平和な日常(2)
学校に着くまで何事も無かったように過ぎていく。何時もなら、不良たちが俺に喧嘩を売ってくるのだが。というより誰ともすれ違わない。
しかし、何時もと違うところがあった。それは道端に人が倒れていること。でも一人二人だけではない10人単位で倒れている。
それを俺はあまり気にせず踏みつけながら学校に着いた。
そして学校に着いたのはいいが先程の光景とあまり差はなかった。男女関係なく生徒、先生が倒れている。
「……本当に何これ?」
辺りを見渡してみると近くにクラスメートの大和田(主人公候補1・陸上部短距離エース)が倒れていた。
「大和田、どうした?」
肩を揺さぶる。いや、棒でつつく。
「……霧山か」
途切れそうな声で呼ばれた。
「この状況はどうした?」
「ゴホッ、お前は平気なのか?」
「何が平気なのかはわからないけど……」
「なら良かった。 まだ見てないのなら言っておくよ。今の彼女を見てはいけない。見たら最……後だ」
ガクッ。
「大和田~。という茶番は止めておこう。さっさと起きろ。カンニング野郎」
ベシッ!
「痛い。もう少し優しく叩けというよりお前もカンニング野郎だろ」
「優しく叩けってお前、Mだったのか」
「違うわ!」
「で、この状況何?」
「突っ込みにはスルーですか。そうですか」
「いい加減話せ」
「はぁ~わかった。話すよ。えーと、1年生の田中千里を見ていた生徒や先生が倒れた。ただそれだけ」
大和田が立ち上がって答える。
「は?」
「あーそう言えば、お前の知り合いだっけ?」
「ついさっきまで一緒に登校してきた」
俺は平気。
「何で、お前は平気なの?」
「知るか」
あいつ新たな病気でも発症させているのか。
「あーお前が原因か」
「何でそうなる」
「何か起きる度にお前の名前が挙がるからな」
俺が疫病神か……。まぁ確かに厄介ことは持ってくるがここまで酷くはない、たぶん。