連合より角煮
「まずは連合に入ってクエストをこなすっす」
城を出た二人は街の中を歩きながら話し掛けるネクスト。
街は薄暗いながらも多くの骨がカタカタと歩いていて店や建物もたくさんあり、賑わっている様子だ。
「クエストって?あと、連合ってなんですか?」
「連合は共同体っす!クエスト一緒にこなす仲間たちがいる場所っす!!
クエストは強くなるために必要なアメジストを貰えるものっす!!!」
「お、おう・・・」
元気の良い骨にドン引きする綿子。
「連合は自分で作ることも出来るし入ることも出来るっす!
入らないことも出来るっすけど、アメジスト・・・みんなアメって言ってるんすが取分減るからみんなどこかに入ってるっす!!」
「そのアメがあると角煮も食べ放題!?」
「角煮ってなんすか?」
噛み合わない話、進まない話を繰り返す二人。
「今、デスキング様に従わない魔物がたくさんいるっす
そのせいで魔物を狩ることが主っすが雑用でもアメが貰えるっす!」
「でも、私戦ったことないよ?大丈夫なの?」
現代人の綿子は当然普通の女子中学生。
不安を伝える。
「大丈夫っす!生まれたばかりの骨たちはみんな弱いっす!アメを使って骨密度を強化したり武器を手に入れて強化することで強くなるっす!!
わしもこの剣を強くして最強を目指してるっす!!」
元気が良い骨は自慢気にそう答える。
「武器ってどこで手に入れるの?」
「ガチャっす!!!!」
「ガチャ・・・?」
「ガチャっす!!!!」
大事なことは二度いうスタイルらしい。
「クエストで稼いだアメでショップで回すっす!
すごい武器や装備あたると鼻血出るっすよ!!」
ネクストの持つ剣は赤と黒で装飾されてはいるがとてもシンプルな作りになっているため強そうには見えない。
「装備って貰えるんじゃないんだ・・・」
「甘ったれたこと言ってると生き残れないっすよ」
確かにその通りである。
元々中学生の綿子は日本という保証された環境で育ってるため、支給品があると思い込んでいたようだが、予想以上に厳しい環境のようだ。
「装備を当てたら強化石使って武器を強くするっす!
そうやって日々の稼ぎを増やしてやれること増やしていくっす!
わしも自慢の牧場持ったのは良いけどデスキング様への上納金だけでいっぱいいっぱいっす・・・」
「角煮食べれる店・・・あるかなぁ・・・?」
話し半分で角煮のことを考える綿子と元気いっぱいに後輩にどや顔するネクスト・・・お似合いかもしれない。
「そういや、名前聞いてなかったっす!わしはネクストっす!好きな動物はパンダっす!!」
「私は渡辺綿子。好きな食べ物は角煮よ」
こうして出会った二人は、やっと自己紹介を終えて連合の話に移るのだった。