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女神より奪いし者 〜最強チートの異世界ライフ〜  作者: シンクレール
第2章 王都への旅路
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間話2 領主の悪意

今回は始めて挑戦する

別sideです。

 〜プタ・テプールside〜


 ここは、領主の屋敷。


 この屋敷は、他と隔絶する程の大きさと、歴史を兼ね揃えている。そもそも、テプール家の始まりは、500年ほど前に遡る。


 テプール家の初代当主、ラデ・テプールは、魔界との戦争で、敵将の首をとった。

 その恩賞として、この領地を王様から授かったのだ。


 ラデ・テプールは実に人好きのする性格をしており、彼が持っていたツテを総動員して作られたのが、この町、アルトだ。




 ▲▽▲




 そして、今現在、この町を統治しているのはプタ・テプールだ。


 今年、43になる彼は、

 子供の頃からずっとクズだった訳ではない。魔法学園で成績が最下位になった際、親にボコボコにされ、グレたのだ。


 別に、プタ・テプールが勉強が出来なかった訳では無い。寧ろ、ペーパーテストの順位は学年トップレベルだった。彼は努力家だったのだ。だが、それが報われる事は無かった。


 魔法学園では実技が何よりも優先される。当然だ。そこは魔法学園なのだから。それは、彼が卒業してから30年経った今でも変わらない。


 そんな彼は、最近、他の貴族たちと自分の奴隷の美しさを競う事にハマっていた。


 しかし、彼が用意する奴隷は、いつも1番になることは出来なかった。

 他の貴族たちの方が彼よりお金を持っていたのだ。

集まりを終えた後、彼はいつも奴隷にあたっていた。


 辺境貴族である彼には、たいして自分で使える金が無かった。


 どうしても領地運営に必要なのだ。


 とは言っても、彼自身が領地を実際に運営している訳では無い。


 帝国との取り引きにより、監視役として送られて来た執事、ケリーが殆どの事をやっていた。


 そう、彼はナベリウス帝国と手を結んでいる。


 ナベリウス帝国とは反魔族を掲げる国で、

 魔界と人界が手を取り合う。という今の状況を打破しようとしていた。


 人界は農業関係に適した土地を持ち、魔界は鉱山が多いため、資源が豊富だ。5000年も昔から続く戦争は、お互いがお互いの資源を奪おうとした為に起きたものであり。現在では、人界と魔界のほとんどの者がお互いに手を取り合う事で共存して行けるという共通認識を持っている。


 ナベリウス帝国の要求はただ一つ、捕えた魔貴族の拘束、監視だ。


 彼等がその報酬として提供して来たのは2億エルだった。


 流石に最初は迷った。魔貴族を捕らえていることがバレれば、とんでもない事になる。

国家反逆罪なんてものではない。人界と魔界の間での大問題になりかけない。

 だいたい、彼らを捕えておくなんていう事が本当に出来るのか?と、疑問に思った。


 だが、ナベリウス帝国は、家族も一緒に捕えた為、それを利用すればいい。といった。


 常人なら、ここで非人道的なことをすることに躊躇っただろう。だが、この時のプタは既にクズだった。2億エルという大金に目が眩んだプタは、直ぐに契約書にサインした。


 帝国に言われた通り、魔貴族の一家は簡単に従った。当然だ。子供の命がかかっているのだから。


 女は、美しかった。一児の母と言うことが信じられない程に。


 男は、逞しかった。一瞬で自分の命を刈り取れる程に。


 だからこそ興奮した。2億エルなんてお金はいらない。ただ、現状が続けばいいと思った。


 前に領地経営をさせていた執事は直ぐに殺された。気付いてしまったのだ。帝国と手を結んでいることを。


 暇になったテプは、奴隷売場に来ていた。ここに来るのは久しぶりだ。


 ふと、目を横に向けると、遠くに見たことがない程美しい少年がいた。

 異常だ。あれ程の美しさを持つ男は始めて見た。

 あの、妖しげなオッドアイ。精緻な片眼鏡。異様に高そうな黒く、美しいローブ。腰につけている、見たことの無い2本の剣。


 まるで、この世のものでは無いように感じた。そう感じたのは自分だけでは無いようだ。誰もがあの少年を見ている。


 醜い自分が、訳も無く馬鹿にされた気分だった。



▲▽▲



 今の所、今回のオークションは余り質のいい奴隷が出ていなかった。

 帝国に貰った2億エルは今日、使わないかもしれない。


 だが、最後の最後にエルフ族の奴隷が出て来た。あの女と大差ない美しさだ。

 アレを買おう。すぐにそう決めた。

 アレならどの貴族にも絶対競い負けない。

 少し、胸が足りないだけだ。

 2億エルを全てつぎ込んだ。

 いくらエルフ族とは言え、破格の金額だ。

 誰もが驚いた。


 たが、先程の少年が事もなさげに2億5千万エルを出すと言った。

 恐らく、まだ余裕があるのだろう。


 許せなかった。容姿でも負け。未来があり。汚いことをしてまでも手に入れた財力ですら負けた。気付いた時には既に、少年の前にいた。


 その後、彼に散々馬鹿にされ、限界が近付いてきていた。


 近づいて気付いたが、彼が身につけていたものはどれも高級な物ばかりだった。


 自分より立場が上なのかもしれない。

 少年は、王族だと言われても信じられる程の威圧感を放っていた。


 しかも、少年の後ろにはとても美しい少女達が隠れていたのだ。

 1人はあの女と同じくらい美しく、

 もう1人はあの女よりずっと美しかった。

 神々しいと言ってもいい。

 ここまで美しい女性を見るのは、初めてだった。いや……あの、アリス・フランチューレが彼女と同じ程の美しさを誇っていたか。

もう、4年も見ていないが。


 すると、少年に対する認識が突然すり替わった。そう表現するしかない、不思議な感覚だった。


 少年は、巷で有名になってきた、アラス・アザトースという冒険者だった。


 家名がある、貴族なのだろう。自分より下の立場だとは思えない。


 自分の全てを否定された気分だった。


 思わず、殺してやる。と言ってしまった。

 あの少年の存在だけは許せなかった。


 しかし、自分が言った言葉に対して、少年は小馬鹿にしたような笑みを見せるだけだった。


 もう、絶っ対に許さない。そう思った。




 ▲▽▲




 屋敷に帰った後、魔貴族の男を呼び出した。

 魔貴族と言えば、その戦闘力は凄まじいものであることが知られている。


唯の魔族とは格が違う。頭の角が捻れているのが特徴的だ。


 一説ではSランクモンスター3体分以上の戦闘力を持つとか。


 こいつを使えばあの少年を殺す事が出来るかもしれない。


「おい、アラス・アザトースという少年の首を儂の前に持ってこい。

 失敗すれば、お前の家族を殺す。

 いいな?他にもいるであろうアイツの連れは生け捕りにして儂の前に連れて来るのだ。

 奴の生首の前で犯してやる。

 楽しみじゃなぁ。おい、早く行って来い」








 こうして、アラスは命を狙われる。




GW課題が多過ぎます......

少し、更新が遅れるかもしれません......

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