とある俺の休日(4)
表通りにて―――――
「どこかいい店でもあるのか?」
こんなところ知り合いに見られたら俺の人生…終わった。
「…」
「無いのかよ」
「そういう孝之は当てがあるの」
「あるにはある」
「どこ?」
表通りにある路地を指差す。その路地は昼間でありながら薄暗く、普段は誰も通らない雰囲気を出していた。
ゴソゴソ
ニャー
バタンッ!
「そこ…通るの」
「あぁ」
「…」
小倉が無言で店をよく見ず指を差す。
「えーと、あの店でいいのか?」
俺は店を確認し小倉に聞く。
「コクり」
また、頷く。
「ちゃんと、その目で確認しろよ」
俺は小倉の体を店がある方に回転させる。
「ちょっと…あっ…///」
ようやく理解する。小倉が指差していたのは外からでもわかるくらいカップルが多い店だった。更に外のメニュー黒板にはカップル割引の文字が大きく書いてある。
「俺は別に良いけど、どうする?」
まあ、あいつらにばれなければ大丈夫か…。他の奴らはあれでやり返せば良い。あとは小倉次第だが。
「入る」
いつもの冷静さを取り戻した小倉が言った。
「分かった」
この瞬間俺のすることは決まった。帰ったら情報の整理だ。
カラン
「「いらっしゃいませ」」
店の中は余計な物は何も飾っていないシンプルだった。唯一気になるのは店とカップルが出しているピンクの空間が合っていないだけだ。そして、俺たちは店の奥にある席に案内された。
「注文が決まり次第こちらのボタンを押してください」
「「…」」
店員に言われたボタンをみるとそこには店のシンプルさが似合わないハート形のボタンが置いてあった。
ピンクで。
「小倉、メニュー表」
小倉にメニュー表を渡す。俺は隣のカップルのように二人がイチャイチャしながらメニューを決めたりしない。そんなフラグに繋がりそうなことはしない。
しかし現状はアウトだな。小倉の店先の赤らめでこれは危険だと感じたが。
「一緒に見る?」
はい、そうなることは分かっていました。でも、そんなことにはさせません。
この俺が許しません。絶対阻止します。
「いや、大丈夫だ。先に決めていいぞ」
「見る?」
「だから大じょ――――」ビクッ
なっ、なんだ。この威圧は!俺は咄嗟に周りを見渡すが知り合いはいない。
すると俺の脳内に
『さやちゃんを泣かしたら許さないよ』と声が聞こえる。
小倉の祖母か…。あの人なら何かできそうな気がする。
うん。
「どうしたの?見ないの?」
「小倉の祖母って凄いな」
「いきなり何?」
「いろいろと」
「ふーん、それで見ないの?」
「あぁ」
もうどうにもなれ。バイバイ、俺の平和。
ガタッ
俺は席から立ち上がり小倉の隣に座る。
「!!」
「どうした?一緒に見るんだろ?」
「うっ、うん////」
――― 割愛 ―――
それから俺たちはオムライスとカップル限定のパフェを食べて店を出た。
カップル限定?食べあいっこして証明させ、精神がごっそり削られた。こんなことはもうしたくない。
あれ?これってフラグか?フラグなのか?俺って脇役目指しているよな?これで物語が進められるのか?




