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脇役は脇役らしく日常を送る  作者: white-under
転校生はドキドキするもの
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噂の転校生(1)

 あの騒動から1週間が経ち、元の学校生活に戻っている。3日間くらいは血溜まりが所々にあったがそれ以外はごく普通だった。変化したとしたら『転校生』が来たことしかない。正直言って『転校生』は凄かった。ある意味衝撃が大きかったから。この俺が口で説明しても伝わらないから今回はそのときのことを話そう。



『転校生』が来る予定の日、そしてあの騒動から4日後の出来事。


 今日も弟を起こさず公園から帰った直後弟に怒られ、母親が作ってくれた朝ご飯を食べる。ここまではいつもと変わらない日常だが1ヶ月前から仕入れた情報によれば、今日転校生が来ることになっている。


「た、孝之!おはよう!」

「燐、大丈夫か?」

 あれ以来燐の様子がおかしい。燐とは一緒に登校することがあまりない。中学生のときは一緒に登校していたが、燐が橘先輩と出会って以降は橘先輩がいない限り登校したことない。それがここ1週間一緒に登校している。

 「橘先輩の所に行かないのか?」や「あっ!あそこに橘先輩がいる」とか言っているが、燐は「学校で会えるから」しか言わない。


「うん、大丈夫」

「……」

 おい、会話が続かないぞ!それなら『あの話』でもするか。

「そう言えば、今日俺たちのクラスに『転校生』が来るらしいよ。噂で結構美人「えっ!」らしい」

 だんだん燐の顔が青白くなっていく。

「……(何か不味いことでも言ったか!?)」

「私、先に行くから」

 燐の歩くペースが上がる。

「ちょっ」

 こちらの声には振り向きもせず学校方面に進んでいく。俺はこんな燐の姿を見たせいかいつの間にか歩くのを忘れてしまった。

どんなときでも脳の回転が早い俺でもこのときばかりはいくら時間が経っても答えが出ることはなかった。

 いや、考えるのを止めた。今日は『転校生』の方が重要だ。

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