逃亡生活-(5)
「ふわぁ~、よく眠た」
あの屋上の一件から3日後、俺は隣町にある母親の実家に泊まっていた。
「孝くん、起きていたのかい?」
「今起きた」
「ご飯は用意できてるよ」
婆ちゃんが丁度起こしに来たようだ。
「ありがとう」
「いいんだよ。かわいい孫が泊まっているのだからね~。それにしてもその特技はいつ解けるのやら」
「師匠と同じなら1ヶ月くらい。前回もそうだったし」
「あの馬鹿弟子かい」
「もう、いい加減に許したら?」
「それはならん!」
「・・・」
「フミエ、大声も出して孝之はまだ起きんのか?儂が起こそうか・・・て起きてるじゃないか」
「爺さん、孝くんが悪い虫にたぶらかされておる」
「どこの誰じゃ?」
「あの馬鹿弟子じゃ」
「殺す」
突然、爺ちゃんが不気味なナイフを取り出した。
「ちょ、ストップ!ストップ!」
「孝之、儂は死ぬまでにあやつを殺さなければならん。孝之の件で更に殺意が湧いたわい」
あちゃー、火に油を注いじまった。
「どこにいるかわかんないだろ」
「わかっておる」「既に発見しておる」
「は?」
この俺でも発見できてないのに・・・まさか。
「もしかしてあれ使った?」
「使えるものは使わんとな」
「そうじゃ」
「「わはは!」」
「・・・」
ワラエネー、某情報機関使うとか・・・。
俺、付いていけない。
ゴハンイコ。
「「わはは!」」
『クシュンッ・・・誰かが噂?そろそろ引っ越そうかな。危なそうな感じだし』
異常な祖父母にしては普通の朝ご飯。
白米に卵焼き、焼き鮭、味噌汁、漬け物・・・うん、塩分高いな。
まあ、気にしないけど。
ご飯を食べ終わり、縁側でゴロゴロする。
「暇だ。暇すぎる」
ん?え、学校?課題?はどうするかって?
脅せばどうにかなる。
高校レベルなんて簡単すぎる。
「ふわぁー、ねむ」
とゴロゴロしているうちに、特技発動から1ヶ月経ってしまった。
する事もなくゴロゴロしているとあっという間に時は過ぎていく・・・まあ、その間は情報収集に徹底してきたが榛里や氏守は特に警戒するような行動はしてこなかったな。
母親がうまく誤魔化しているのだろう。
この恐ろしい祖父母の遺伝子を持っているのだから。て俺もか・・・。
「さて、戻るか。この感じだと明日の朝くらいだろう」
「戻るのか」
「!!」
「何、ビックリしとるんじゃ?」
「いや、何でもないよ」
気配が無さ過ぎる。
婆ちゃんには失礼だが、幽霊並み。
「このくらいの気配に気付かんのはまだまだじゃ。本物の幽霊に失礼じゃ」
「婆ちゃん、心読まないで」
「それこそ、修行が足りん。1から鍛え直すかの」
「俺より康明にお願いします」
「康くんは、才能がない。雪菜は様子見じゃ」
「・・・」
「だから孝くんを鍛え直すかじゃ」
「次の長期休みに」
「ほー、言質は取ったぞ。爺さん」
「そうじゃな」
床から頭を出した爺ちゃんの右手にはボイスレコーダーがあった。
「・・・どこに隠れてるんだよ」
「隠し通路じゃな」
「あ、そう」
「孝之もまだまだじゃ、これは鍛え直すのがこれから楽しみじゃの」
「早速メニューを考えようか」
「そうじゃな、そうじゃな」うんうん
「はぁあ、\(^o^)/オワタ」
俺の長期休みの予定が立てられた。
生きて帰れるかな。




