逃亡生活-(4) : 昔話2
「お前も孝之がどうして"今の状態になった"のは知らないのか」
「そこは知らないよ」
「孝之自身かそれとも・・・」
美也が何を感じたかはわからないが燐の方をみる。
「ん?」
燐が首を軽く傾げる。
「ふっ、いや何でもない。なにも知らなければそれはそれで幸せだ」
「・・・(美也の奴、わざとすぎる)」
「よし、そろそろ話そう。あたしと孝之の出会いは・・・」
今から4年くらい前だ。
あたしが17歳、孝之が13歳で場所はどこかは忘れたが、暗闇の中であたしたちは閉じ込められていた。
監禁?
いや、そんな優しいものではなかった。
ヤクザ・・・マフィアに脅迫の材料として使われたのさ。
孝之は別件だと言っていたが、あの状況下なら似たようなものだな。
いつ殺されてもおかしくはなかった。
けどあいつは、そんな状況下にありながら「疲れた。もう帰ろう」と頭おかしなこと言いやがった。
暗闇でなにも見えない中、手足が縛られた状況でな。
暫くして、孝之の方から『バキバキ』音がし始めたんだ。
「やっぱり痛いもんは痛い。師匠のバカやろう」て、立ち上がった。
最初は「は?」だったよ。
こいつは、どうやって抜け出せた?
テレビや小説みたいにうまくできているはずがない。
できたとしてもどこかにミスがあっただけだ。
今はそんな状況下ではない。
と思考を巡らせていたときに言われたのが、
「これは普通の人にはできない」・・・。
これで、あたしは孝之にホレた。
「「「・・・」」」
あー!嘘(好きなのは真実)だって、この後に続きがあってな。
孝之は最初から逃走ルートを作ってたんだが、師匠に意地悪されてたようでな、出口の監視カメラは切ってなかったようなんだ。
「師匠のバカやろう~」て叫びながら突撃したら、案の定敵がいた。
100人くらいだったな。
そこからは圧倒的にあたしたちがボコボコにして、帰ったんだが、これとは違う敵にあたしが撃たれたんだ・・・でも孝之が身代わりになった。
今も背中に残ってるはずだな・・・10発くらい。
そんなことがあれば惚れない奴はいないだろ。
なあ!そうだろ!
「「「普通、そんなこと起きません!」」」
「それこそ、ドラマ、小説」
「うーん、お嬢さんも?」
「マフィアなんかみたことないです。精々、ライバル企業の用心棒です」
「そうか~俺だけか~、孝之が抱きついてきたの。ニヤリ」
「「!!」」
「嘘は駄目です。貧血で、ですよね。氏守サン」ニコッ
「ちっ、コイツは騙されなかったか、笹塚」
「モシモ、コレイガイニアレバ・・・コンドコソカンキン」
「「「・・・」」」
「嘘」
((絶対、嘘だ))
(孝之、マフィアより笹塚の方が怖いわ)
「・・・(これ、体育祭より悪化してない?船頭多くして船山に登る?それとも三人寄れば文殊の知恵か?て今はどうでもいい!逃げることに専念だ)」
孝之は過去の自分を恨みつつ、次の行動に移すのだった。




