第30話 頼む。どうか違うと言ってくれ!
森の中
足音が立たないようにそろりと後ずさりバルドに黙って離れてきてしまったけど、多分探してくれてるよな!
ありがとうバルド、そして申し訳ございません。
この地についてから色々あったが異世界転生してから魔王討伐が目標でもなんでも無くなったので、俺は自分のスキルを上げたい!
魔力といいレベルといいMAXだということは何か理由があるはず!
でも作れるものが増えればスキルは増えるということがわかったので、どうしても増やしたい。
魔王国は良いところだけどヴァイスも言ってた通り、乾燥地帯だ。
それで何も育てられないわけではないが、俺のスキルならいける!ハズ!
転生前は全てコンビニと外食。
転生後は自分で育てた食材で自給自足!
素晴らしいスローライフぢゃないかと気づいてしまったんだ!
しかもまだ6歳!伸び代しかない!
…正直、実際魔物見たら勝てる気しなかったしな。
空飛ぶ羊の群れとか怖すぎだろ。
無理無理!
まあ勇者一行は気になる。
この国が何かに脅かされている話も聞いたから手を貸したい。が、非戦闘員なのでそっちは無理だ。
でもこのスキルなら内側から復興できるし
何より作るの楽しい!
そしてこの土地!
枯れてない!潤ってる!さすが母上!
「さてと。」
稲モドキを取り出して、2粒くらいを手にこめて念じる。
「…ちょっと待て。」
どんな木がいいんだ??
杵と臼…の材料が正直わからん。
適用の素材があるはずなんだがさっぱり分からない。木からできるのは知ってるんだけど…
さすがに米に対しては全て機械でやっていたから、ここまでアナログでいくとは考えてなかったから勉強不足だ。
せっかく木を作れるのに!!
…いや、別に杵と臼だけの為に植えなくてもいいか?
とりあえず思いあたる木をひたすら植えてしまえば良いのでは?
この地は魔王国の用材林だか経済林だかなら、俺が勝手に増やしても問題ないでしょ。
王子だし!一回も王子っぽいことしてないけど!
「よーし!では改めて…」
まずはヒノキ!1番最初にお風呂のことしか頭に出てこなかったのは否めない。
一度は憧れたひのき風呂!米 関係、無し!
ピカッと光って赤い色の種になった
どれだけ大きくなるのか分からないしな
1つ植えたら 間隔はあけた方がよさそうだ
まずは植えてみる
いくつか作るし、名前でも書いておこうかな
バルドの教育のおかげで文字も書けるし、でも日本語で書いた方が自分としてはわかりやすいから大きくヒノキって書いておこう。
枝もないから足で書けばいいか
「ヒーノーキっ」
これは32歳としてどうなんだ。イタイ光景かもしれないから気をつけよう
うん。そして安定の下手くそ
部下にも読めないって言われたことあるしな
次は何にするかな。
杉は花粉症酷くなりそうだから最後にしよう
思いつかなくなってからでいいよな
次はケヤキかな
丈夫な木だったっけ?
ピカッとさせてヒノキとの間に線をひいて植える
とりあえず2本ずつ
次はカヤ。
これはさ将棋盤とか碁盤なのよ。誰もこっちぢゃやらないだろうけど。
漫画に影響受けてハマったことあった
ピカッとさせてケヤキとの間に線をひいてこれも2本ずつ
あとなんだっけなー
材料に使えそうなのって思い当たらない
割と出てこない。ずっと杉が頭の片隅にいる。
これはもう杉を植えろということなのか?
「少年、ここに1人でいては危ないぞ?」
「そうよぉ?ここは魔物は少ないけれど、安全とは言えないわねぇ」
うんうん唸って悩んでいたら声を掛けられたので後ろを振り向くと空いた口が塞がらない。
金髪サラサラのイケメンと、何とも妖艶で胸の大きないかにもな女性の2人組がいた。
俺が夢にまでみた勇者パーティその1。
・金髪サラサラストレートイケメン、職業 剣士
・胸の大きな女性、職業 魔道士かヒーラー!
どうしよう。
もしこれがパーティだったら立ち直れないかもしれない……
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