体育祭-準備-(1)
"体育祭"
それはクラスが一丸となって競い合う行事の一つである。また、男子だから女子だからではなく性別を超えた助け合いにより新たな絆が生まれる。そして、今ここで一つの争いが始まろうとしていた。
学級会
「女子で借り物競走に出たい人はいますか?」
女子の体育委員が聞く。
「「…」」シーン
誰一人手を上げようとしない。ただ榛里だけがよく分かっていないみたいだった。転校してきたからこの状況が分からないのも無理はないが誰か教えてやれよ。あっ、俺もその一人か。
「クラス対抗リ「「ハイ!!」」」
さっきまで誰一人微動だにしなかったのに榛里以外の女子全員が手を挙げる。
「はぁー、お前らこの勢いで借り物も手を挙げないんだ。男子もな」
そう、これは女子だけではなく男子でもこの状況が起きていたのだ。2つ以上の競技に出ている奴以外がその枠に入ればいいのだが、クラスの男子の人数のキリが悪く、借り物競走以外の競技で余ることなく全員入ってしまった。
この借り物競走は男女各2人で合計4人の生贄を必要とする。なぜ、この競技が圧倒的に人気でないのは用意されているお題が問題なのである。
この競技は1度に5人が一斉に走るのだが、お題は入れ替え制で約30個の中から毎回5個選ばれ箱の中入れられる。
そのお題は体育委員長が作るためその年の委員長がどういう人なのかにより内容が決まる。だから毎年、お題が鬼畜ため誰もが諦めている。
そして、どのクラスでもこの競技だけが残りものになる。誰もが生贄という名の公開処刑を避けるのだ。
「あー、決まらないなら私が決める」
そのことを聞き、女子の他の競技を決め始める。七下先生が名簿を見る。嫌な予感しか浮かばない。
「女子は…DとGで、男子はSと…」
チラッ
七下先生がこっちを見る。あー、これは俺ですね。
「霧山な」
パンッ!
「はい、これにて終わり。チャイムが鳴るまで自習」
俺はその日に休めるように願うばかりである。




