表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ほんとうは  作者: しづ
4/22

義姉と私

義姉は昔から私を嫌っている。

もともと義姉と私は10日しか誕生日が違わない。

本妻の娘の義姉。

栗色のふわっふわの髪と普通よりはかわいらしい顔でよくキャンキャン吠えてる。

親の力が自分の力と勘違いしている、自分中心の娘だ。

対して、私は真直ぐな黒く伸ばした髪も愛人の子供だ。

認知もしてもらっていた。

でも義姉はそんなこと知らず、私のことは後妻の連れ子だと思っている。

父は会社の社長さんで、父が家を空けがちになっていても義姉の母は会社が忙しいと疑いもしなかったらしい。

それよりもお金もあるし、自分磨きに忙しかったみたいだ。

私も父に他の家があるとは思わなかった。

何日か長いこと留守にすることもあったが、ちゃんと家に父がいて母がいる。近所の人達も私たちが親子で住んでいると思っていた。

だって、出れる限り父親参観や運動会、地域の行事には参加してたよ父。

まあ、家の近くに大手企業の社宅があって、そこの子供達の話聞くと2週間家にいたら1~2ヶ月海外出張の親の話聞いてたしね。

母もモデルの仕事してたし、私自身もちょっとしたモデルの仕事をしていたから、子供の仕事でも働くって大変だって感じてた、大人はこれよりも、もっと大変なんだなって思ってた。

だから、父がちょっと長い出張で家を空けることが多かったのは『他の人も父も仕事が大変で当たりまえ』って思ってたよ。

家にいるときは家族サービスもしてたし、普通の家族していたと思う。

なのに父よ、私が愛人の子だとは思わなかったよ。よく2つの家庭のかけもちなんてバレずにいたな。

ひょんなことで本妻さんが死んでしまってね。亡くなって1年たって愛人の母と結婚。

世間から見たら私は母の連れ子ってことで収まっている。

どれだけ上手に隠していたさ、父よ。

私と義姉が小学校2年のときだ。

顔合わせがあるって日、ふつうはオシャレしていくでしょ。

私は違ったよ。

義姉はわがままで、自分が一番でなくっちゃ気がすまない子だから、周りにいる子が『かわいい』とか他の人に褒められると許せなく、色々な『かわいらしいとは言えない』嫌がらせをしているようだ。

で、義姉の周りには友達がおらず取り巻きさん達がいるらしい。

会社社長の一人娘ってことで、義姉母がお金の力で解決していたからね。義姉ダメダメのわがまま娘に育ったらしいよ。

とりあえず私を地味に仕上げて義姉から守ろうと思ったらしい。

徐々に母が義姉を再教育すると宣言。

『再教育期間の間少し辛抱してね』と謝っていたが、母も1ヶ月後に事故で亡くなってしまった。

もちろん義姉の再教育ならずです。

おかげで私は年々、地味度をアップさせる技術を身につけたよ。

メガネかけて、化粧して・・・。

あれ?化粧って美しく見せるためだよね。

なぜにナチュラル地味メイクの技術が向上するんだろう。

くそぉー、義姉め!

おかげで周りにも私がモデルしてるってわからないらしい。

ポスター貼ってある場所の隣に立っていても、気付いてもらえない。

フッ!私の地味度アップ技術が憎いぜ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