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「さっき食べたのって何のお魚なの?」

「シーチキンの原料はマグロとカツオらしいけど。とりあえずその二種類を調べてみようか。えっと、確かキハダマグロだったかな」

「キハダマグロ」


 青藍は教えてもらった名前を口に出して繰り返しながら、たどたどしい手つきでパソコンのキーボードをたたく。それを後ろから見ていた静人は出てきた画像を指さす。


「あ、これだね。このお魚だよ」

「おー、うん? 大きい?」

「あはは、そうだね。全長サイズで僕よりも大きいはずだよ。大きさには個体差があるからね。確か平均サイズだと青藍ちゃんよりも大きいんじゃないかな」

「身長測ったことないから分からない」


 指さす画像に写ったマグロの大きさに違和感を感じた青藍は首を傾げる。そのあとの静人の説明を聞いた青藍だったが、自分の身長の大きさが分からないからか首を横に振る。


「あとで測ってみるかい? ちなみにキハダマグロの平均は、約150センチメートルらしいね」

「ものづくりの時に必要になるかな?」

「そういえばそういうの一切考えずに作ってたね。でも、長さが分からないと他の人には伝えられないからね。分かる方がいいよ」

「だったらがんばる」

「大丈夫。結構簡単だよ」


 物作りのためと頑張る決意をした青藍に静人は優しく微笑む。それを見た青藍は、胸の前で拳を握り締めて頷く。


「うん、がんばる。カツオって言うのもでかいの?」

「そうだね。画像調べてみようか」


 静人が慣れた様子でキーボードで打ち込むと画像が表示される。


「さっきのよりは小さい気がする。でも、私の知ってるのよりは大きい?」

「そうだね。料理で使う魚は元々切られてるやつか、小さい味とかサバとかだしね。あと、サンマとかかな」

「美味しいのかな?」


 やはり美味しいかどうかが気になるのか首を傾げる青藍に、静人は少し考えこむそぶりを見せてから口を開く。


「僕もそこまで食べたことないけど、カツオのたたきとかは美味しかったよ」

「たたき?」

「まぁ、刺身にする前のカツオの塊の表面を炙って切るだけだけどね。今度作ろうか」

「楽しみにしとく」

「楽しみにしてて」


 新しい料理に目を輝かせる青藍は無表情ながらも楽しみにしているのが分かる。


「他にどんなお魚が海にはいるの?」

「そうだね、どうせだし、一番大きいのを見てみようか」

「大きいの? 天井くらい?」


 青藍は座りながら目線を上にあげて天井を見る。そんな青藍に静人は笑いながらパソコンを青藍に譲る。


「あはは、調べてみようか。えっと、海の魚で最大って調べてみて……。ほら、この魚が一番大きい魚だよ」

「ジンベエザメ? 最大個体の全長は18.8メートル? どのくらいなの?」


 大きさが想像できない青藍は首を傾げて静人に顔を向ける。静人もそれを予想していたのか腕を胸の前で組んで考える。


「うーんとね……、表現が難しいね。あ、この家の天井は大体3メートルだからこの高さが6個分だね」

「ほえー。想像ができない……」

「実物見るのが一番なんだけどね。あ、水族館の画像を見てみようか。多分それだけでも何となくわかると思うし」


 見せたほうが早いと考えた静人は『水族館、ジンベエザメ』で画像検索して大きさが分かりやすいものを探す。

 そんな静人の横で青藍は水族館という単語に目を瞬かせる。

「水族館? 何をするところなの?」

「魚とかを見る場所かな。海にいる魚って僕たちは見ることがなかなかできないだろう?」

「なるほどー? 食べたりしないの?」

「あはは、食べたりはしないかな。泳ぐ姿を見る場所だからね」


 青藍は水族館は魚を食べる場所でないと知ったからか残念そうに肩を落とす。


「食べないの? 美味しいのに」

「美味しいのはみんな分かってると思うよ? あ、これがジンベエザメだね。ここの水族館のは8メートルらしいから、最大のはこの魚がもう一匹いる大きさだね」

「手前にいるのは人だよね? おー、大きいね」


 画像検索が終わった静人が青藍に見えるようにパソコンを指さす。青藍は見せられた画像を興味津々な様子で見てから目をぱちぱちとさせて驚く。


「手前にいるのは人だね。やっぱり大きいね。まぁ、これは食べられる魚じゃないし食卓に並ぶことは無いかな? エイとかナマズとかを料理してもいいね。なかなか買う機会ないし」

「エイ? ナマズ? 調べてみる」

「ナマズは見たことあるかな? 他にもアンコウとか普通の魚っぽくない魚を調べてみようか。マンボウとかも面白いよ」

「エイ、ナマズ、アンコウ、マンボウ」


 青藍はパソコンとキーボードを交互にみながらゆっくりと打ち込む。忘れないようにぶつぶつと呟きながら打ち込む青藍を見ていた静人が口を開く。


「見つけたかい?」

「まずはエイ。おー、魚っぽくない。美味しいの?」

「あはは、味は淡白だけど美味しいよ。可食部も結構大きいから満足できるかもね」

「食べてみたい」

「そうだね。いろいろと必要になるけどみどりさんも巻き込めばいけるかな」


 ちゃんと冷凍したものを用意しないと臭うことを知っている静人はみどりに頼むことを決める。そんな静人の様子に気付いていない青藍は次の魚を調べる。


「次はナマズ。あ、おひげがある」

「特徴的な顔だよね。食べたことは無いけどナマズも味が淡白らしくて揚げ物が美味しいらしいよ」

「揚げ物。唐揚げ? おいしそう」

「これも機会があったら食べてみたいね。ちなみにこれは海の魚じゃなくて川とか湖とかにいる魚だね」


 海の魚ではなくて川の魚であることを思い出した静人は忠告を挟む。


「次はアンコウ。怖い顔。なんかプルプルしてるけど美味しいの?」

「アンコウは鍋とかで食べるのが美味しいらしいよ。これも食べたことないから食べてみたいね」

「食べる。美味しかったらいいな」

「結構有名だから美味しいと思うよ」


 食べたことがないものだからか歯切れが悪い様子の静人に、青藍はキョトンとした顔をした後最後の魚の名前を打ち込む。


「最後はマンボウ? 変な顔。体も変」

「ちなみに味はほとんどしないらしいよ。これも食べたことないかな。調べてみると食べられはするらしいけどね」

「味しないの? むー、だったらいいかな」


 味がしないと聞いた青藍はマンボウのことを諦めることにしたのか、残念そうにしながら首を横に振る。それからもしばらく魚や海にいる食べられる海産物を調べて1日が終わった。


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