体育祭-準備-(2)
それから授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。そして、七下先生がSHRを簡単に済ませ、各々帰り仕度やら掃除の準備などをしている。
「孝之、災難だったな。あの競技に選出されるなんてな」
二三矢がニヤニヤしながら近づいてくる。しかし、イケメンがどんなにニヤニヤしようとも誰も気持ち悪くしない。もしも、俺が同じことしたら二三矢みたいにはなれないんだろうな。
いや、逆に誰も近づいてこないだろう。
「病気で休むからそのときは宜しく」
「ズル休みはダメだろ。我らの担任、七下先生がお怒りになるぞ」
二三矢が教卓を見ながら言う。
「病院の証明書があればいいんだから大丈夫だ」
「偽造でもするのか?」
「そんなことするわけないだろう。この俺が」
「いや、お前だから言っているんだ」
失礼な奴だな。病気になるんだから偽装する必要ない。
「それより、掃除場所行かなくていいのか?」
そろそろ時間のはずだから。二三矢がいる掃除班のメンバーが教室にいない。
「…」
「まずい、忘れてた」
こいつ終わったな。合掌。
「じゃあ、また明日」
「おう」
二三矢が急いで掃除場所に向かう。ちなみに俺たちの班はお休み。掃除をしなくていいのは喜ばしいことだが今日は特にすることがないので暇である。
そして、俺は暇つぶしに教室掃除の奴らを邪魔をすることを咄嗟に思い付いた。その邪魔をするにあたって、苛々することをしても面白くはないのでひとりひとり耳元で秘密を囁くことにした。
俺の予想通り邪魔することは成功したが、発狂したりひとりごとを言ったりとカオスな状況になってしまった。
「…」
この状況はまずいと考え、教室の後ろ側の扉から逃げようとしたとき廊下がざわめき始める。
ガラガラ
「孝之はいるか?」
「…」
廊下は黄色い声、教室は混沌な状況、そして逃走間近の俺と何も知らない女生徒1名(先輩)。
「先輩どうしましたか?」
「それはこっちのセリフだ。何があってこんな状況になる?」
「これはこれで置いといて何か用ですか?」
「嗚呼…」
先輩が何か諦めたような表情をする。
「これから体育祭の会議があるんだが君の意見を訊きたくてな」
「俺、体育委員じゃないんですけど」
自慢ではないが今まで委員会に入ったことがない。
「聞いた話だと"あの競技"に出るそうじゃないか」
「もう広まっているんですか…」
もう嫌だ。休もう。うん、休学しよう。
「ただ、からかいに来たわけではない。君に良い話を持ってきた」
良い話?何か裏がありそうだが…聞いておいて損はないだろう。
「その良い話とは何ですか?」
「取り合えず会議室に来てもらってからその話をしよう」
「分かりました」
俺は先輩に着いていく。教室は未だカオスな状況だが。誰かが後始末をしてくれるだろう…きっと。
―――10分後―
「き~り~し~ま~!」
結果として七下先生でした。会議室まで声が届いた。明日は休もう。




