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人類is敵

もしタイムリープしたら今と違って幸せになれのか?否。大抵の人間だったら当時の過ち知っているのだからそれを全力で阻止して幸せを掴む、近付けるだろう。しかし僕の場合は別だ。敷かれたレールから脱線を妨げても直ぐに脱線してしまうだろう。わざと幸せから逃げているのだから...

タイムリープよりいっその事、記憶喪失になったほうが幸福度への期待は高いかもしれない。

もちろん生まれた時から幸せから逃げていたわけじゃない。

小学生の頃は泣き虫、人見知り、それさえ無ければそこらの少年少女と変わらなかったと思う。平凡とはある日突然奪われるのだと僕はその時悟った。

中学に入学して間もない頃当時仲の良かった友人と同じ部活に入ったが周囲が僕に対して距離を置いてるのを察して彼も僕から距離を置くようになった。四年間の付き合いがたった数十日と彼らの態度で水の泡となったのだ。それからというものの周りとの人権関係は冷め絶縁し切っていた。

―――現在―――

僕は三度目の自殺を試みていた。一度目は餓死寸前で親に救急車を呼ばれ一命を取り留めてしまった。二度目はEDだ。目が覚めてしまった挙句長時間の吐き気、頭痛に悩まされた。そして三度目となる今回だがテンプレな方法の首吊りだ。ロープの質感が首筋に丁度いい緊張感を与え毛穴が開いてるのを感じる。これから死のうとしてる人間が思うことじゃないかもしれないが僕にも夢があった。

友達の作れない人間だったもんだから自分に都合の良いAIを開発し他愛もない会話をする事だ。周りにいったら間違いなく滑稽と思われるに違いない。

まだ未成年だから成功法で酒を手に入れれるはずもなく親からくすねた酒を飲んでいたが気分は最悪だった。とても臭く漢方を調合したような味がした。飲まなければよかったと後悔してる。

お調子者は死んだら輪廻転生したり特殊能力を持つに世界や美少女との間にイベントが発生して解決していく異次元だとかラノベでのお約束設定を期待したりするのだろう。幸せから逃げている人間にとってはそんなのまた自殺しなきゃいけないじゃんかとうんざりする話だ。

ムードを出すために部屋の電気は消しておいたから何も見えない。すでにロープの質量は僕の汗で重くなってるのを感じるくらい何故か落ち着いていた。遺書は書かなかった。特に深い意味もなくただめんどかっただけだ。

蚊が僕の丸い曲線を描いた耳に止まったのと同時に事前に設置しといたローラーのラーの椅子を力一杯蹴り飛ばしロープが僕の喉を締め付けるまでは一瞬×3くらいだった。徐々に呼吸が乱れ眠りに入っていく。自殺は成功かのように思えた。

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