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脇役は脇役らしく日常を送る  作者: white-under
転校生はドキドキするもの
12/42

噂の転校生(終)

昼休憩が終わり、午後一番の授業が始まっていた。

2-4教室では妙な空気感が漂っていた。

「(さて、どうしたものか)はぁー」

 俺は燐のあの状態をどうするかを引き続き考えていた。

「霧山、どうした?俺の授業でため息なんかついて。俺の授業が面白く「毎回面白くないです」……」

 俺は先生が言い終わる前に答える。すると「じゃあ、面白くないならこの問題でも解いとけ」と2年の数学担当の岡田が言う。


「えーと、y '=cos(4x+3)×(4x+3)'になるので答えは4cos(4x+3)です」

「何が面白くないだ。ちゃんと聞いているじゃないか」

「教科書の内容が面白いんです。先生は面白くないです」

「今日の放課後残れよ。残らなかったら単位無しだからな」

 これこそ職権乱用の正しい使い方。

「先生」

「何だ?文句でもあるのか?」

 岡田先生がニヤニヤしながら「反撃できるもんならしてみろ」と言わんばかりの雰囲気で俺を見る。


「この前、合コン終わりに綺麗な女性と歩いていましたけど……どうなりました?自分の記憶ではお金をだいぶ取られましたよね?ククッ」

「おいおい、何で知っているんだ?」

 岡田先生は冷静さを保ちながら質問する。

「棚坂先生に聞きました」

「それ本当か?」

俺は「はい」と素直に答えた。ここで嘘を付いても意味がないからな。

「はぁ。あの馬鹿、よりによってこいつに喋っているんだ」

 岡田先生は呆れながら「霧山、今日のことは保留だ」と言って授業を再開した。

「あっ、」

「まだあるのか?」

「いえ、先生にはありませんが保健室行って良いですか(そうだ、燐に謝ろう)?」

「行ってこい、行ってこい」と岡田先生は投げやりに言う。





――――――――――――――


 一方、その頃2-2教室ではあの現国担当の棚坂先生が岡田先生のことを孝之に話した内容を喋っていた。

「岡田先生がやられた次の日に偶然霧山と会ってな貸しを作るために喋ってしまったんだ」

「先生、それ喋って良いんですか?」

ある生徒が言う。

「霧山のことだ。今日当たり使っているだろう」


 クラスの殆どが笑っているなか一人だけ顔を赤らめている生徒がいた。

「///」

「笹塚どうした?顔が赤いが風邪か?」

燐は孝之の名前だけで反応するようになってしまった。

「ちっ違います」

「……速川連れていけ」

「分かりました」ガタッ。

「みっ美咲、大丈夫だから!教科書読めるし!」

 教科書が逆さなのは仕方がないが、それ以前に教科書自体が現代文では無いのは言い訳できない。


((((それは無理……))))


「連れていけ」

ガシッ「行くよ」

「えっ!」

ズルズル。

「いやー」

 燐の抵抗も空しく先生と美咲によって強制的に連れていかれた。


保健室前。

「「あっ!(……)」」

「「「……」」」


 気まずい空気が流れるがそれを破ったのは美咲だった。

「霧山は何でいるの?」

「岡田先生が行って良いって」

「もしかして、あれ?」

「あー、そっちは現代文だっけ?棚坂先生言ったんだ」

「言ったよ」

「岡田先生、御愁傷様。それより速川は?」

「燐が熱ぽいから連れてきた」

「孝之、 違うから///」

「そうか」

「「「……」」」


 また、3人に沈黙が走る。

「あたしまだ授業があるから、あとは霧山任した」

 再び美咲が破る。

「あぁ」

 美咲は孝之の返答を聞くと教室に帰っていく。

そして、再び……。


「燐、大丈夫か?」

「うっ、うん」

「この前は変なこと言って悪かった。結論から言うと、今は好きとか嫌いとかじゃなくて親友としてみてるから」

「うん……」

「改めてよろしくな」

孝之が手を差し出す。

「うん、私もよろしく」

 燐も手を出し、お互いが握手する。


「おーい、お二人さん。何でそっちに行くのかな?そこは甘酸っぱい雰囲気になるのが当たり前でしょ?」

「栗栖先生、俺そこまで鈍感じゃないです。人間関係はスッキリさせておきたいので。燐もそうだろ?」

「あっ、うん。それに孝之はこんな場所でそんなことしないと思います」

「そうですか。ここで会話され続けられても困るから入って」


 栗栖先生に二人は促され保健室に入る。

「二人とも次の授業はどうすんの?」

「俺は出ます」

「私は……」

「帰りなよ。友達が連れてきてくれたんでしょ?」

「分かりました」

そこから孝之たちはチャイムが鳴るまで話していた。




――――――――――――――

放課後の職員室の一角。


「棚坂先生、何言っているんですか」

「はは、霧山君に恩を売っていても悪くはないな~と」

「まあ、否定はできませんけど」

「岡田先生、女性には気を付けた方がいいですよ」

「えっ。栗栖先生、どういう意味ですか?」

「霧山君から聞きました」

「本当ですか?」

「はい」ニコッ。

「ブルブル」

「「岡田先生?」」

「き~り~や~ま~!!」

「「御愁傷様です」」


 こうして、先生たち(主に岡田先生)のストレスは貯まっていくのだった。


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