イヴの奇跡/山野綾子さんへのクリスマスプレゼント
イヴの夜に彼が帰国した。
彼が旅立つ前、私は言えなかった。
帰ってきた彼の横には見知らぬ女性が居た。
私はまた声を掛けられずに去ろうとした。
「絢子さんじゃない?」
私の姿に気付いた彼が手を振っている。
「元気だった?向こうに居る間、ずっと君のことを思っていたんだ」
「まさか?だって…」
私は隣の彼女に目を向けた。
「ああ、彼女ね!妹だよ」
私の中で何かが弾けた。
「もし、よかったら僕と付き合って欲しい」
「は、はい!」