2回目の問診で、事件は起こる
2回目のワクチン接種に、行ってきました。おなじだろ?と思われる皆様、ネタの神が私に微笑んでくださいました。
問診コーナーで、お医者さんとのやり取りですよ。目の前のお医者さんが、何故かとっても苛ついてたので、お医者さん視線で、どーぞ(^O^)/
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受付に座り、次々やってくる問診票に目を通し、やり取りをしていたある日の事。ちょっとボーとして、頼り無さそうなヤツが、案内されて私の前の席についた。
名前を確認をして、都道府県のところに市町村書き間違えてるし、どんだけ、抜けてるんだか。こんなやつはさっさと終わらせ、次に取り掛からなければ。私はずり落ちる眼鏡を、くいっと上げると仕事を始めた。
「2回目ですね、前は接種後、異常無し」
はい、そう答えるはず。誰もがそうなのだ。ボーとしたコイツもそうだろうと、ペンを『可』に○をしようとしたとき。
「ええっと。脇の下が赤くなって、ちょっとだけ、ポチポチと、発疹でました。あと、最近まで、ボーとしてましたけど、問診票書き間違えちゃったのです」
「はあ?蕁麻疹と、リンパの腫れ?ここで?」
「家です。痒いのは直ぐに治りましたよ、赤くなったのは汗かぶれかなぁって」
ふぁぉ!初回でかよ?違う!違うだろう、頭をクワンと叩かれた気がした。ニコニコと平気な顔している目の前のヤツ、頭おかしいんじゃないか?そこは。
不安そうにとか、不安そうにとか、不安そうにとかだろ!私は気を取り直して、目の前のノーテンキに付き合うことにした。
「えっとですね。それは、副反応ですよ。病院に行かれました?」
「行ってませんよ、だって脇下の赤いのは、汗かぶれかな?って思ってんです。ポチポチは直ぐに消えましたし」
そこわぁ!副反応と!普通の人は思うんです!ツッコミたいのを押し殺し、仕事を進める。取り敢えず、ノーテンキに聞かねば。
「副反応ですよ、おかしな場合は病院にとパンフレットにも、書いてあるでしょう、お読みになられました?」
読んでない、読んでませんでしたと言ってくれ。と何故か念じてしまった私。
「まぁ、そうだったんですか、熱は36.5だったんですけどね、私は平熱低くて、ちょっとしんどかったです。パンフレットは、裏も表もしっかり、読みましたよ。でも異変に気がついたらって、書いてあったし、これぐらいの事ならよくある事だから、平気のうちです」
はあ?わけわからん!ノーテンキ!わけわからんぞ!私は、このノーテンキに、事細かに説明をせねばならぬのか!
「そこをちゃんと調べるのが、医者の仕事です。聞きますが今まで、アレルギー症状出たことありますか?」
「食べ物や薬はありませんね、問診票に書いてあるの、お薬と食べ物ですから」
はい?ナニやらあるらしい。国民病の花粉症なら良しとしよう、ノーテンキに私は聞く。他にはと。
「花粉症と、黄砂と、あと、数年前ですけどね、冬の夜にゴミ出しに行ったんですよ。ものすごく冷えて寒くて。戻ったら……」
ノーテンキがヤバそうな話をしてきた。どうなったのか!ノーテンキ!続きを辛抱強く聞いた。
「なんだか、顔やら唇やら腫れて、動悸もして、息苦しくなって死ぬかと思いましたよ、温めたら治ったんです」
「それは、寒暖差アレルギーのアナフィラキシーショックだったのでは?」
「あらぁ、やっぱりそうなんですか、丁度テレビでそんなの見て、そうじゃないかなぁと、思ってたんですよ」
ぐっ……。この様子だと病院には行ってない……。こんな健康に対して、無頓着なヤツを野放しにしてて良いのだろうか。
「とにかく、今日の接種は無理ですから、後日病院に行ってください」
「病、院」
なんだ!その嫌いですオーラは!
「抗アレルギー剤持ってませんよねぇ」
「無いです」
ケロリと言う、ノーテンキに、医者の権威を振りかざし、2回目は副反応、強くなりますよ、なりますよ、なりますよ!これでもかと私は脅す様に話した。
「分かりました。(仕方ない)病院に行きます」
「その方が、絶対良いです、保健婦さーん」
私はノーテンキを保健婦さんに受け渡すことで、魔の時間から開放されたのだった。
健康第一。保健婦さんが、予約方法の封書を送るから待っててねと言われて待っています。二度目はいつになるのかしら。
終わり(^O^)/