西瓜 of the dead
掲載日:2021/07/31
想像してみて欲しい。
灼熱の炎天下。砂漠に孤独。
身動きも出来ず、死を待つ時間を。
凶器を持つ者が薄ら笑いを浮かべて進み。
周りはそれを嘲りながら行為を囃し立てる。
距離が零に近付くに連れて皆の口角は歪み。
『私』と『君』が相対すれば必然と振り下ろされ。
蓋を砕き。無惨に散り。中身がごろりと転び出る。
それを見ながら周囲がワァと歓声を挙げるのだ。
…いや、違うよ。怨んでいる訳じゃ無い。
君達がこれを娯楽としているのは理解しているし。
私達もこれが殺害に類する罪と認識してもいない。
だって西瓜だし。
残酷とか云う方が頭がおかしい。どうかしている。
ただ…君達が余りにも楽しそうにしている物だから。
私もやってみたい。そう思っただけなんだ。
ああ。良かった。見つけられた。
会えなかったらどうしようかと。
怯えてる?
分かるよ。初めての経験だもの。
何が起きるか分からないのは、本当に怖い。
私も怖い。どうなってしまうのか、知らないから。
でも。これは必要な事。
お互いの立場を知れば、関係はもっと良くなる。
もっともっと楽しく出来る。そう信じてるんだ。
だから泣かないで。笑顔のままで居て。
君は大丈夫。僕は大丈夫だった。
祝って。喜んで。楽しんで。いつもの様に。
きっと理解し合えるよ。
ほら。
中身は一緒なんだもの。




