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女神より奪いし者 〜最強チートの異世界ライフ〜  作者: シンクレール
第1章 異世界に落とされた少年
3/57

3話 女神を脅す

三話目です。

  気づいた時には既に、俺は真っ白な空間に直立の状態で存在していた。そこはとても神々しい光で満ちて……ってそんな事はどうだっていいわッ!!


「誰だよ!人が最高に最高なシチュエーションで人生の幕を閉じようとしているのを愉快なBGM垂れ流しにして最悪な気分に変えてくれやがった奴は!?」


  オイ!!いくら普段温厚で人畜無害な俺でも流石にキレるぞ!!責任者出て来いよッ!とりあえずぶん殴るからッッ!!


  俺は、本気で切れていた。本気と書いてマジと読む。ってか許せん、マジで許せん!!!


  だって俺死ぬ前にメッチャかっこいい感じの事言ってたんだぜ?あんな事言った後にこれって…嘘だろ? ねぇ?嘘だと言ってよ!!


「あ、あの〜すいません、別に悪気があったわけじゃ無いんです……どうか、許してください……」


  と、いかにも私困ってますアピールをしてきた声の主に対して、射殺すような視線を向けるため、 俺は振り返った。


  絶句。まさにその表現が当てはまるだろう。青みを帯びた朝霧のように白い髪と、金色の瞳。 絶世の美女と呼ぶに相応しい女性が、そこにいた。さらにさらに、彼女はロリっぽい顔立ちをしているくせに巨乳で、しかも身長もそれなりにあったのだ! 168cm…といったところだろうか?

  ロリ巨乳の最終形態がこれなのか……?


  (ちなみに俺は173だ)


  そして、何よりも特徴的なのが背中の羽!!

 皆さん!!見てくださいこの純白の羽を!

  ささくれだった心が洗われるようですッ!


  だがしかぁしっ!!!


  私の心に宿る怒りの炎は全く鎮火される気配がありません!!(洗われもしません)

  だって人生で1番っていうレベルでぶちギレてるもの!いや、アレはあんまりじゃね?

  俺が怒るのも当然じゃね?


  「貴女が責任者ですか?まあ、取り敢えずこちらに来てくださいよ。今からぶん殴りますから」

  「何で丁寧語なんですかッ!?っていうか結局ぶん殴るんですか? 私、女ですよ?皆さん憧れの女神様ですよ!?」


  ん?女神?


  なんだこいつ変なこと言い出したぞ、電波なのか?いい年こいて電波ちゃんなのか?

  まあ、こいつの年齢なんて知らないのだが。


  「私は男女共同参画社会基本法を支持しています。そのため、男女差別を好みません。許せない事をされたら女でも殴ります。さあ、分かったらとっとと殴らせてください」

  「いや、私女神だって言ってるでしょ!? というかこのままじゃ話が進みません。 今の状況を説明するのでちょっと黙って聞いててください!!」




 〜十数分後〜




  「フゥー....やっと説明が終わりました…ここまでの話は理解出来ましたね?」

  「センセー、全く分かりませーん!最初っからもう一度説明してくださーい!」


  と、冗談で言って見た所、あの自称女神様はまたギャーギャーと騒ぎ出した。 全くもって、騒がしい事この上ない。


  こんなとびきりの美女と2人きりだというのに、俺が全く緊張しないのは、始めて見た時怒り狂っていたからだろう。もし、あの時俺が平静な状態でいたら、俺は間違いなく骨抜きにされていた。だって、もう美し過ぎるんだもん!だって、あんな事されたのに既にちょっと許しかけてるんだもん!

 

  ああ。神よ。どうして『男』をこういう動物に作りたもうたのですか?


  (あ、こいつが神か)


  それと、どうやら彼女が女神だというのは本当らしい。羽の付け根を見せてもらったのだ。最初は何のコスプレ道具だと思ったそれは、恐ろしいほど見事にくっついていた。顔を真っ赤にしながら服をはだけさせる彼女の様子は……ゲフンゲフン(チラッとピンク色の何かが……)


  少なくとも、彼女が『ただの人間』という事はあり得ない。その確信は、得られた。


  彼女の名前はラファエールというらしく、 俺が1万人目の異界人とかいうスキルの獲得者だったため、もれなくチートをプレゼントし、顔も頭も特別製で超人的な肉体を持つ身体をプレゼントする。


  とか言っている。


  ハッキリ言おう、メチャクチャ胡散臭い。 (信じる人いる?) 明らかに裏がありそうだ。何処が怪しいかと言うと、『1万人目』と言うところだ。

  いや、1万人もの死体が無くなったら流石に気付くよ?絶対ニュースになってるよ?


