そして転生を選んだ
彼の場合
「お疲れ様でしたー!うわー!傷だらけ!ぼろぼろですねー。そんな人生に疲れた貴方にご朗報が!」
「朗報…?」
「ええ!今なら先着順の特典がありまして、竜も魔法もない世界に転生してみませんか?」
「転生…?」
「平和な世界で新しい人生をはじめから生きなおしてみませんか?」
「そんなことが出来るのか!?これまでの自分の記憶は?」
「貴方は一つの世界を救うっていう善行をしていますからね…通常だと記憶は引き継げないんですが特別に許可できますよ」
「そうか…いや、いい。記憶はいらない。新しい自分になりたいんだ。もう、こんな戦いばかりの生き方は忘れたい…」
「(にっこり)では転生者様一名ご案内いたしマース!」
そして、世界を破滅に導く魔王を命がけで倒した勇者は平和な現代日本に転生することを選んだ。
彼女の場合
「ここ…どこ?私…そうだ、突き落とされて…」
「こんにちわ~!ここは死者の国ですよ~!」
「やっぱり、わたし死んだのね」
「そうなんですよ~。自分だけのものにならないなら!って金髪美形に後ろからドーンでしたね」
「そっか…あの人にね…」
「それでですね~。実はあるご紹介がありまして」
「紹介…?」
「今なら先着100名様に、新しい人生をご紹介しているんですよ」
「新しい人生ってどんな?」
「一般的な家庭で一般的に外見も中身も地味に生きる人生です」
「地味…。生まれ変わるってこと?」
「はい、あなたの場合は記憶は引き継げませんが…穏やかな人生を送れるはずですよ」
「穏やかな人生…いいわね。私、もう疲れちゃった…お願いします」
「あーすっごい取り合いでしたもんね!では、転生者様御一名様ごあんなーい!」
そして、様々な男達に愛を囁かれた美貌の聖女は平和な現代日本の一般家庭に転生した。
そして案内人の裏事情
「いやー先輩、最近は魂が減ってて大変でしたけどいい場所みつけましたね」
「みんな異世界にばっか行っちまってな…こっちの世界の魂が減っちまったら世界の運行に支障があるっていうのによ…本当にあそこで魂を補給出来てよかった」
「人の念が集まるとこんなに早く魂を持つんですね…昔は物に魂が宿るのは100年かかったんですけどね」
「つくもがみも進化したよな。いまやゲームやマンガの登場人物に魂が宿るんだからな」
「すごい現代になりましたよね~。ゲームやマンガに憧れて異世界にいった奴等もびっくりですよね!」
なんかギャグっぽいものが書きたくなってしまって。ショートショートです。
続きは書きませんっていうか書けません!(笑)