お家
白蓮の家にお邪魔することになった私は、まだ続いていた洞窟の奥に歩いて行った。
少し右にカーブしている緩めの下り坂を降りると、そこには湧水が湧いていました。
湧いているところは小さめで、その先は小さな流れを作って続き、大きな空間に水が流れていく。
そして、また緩やかなカーブで細い流れを作って奥の方に流れて消えて行ってる。
奥にはこれ以上私は入れなく、水だけの通り道として細い空間が続いていた。
「凄いね白蓮。水が湧いているところは飲み水として利用でき、水が流れて溜まった場所は手を洗ったり水浴びができそうだよね。」
そうだよ、その通りとばかりに頷く白蓮。
「私も手を洗って良い?」
そう言いながら大きめな場所に手を入れる。
「だいぶ冷たいね。・・・私には水浴は冷たすぎて無理かな?」
そう白蓮に言うと、少し考えるしぐさをして、ここで待ってろと目線で言いおいて、来た道を引き返していった。
「どうしたんだろう?ってか、私いつの間にか白蓮の言いたいこと理解している?・・・阿吽の呼吸?」
少し待つと何かを銜えながら白蓮が戻って来た。
それを私の前に置き目線で指示を出す。
持ってきた木の板2枚を大きな水の溜まり場、出入り口に差し込み水を止めるらしい。
一枚ずつ差し込み白蓮を振り返ると、離れていろと指示がでる。
離れて白蓮のすることを見守っていると、水が湧いて流れる通り道から奥に消えていく細い水の流れを何回か確認し、おもむろに口をパカリとひらく。
口の中があいたと思ったら、何やら光り輝いて真直ぐに光が口から発射した。
光は地面を削りながら、目線で確認していた奥の消えていく細い水の流れに消えて行った。
後に残るは、地面が抉れてできた一本の水の流れ道。
そして次に、木の板で水をせき止めた大きな水の溜まり場に来ておもむろに口をパカリ。
今度の口の中には炎の丸い塊が現れ、水の中に発射された。
瞬間、もうもうと周りが白くなったと思ったら、水は湯けむりをたてお湯にかわっていた。
「・・・ファイヤーボールってのかな?白蓮は魔法を使えるんだ。」
呆然と無意識に言葉が出た。
「もしかして・・・私のお風呂?」