日常3
今回はだいぶ長くなった気がする……
「旧校舎へ到着〜」
霊人は嬉しそうな声でそう言う。最初は優斗も面倒だと思っていたが、自分の知らない学校の場所を知るとテンションが上がったらしく、今では霊人と一緒にはしゃいでいた。
「ん?なんだこれ?」
優斗が何かを見つけたらしく霊人がそれに駆け寄った。
「霊人、これなんだかわかるか?」
「いや、俺に聞かれましても………」
二人はA4サイズの紙に書かれた記号みたいなものを見ていた。
「うーむ……優斗!」
「なんだ?」
「これ、食べる?」
「………一度お前とは俺をどう思っているのか話し合う必要がありそうだな」
霊人は優斗の背後に般若のようなものが見えた瞬間霊人の頭にゲームのような選択肢を二つほど思い浮かべた。
一つは、とりあえず逃げることだ。しかしここは狭く障害物が多いため逃げ切れるとは思えない。そのため、この作戦は不可能だと考えた。
二つ目は、この前動画で見たエクストリーム土下座を使うことだ。しかし先程言ったようにここは障害物が多い。つまりこんなところでジャンピング土下座なんてしたら確実にそこにあるガラスとかを絶対割るだろう。
そのためこの作戦もダメだ。
そうこう考えてるうちに目の前に拳が迫っていた。
(あ、オワタ)
次の瞬間には霊人は気絶してしまっていた。
「知らない天井だ……」
起きて唐突にボケをかます霊人。いつもならツッコミ役の優斗が何か言ってくれるはずなのだが、どうやらここには優斗はいないようだ。
その時チャイムが鳴った。
霊人は起き上がると未だに痛い顎をさすりながら保健室を出ようとした。
しかし、霊人が開けるよりも早く誰かが入ってきた。
優斗だった。
「お、目を覚ましたか」
「目を覚ましたか、じゃないよ…本気でやりやがって……」
「悪い悪い、お前が紙を食うか?とか聞くからだぞ」
そんなことを言う優斗だが少しばかりやりすぎたことを反省しているため、とりあえず霊人は許すことにした。
「って、あれ?優斗ー!俺が持ってたあの紙は?」
「ん?あぁ、その紙ならお前が寝てたベットの近くにある机に置いておいたぞ」
「お、あったあった。……なぁ、こんなとこにこんなこと書いてあったっけ?」
「いや、書いてなかったと思う……」
そこにはボールペンで二名様ご案内でーす!と書かれてあった。
その文字から目を離すと急に強い眠気が二人を襲いかかってきた。
そして二人はその場で眠ってしまった。
「ふぅーやっと検査も終わったわ、あら誰がこんなとこにボールペンを置いて行ったのかしら」
検査から帰ってきた保健の先生はその場に落ちていたボールペンを拾い筆箱にしまった。
そして、その場にはボールペン以外は何もなかった。
やーっと次回からは異世界ですね〜
ここまで持っていくのにどうしようかと思いましたよー