第26話 《禁忌の工房(パンデモニアム)》
ギィィ……と重たく扉が開いた瞬間、
熱気が一行の顔を撫でる。まるで生きた炎が息を吹きかけてくるようだった。
中は奥行きの見えないほど広い。
天井は高く、巨大な梁がいくつも走り、そこに無数の滑車と鎖が取り付けられている。
壁には大小さまざまな金槌・ノミ・彫刻刀・鉋が整然と並び、
炉は巨大な三基が唸りを上げていた。
「すごい……!魔王国の工房もすごかったけど……ここは規模が違う……!」
バルドが冷静に分析する。
「魔王国は“技術の深さ”に特化していますが、
こちらは“技術の幅の広さ”に重点を置いているようですね」
後ろで腕を組んでバルドは何度かここに来たことがあるらしいが毎回この大きさに関心していた。
ロークも珍しく目を細めて見渡す。
「……道具、多い。使う場所、多い」
その時、工房中央の足場の上で片腕を掲げ腰に手をあてて主張している男がいた。
もちろんエルネストだ。
豪炎に照らされた背中を見せながら叫ぶ。
「こここそが!!鋼が吠え、木が叫び、魂が形を得る《禁忌の工房》!!
創造の炎は眠らない……ッ!!俺の中の《漆黒の翼》が羽ばたく限り。美は燃え続ける!!」
「技術への情熱が尽きない、という意味です」
「《漆黒の翼》って結局何!?ツッコミたくないのに口が勝手にツッコんでしまう!!」
こういうのを厨二病というんぢゃないか?年齢は知らないがだいぶ極まってる
ロークはノーリアクションでそこらにある武具を手にとって見ていた。
興味がつきないのだろう、こっちには目もくれずどんどん工房の奥へ進んでいった
エルネストはさらに痛々しいポーズを取り、工房全体を指し示した。
「見渡せ、少年!!《三百八階層の造形領域》!
鍛冶・木工・彫刻・鋳造・象嵌・研磨・塗装……
すべての《創造》がこの地に集い、交差し、暴れ回る!!」
「さ、三百八階層?!暴れ回るって何!?」
「この工房では多種多様な技術が組み合わせられている、という意味です」
「…いい加減、普通に喋ってくれないかな」
ロークは静かに頷いた。
「……良い場所」
エルネストは両手を広げて吠える。
「そうだろう!?ここは《創造者》の《戦場》!!臼も!杵も!芸術も!革命も!全てはここから時を刻むのだ!!」
「臼と杵の制作に絶対の自信がある、という意味です」
エルネストは床を蹴り、ルシアンの目前へ着地した。
顔が近い。めちゃくちゃ近い。
「少年……この閉ざされし扉を開けて燃え盛る炎とすべての創造を手に入れた俺と……
《木の覇者》の武人。
そして貴様が求める“願い”が合わさる時!!
この世界に《食卓の新時代》が来る!!」
「この工房と自分とロークで坊ちゃんの願いを叶える。という意味です」
通訳って便利すぎる
だがしかし米が食べたいだけなのにまだ作れる気がしてこないな
ロークは無言で工具を手にし、淡々と言った。
「……始める。木、取る」
エルネストは即座にロークの横に移動した
「来たか……!!《精霊樹》採取の刻……!!外界の《原初の森》へ向かわねば。。《漆黒の翼》が疼いて仕方がない」
右手は??
右手の疼きはどうした?
「木材集めに出発しますと言ってますね」
一行は工房を後にし、
次なる目的地・精霊の森へ向かう
臼と杵の未来を握る木材を求めて。
炎が揺らぎ金属の響きがする中、俺達の次の目的地はどうやら材料集めらしい。
勝手にここに来たらすぐ作ってもらえると思っていたがここに来る前に取りに行けば良かったのでは?と冷静になってきたら色々思うことが出てきた。
そういえば。エルネストが強すぎてもう1人キャラ濃い方の姿が見えない。
エルネストが強烈すぎて登場で変人ランキングが変わってきたが上位であるあの人。
エルネストが登場するまでは居たはずの研究室室長。
ヴァイスは何処へ?
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第26話、読んでくださりありがとうございます!
キャラが濃い方しか居ない世界になりつつありますね!
次回もよろしくお願いします!
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