  (俺の≪異界人≫の発動状況から見て、『死』がキーワードなのだろうと予想した。ラファエールに聞いたところ、正解だった)


  とはいえ、今そんな事を考えていても仕方が無い。 もっと、大事な事を考えよう!! 俺は、彼女を困らせる方法(大事なこと)を考えた後、 彼女に話しかけた。


「おい、ラファエール。お前、俺にスキルだの何だのをくれるって言ってたな?他にも武器とかはくれねぇのか?」


  取り敢えず彼女がどれほどの物を俺に用意出来るのかを確かめておこう。


  情報というものは実に大切なのだ。

  情報さえあれば…クックック


  「はい。ユニークスキルを2つ、神器を2つ用意する予定です」


  成る程、2つずつか…よし、

  どうにか、4つずつにしてやろう!!


  「おい!ちょっと頼みがあるんだがーー」



 〜さらに数十分後〜



  予想より時間がかかってしまった。彼女が思っていた以上に頑固だったのだ。途中から真っ白な床に座って喋っていた為、そんなに疲れてはいないが。


  何でも、世界のパワーバランスがどうだとか何だとか。クソッ!割と簡単に増やせると思ってたのに……まあ、最終的には手に入ったし、別に何の問題もないのだが。


  「…では…スキルとアイテムを……決めて……行きましょうか……」


  彼女は正に息も絶え絶えという様子だ。どうやら彼女は疲れてしまったらしい、これはチャンス!!今なら襲え…………ないね。うん。僕は紳士だからね。ちょっと彼女の吐息がエロくても気にしないよ。だからさ、僕の息子をどうにかしてくれ。ヤバイんだ。


(時間が解決してくれました。やましい事はしてません)


  さて、話を戻そう。正直、罪悪感とかメチャクチャあるが、俺は、俺の死を侮辱されたようなものなのだ。 無理難題を押し付けよう!!!


  「そうだね!僕としてはさぁー!

  例えば不死身になるスキルとかーー」




 ▲▽▲




  やっとの事でスキルとアイテムが決まった。一つ決める度に彼女の表情はどんどん暗くなって行ったが、気にしな〜い、気にしない!!


  (僕の息子も反応しな〜い!反応しない!!冗談です。現役です)


  一応、ここでとても大切な事を伝えておこう。俺が、ただの腐れ外道だと思われるかどうかの分水嶺だ。ちょっとだけ真面目な話になるが、いくら怒っていたとはいえ、流石にドンドン暗くなっていく彼女の表情を見れば、普段の俺ならある程度の所でやめていただろう。(いや、俺はドSだから明言は出来ないけど)


  では、なぜ今回は途中でやめなかったのか?理由は、この話が余りにも胡散臭かったためである。


  自分で言ってて正直、それはねーだろ……

  というスキルですら、彼女は渋々とはいえ許可してくれた。


  (いや、本当にシャレにならないスキルだったのだ。世界への命令権だとか何だとか。勿論、制限はつくらしいのだが)


  ……と言うことは、だ、


  諸君、これから俺がさせられるであろう事…メチャクチャヤバイんじゃ…いや、そんな事ないよね?考え過ぎだよね?まあ、ラファエールの為ならなんでも出来そうだが。


……あれ?もう毒されてる……?


  とは頭の中で考えながらも、強力で実用的なスキルを手に入れる事を妥協することは出来なかったのだ。


  さて、準備は整った。


 最後に、俺の短所を一つだけ聞いてくれ。

  俺はある程度仲良くなったと思った奴に対しては暴言を言ってしまう事がある。これは俺なりの友愛表現で、 これを言うって事は貴方に心を開きましたよ〜!と言う意味だ。


  (ここ大事です。テストに出ます)


  だがしかし、相手がそういう風に受け取ってくれるとは限らない。というかほぼ100%の確率で真逆な捉え方をする。


  これがきっかけで何度喧嘩したことか…

  いや、完全に俺が悪いんだけどね。

  やめようとは思っているのだが、ついつい口をついてしまうのだ。


  「じゃあな、ラファエール! お前は今まで出会った女の中で1番ブサイクだったぜ!!」

  「ハハハ……シネ」








  こうして、物語は冒頭に戻る。




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