噂の転校生(2)
「(さて、どうしたものか。う~ん)」
燐のあの件で午前授業の大半を潰してまで考えている孝之は売店に行くために3年教室前廊下を通っていた。これは売店が1階と3階にあるからだ。
「やぁ、悩める子羊よ」
「……」
いかにも『私は生徒会長ですよ』という雰囲気を出している残念なイケメンが孝之に話しかける。
一方、その周りでは……。
「おい、あれ見ろよ。またやっているぞ」「マジか」
「助けた方がいいかな?」
「いや、止めとけ」「何で?」
「よーく見てみろよ。2年のあいつだ。雰囲気からして不機嫌だぞ」
「「……止めよう」」
「「「そして、生徒会長ご愁傷さまでした」」」という会話が行われていた。
「いや、その方法を取ると俺が最低な人になってしまうし」
(((残念ながらもうなっています)))
「子羊くん、この私を無視かい?」
(((忘れてた)))
「生徒会長、俺に用ですか?」
「君が悩める子羊に見えたからさ。霧山くん」
「……」
(((ヤバい人に捕まったような顔をしている。実際にそうなんだが)))
「この私、生徒会長が悩みを聞いてあげよう」
生徒会長がキラキラした目で孝之を見る。
「いや、こんな俺を救うより下駄箱付近でラブレターを持ってウロウロしてた女子がいたんでそっちに行った方が良いですよ」
「それは本当かい?」
「確か生徒会長の下駄箱付近だった気がします」
「!!」(((!!)))
「……悩める子羊よ。私は用事ができた」
「大丈夫です」
「see you again!」シュパッ。
「……ニヤリ」
(((嘘かー)))
「昼どうしようか?時間的にもう無さそうだし。そうだ、委員長に分けてもらおう」
孝之はそのまま来た道を引き返し委員長がいる教室に向かうのだった。
(((委員長さんご愁傷さまです)))
ガラガラ。
「委員長いる?」
「「「!!」」」
とある男子により委員長がいる2-4の平和な昼休憩が崩された。
「燐、朝から元気無いな。あたしでよければ相談に乗るよ」
「大丈夫だよ。明日になればもとに戻るから」
「美咲さん、ちょっと良いかな?」
「何で"さん"付け?別にいいけどね。それで何か用事?」
「美咲さんを呼んでいる人がいるから」
「誰?」
「委員長いないの?」「います!」
男子Aがビクビクしながら答える。
「「「……」」」「あっ!!」
燐以外が無言になった。




