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報告書3ページ「この星の人間と接触会話」




 エラー。不安定な電圧と周波数による負担の為停止。


 再起動。異常なし。


 …………私は瞼を開ける。周囲は暗く様子を伺えない。倒れるまで暗視モードで行動していたのを思い出し切り替える。


 私を襲った魔法陣は石床に描かれていたがなくなっていた。


 電気系の魔法陣と襲われた時に把握。その瞬時に吸収をしたが負荷が大きく、改善しなければしっかりとした充電ができず、また私の体が壊れてしまう。


 ……警告。活動限界まで56分21秒。


 それでも動ける時間は増えた。


「!? だ、誰かいるの!?」


 起き上がると、その音に反応したのか近くにいた人間が叫ぶ。


 小汚い布1枚だけで身体を包んでいる状態の人間。その人間は右腕が肩から欠損し、両目を包帯かそれに近い汚い布で隠しているように巻いている。声からして女性。年齢的には9才から10代前半くらいと判断する。


「この部屋にいるのは私とあなただけです。」


 私は応える。


「!??  ……生きてたの!? 嘘!? 噓でしょ!??」


 恐怖の感情を感知。どのような行動をすれば良いのか分からず左右何度も首を振り、左腕と両足で背はもう壁が付いているのにそれでも壁を押すように座ったまま後ずさりをする。


「落ち着いてください。」


 一言。近づくと、彼女は股下に隠していた木の棒を握って私に向かって差す。


「何よ!! もう嫌だよ!! 痛いの嫌っ!! なんで酷い事するの!? ……くるなあぁぁぁ!」


 彼女の拒絶がでたらめな方向へブンブンと木の棒を振り回す態度で理解できる。


 しかしその行動もずっと続かず疲れてしまったのか、ぐったりとした姿へ。


「誰か…助けて……。」


 …………私は彼女を安心させようと、ゆっくりと静かに彼女を抱こうという行動にでた。


 彼女の肌に少しでも触れると嫌がり、左手で突き放す行動を何度もされる。『めろっ!』と『めて!!』も交えて。


 不定的な彼女の行動はやがて身を任せるように動かなくなり、私は抱きつく事に成功。


「もう、ヤダ…。ヤダァァァァ…。」


 彼女は泣く。私の耳元で止むことない泣き声。


「落ち着いてください。私はあなたに危害を加える事はしません。」


 聞いているのか聞いていないのかは分からないが私は続けて発言する。


「あなたが助けを求めているのであれば、私はそれに応えます。」


「……助けてくれるの?」


 彼女は反応する。


「はい。それに、ここはもうじき火事によって崩壊します。あなたは死にますよ。」


 私には分かっていた。人工衛星からの情報で4分前この建物に火を着けられた。酸素濃度も徐々に薄くなってゆくのも。


 ……警告。活動限界まで42分11秒。


 そうだ。


「1つ質問があります。さっきの魔法陣はあなたの魔法ですか?」


 顔を合わせる。両目が隠されているが、少々困ったような仕草で肯定してくれた。


「後でで良いので、さっきの魔法は私に必要です。お願いできますか?」


 少し不思議そうな声が漏れたが、その後すぐ快く頷いた。




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