報告書2ページ「生体反応有り」
はじめましての方ははじめまして。 この物語の二話となります。 語彙力足りませんのは承知です。ごめんなさい。
今はいない商人達が構える市場の通りに四方八方から私を狙う男達。村の建屋家屋には火を、男性村人達には刃物を向けて無差別に殺している。彼等はどうやら賊の類。私を脅す為か怖がらせる為か賊達が握っている剣や槍の刃にうっすらと乾き始めている血を私に見せてくる。
「さあ、おとなしくしな。」
私は自分と同じ大きさと子供が入れる奥行き厚さある十字架型の金属製物を握り担いで彼等に反抗表示。
「お姉さん。チカラあるのは分かったから、もう止めな。直ぐにその十字架を地面に落として俺等に押し倒されるだけだぜ。」
どうすればいい? 私に判断が迫られる。
……警告。活動限界まで25分32秒。
……注意。対象を自らの手で殺めてはならない。
「うおぉっ!」
真正面にいる一人が仕掛けた。
時間がない。殺してはならない。…………できるかぎり目立つ行動はしたくなかったが。
間合いに入った一人を私は十字架で振り払う。ドンッ! と衝突音と共に大の男が吹き飛び、角度が小さい斜面方向ですぐさま地面に当たって転がる。
吹き飛んだ仲間に視線がゆく賊男達に、私は容赦なく近い相手から突撃。
バンッ! ドカッ! っと十字架物を使って男達に当てる。腕で行っても良いが当たり所が悪ければ死んでしまう可能性を考慮し、面積の大きい十字架物で当てたほうが良いと判断した。
「この女ぁ!」
四人五人吹き飛ばしている時には金縛りが解けたように、二人掛かりで刃物を向けて来た。
回避行動……はせずそのまま十字架物を盾変わりに二人を受け止める。そして反発するように彼等を押返した。
「ガッ!?」
二人共、吹き飛ばされた先は小売り店の道具棚や箱へ。衝突すると棚や箱からは果実や野菜がバラバラとあちこちへ飛び散る。叫んだような声があったが身体と声が食べ物によって一緒に埋もれた。
意識が飛んでいる者、どこか骨を折ってしまい苦しんでいる者、打ち身が酷く苦しむ者。……大丈夫、殺してはいない。
……警告。活動限界まで20分00秒。
戦闘もできるだけエネルギーを抑えたが、充電器物が見つけられる確率が悪低になった。
私はすぐにその場から離れる。
まだ彼等の仲間が十数人、人工衛星から確認できる。もう関わる余地はない。
燃やされている建物も人工衛星から確認できるが、どうしても現在時刻ではなく誤差が生じる。なので感知機能も使用する。
機械または電力がある燃えていない建物を探知中……。
……動き回る十数の生体反応と一つの動かない生体反応。……一つの動かない生体反応はどうやら地中だ。人工衛星で確認すればその場所はまだ燃やされてはいない。
……警告。活動限界まで15分44秒。
…………私はその場所へ目指す。確定判断は動かない生体反応ではない。その生体反応側に微力な電気反応があったからだ。
隠密行動で遠回りになりながらでも目的地へ疾走した。走るという行動でジリジリと活動限界の減りが早くなる。
……警告。活動限界まで12分13秒……。
――たどり着くと、その建物はあまり手入れがされていない、だがかつては貴族が利用していたような立派な木造建築物が目に写る。すぐさま扉を開き中へ。
薄暗い建物内。日の光を拒否するように窓には板や布で塞いでいた。臭いは血の成分が一番多く人間ならむせ返すと思われる。
掃除をしている様子がなく、廊下にある家財道具や花瓶のいくつかが破損しそのままの状態。
暗視眼と赤外線眼を使用していると本が入っていない本棚の違和感に気づく。最近誰かが歩いた何人かの足跡がこの本棚周辺で不定的になっている事、本棚が動かされた跡。そして本棚の先下で生体反応がある。
本棚を動かすと下へ続く階段があった。まるで闇を飲み込み続けているような先の見えない階段。……と言っても私には先がはっきり見えて、奥に木扉がある。
……警告。活動限界まで6分13秒。
本棚を動かした時、動いていなかった生体反応が動き始めたのを把握していた。階段を下りる音が聞こえているようで生体反応は奥へ奥へ私から離れるように動いていた。
木の扉前。扉を開ければ奥には一つの生体反応。
扉を開ければそこに電気反応があるが機械的反応はない。
……警告。活動限界まで5分39秒。
思考している時間はない。私は扉を開けた。
「!? く、くるな!!」
奥には生体反応の一つ。その正体は小汚い布1枚だけで身を纏っている女の子だった。……よく観察すると女の子は両目部分をぐるぐると白い布で巻か覆れ、右腕が肩から欠損してる子であった。
……危険予測はない。私は部屋に入った。
バチバチバチバチッ!!
突然、体中に電気が走る。正常な電気の流れではないのと、吸収しきれない程の電気の量で私は麻痺する。
扉の前の電気反応の正体。それは機械ではなく、地面に描かれた魔法陣だった。
この星はある機械によって魔法が存在する星。アンドロイドである私に魔法はできないが知能の高い生物なら扱える代物。
「もしかして当たってる!? …………ははは、あたしの苦しみ! それよりも痛いんだよ!! そのまま死んじゃえ!!!」
バチチチチチチチッ!!!
彼女の最後の言葉で電気量が増え、殺意混じりの電気が私を襲う。
……警 =。%動 限 界ま で 4分& #び ……。
……警ほ う。&&$#?%&##!
……………………。
…………。
……。
……警告。活動限界まで57分55秒。
ありがとうございました。次話も頑張って書こうと思います。それでは。
ネタバレのようなないような、何故何? っという事の答えを記しておきます。嫌な方は読まずに。読む人は別に大したことは書いてないはずなのでガッカリすると思います。
書きます。
アンドロイドの動力源って何?
答え:アンドロイドは「 水 と 電気 」が動力です。何故か前話から活動限界が近いのですがちゃんと理由がありますがここでは書きません。ただし、この回でもし電気を見つけられなければこの物語は終わってました。
アンドロイドはこの星にどれくらい干渉できる?
答え:アンドロイドはまずこの星の調査が主なので、「人」は殺してはいけません。ただし支障が出る場合は生きている程度まで危害を加えて良いと設定されています。ロボット三原則とかなんだと言う人がおられますが、それが効くのはアンドロイドを製作した側の人種達だけ。また星の人間を麻痺させた、片腕にさせた、など今後その人の人生を変えるような事態に発展した場合は人工衛星に報告しなければならない。(危害を加える直前に報告。加えた後の対象人の身体の影響も報告している)
魔物や化物に手を出す場合や殺す場合は基本的に報告義務があるが、これらも最低限に留める。