解」
「じゃあまた明日」
「ん、おやすみー」
長い一週間だったなと思うと一気に眠気が襲い深い眠りについた。




