第29話 さあ山田キミの出番だ
ヒュルリ、ポンッ
一通り光線を撃ちまくった敵のミラー・ボールの神?は降下すると地面にもぐってしまった。
ちょうどさきほどまで巨人がその体を横たえ、今は形だけ残した盛り土となっている場所へ。
「さあキミの出番だよFT-ヤマダ!キミの全ての力を開放して世界を救ってくれたまえ!!」
創造神の大仰で高らかな宣誓。
言霊となって味方の胸を熱く打つ。
偉大なる神様。その後にお腹をかかえてゲラゲラゲラと大爆笑しなければよかったのだけど。
おっさんの頭の中では腹を抱えて転げまわる紳士がひとり。
転生する際に会った時と同じく顔はわからない。
今となってはそんなもの関係ないのだろう。彼のボスだという事実があるのだから。
何をコイツはそんなに爆笑してるんだ?あんたからのミッションを必死でこなそうという部下を見て大笑い?ナニコレハラスメント的なヤツ?
おっさんカチン。
魂の奥では真っ赤になってムキーッとうなり声。バンバンと地団太を踏んでいる。
創造神は相手の思考を読むなんてお手の元だ。
おっさんが足を打ち鳴らしてる姿、真っ赤でおサルさんのような顔。
そんなの見えてしまったらもう。
腹筋をおさえたままさらに高速回転でゴロゴロ、酸欠の金魚のようにクチをパクパク。
ワタシの、ワタシのフッキンをホウカイさせるつもりカ!!
創造神のフッキンの筋肉繊維がすべてブチンと切れてしまいそうだった。
その間に。
ゴゴゴッと地鳴りが響き、随分と形ができあがり復活したゴーレムが腕を突いて立ち上がり始めている。
出番がきたのだ。
もう無責任な上司になんてかまっていられない。
「FTヤマダ!俺達もこうしちゃいられないぜっ!」
「そうよFTヤマダ!ワタシたちも準備するのよっ!」
「そうだウカウカしておられぬぞFTヤマダ!」
「なのだなのだFTヤマダなのだー!」
「さあワシに乗り込むのじゃFTヤマダ!!!」
戦神。魔法神。武闘神、守護神・・・神々の声が順々に響いたかと思うと、最後に機械神の指示が飛んだ。
やるしかない、やるしかない、俺がやらねば誰がやる!!
おっさんの前にホログラムのように現れた戦神。
ニカリと笑うと親指を立ててサムズアップ。
「おっさん-FT-ヤマダ?」
「はいっ!」
「これが終わったら天界の酒場で打ち上げだ。だから誰も欠けちまうわけにもいかないぞ!?祝勝会としゃれこもうぜ!!」
武神の眼は頼もしい。
俺達ならやれる。
どんな無理難題も乗り越えられる。
「ボンバイエッ!!!」
魂から炎が燃え上がり、何重にも鳴り響くトランペットの音色が闘う漢のテーマ曲を吹き上げる。
そんなの、そんなのってっ!
NA・KA・MAと一緒にミッションの山場を戦えるなんて!
ファイッ!
試合開始のゴングが鳴り響き。
おっさんの闘う魂に火がついた!
そこにいるのはまさに
背中にキャンプファイヤーのような紅蓮のオーラが噴き出した
炎のファイターがそこに現れたのだ!!
「行きましょうっ!」
「「「「「おうっ!」」」」」




