はじまり
目の前にコスプレヤロー共がいる。
金髪碧眼の美貌の持ち主。
キラキラ眩し過ぎの滅多にお目にかかれないイケメン王子。
イケメン王子の周りは剣なんて持っちゃってる騎士風な方々。
そろいの赤い服です。
あと、黒いローブでおおわれている魔法使いっぽ人が何人かいる。
みんな中世ヨーロッパ風って言うより、ゲームや本で出てきそうな『これぞ異世界』の服装です。
今いる部屋も異世界風の石造りの部屋です。
ちょっと驚きです。
家の居間にいたんですがね、一瞬で今いる場所がチェンジして驚かない方がいたら見てみたいです。
「ようこそおいでくださいました。麗しの乙女達よ。」
イケメン王子達が一瞬驚いた顔したが、にこやかな笑みを浮かべてイケメン王子が話しかけてきました。
「何語を話しているの?ここ何処なの?日本語で話せないなら英語でしゃべってよ。」
義姉よ、あなたもなぜにここにいるの?
「言葉がわからない。オイ!どうなっている。言葉が通じないぞ!・・・まあ良い、例の物を持て。」
王子、近くの者に怒鳴ってます。
あれ?義姉、言葉がわかんない?私はわかるよ。ってか、日本語に聞こえるけど・・・まあ、様子見ますか。私も首をかしげて不思議そうにして、喋らないことにするよ。
「王太子様、これを」
そう言って、魔法使い風の人がイケメン王子に指輪を1つ手渡す。
イケメン王子って、王太子だったのか。
「一つではないか!二人いるんだぞ!」
王太子が怒鳴る。
「申し訳ありません。言葉がわからなかった時のために用意できた翻訳の指輪は、あいにくと1つでして。これも『失われた遺産』で世界に1つしか確認されていない貴重な品で、もちろん、指輪をはめキーワードを言った人物には逆らえなくなります。・・・ですから、王太子のお好みの方を選んでみてはいかがでしょうか?」
魔術師風の人が王太子に慌てながら言っているが、なにそれの世界である。
その指輪って翻訳機能付きだけど、服従機能も付いてるの?
いらないわぁー。
「ちょっと!なにわからない言葉で話してるのよ!ここどこよ!」
あー義姉、不安はわかるが騒ぐと・・・ねぇ。
「さっきからよく吠えている。こちらにするか、見目もよい。本来召喚したかったのはこちらであろう。もう一人は・・・こちらも言葉もわからぬのであろう?国王に知られたら飼わなければならぬからな。見目もよくないし、飼うなんてごめんだ。殺して後始末するも面倒だし、外に放り出せ。異なる世界、わからぬ言葉。すぐに死ぬ。手間が省ける。」
ブスで悪かったな、王太子よ。