ENCOUNTER〜新たな出会い〜
「にしても、30階層ってこんなに広いんだな。」
30階層は古代神殿のような形をしており、道を少しでも間違えると迷ってしまいそうだ。
「っていうか、この階層自体は3回ぐらい来たけど、こんなとこあったっけ?」
あたりを見回すが、先ほどまでよく出没していた悪魔たちが出てこなくなった。鞄の中には買ったオレンジとキュウカンバー。配給された松明が後7本。ダイさんのポーションが残り8個残っている。
「持ち物には困りそうにもないし、進んでみるか。」
僕は見慣れない道をひたすらに歩いた。
〜30分後〜
「で、どこだよーここー‼︎」
俺は先ほどとは全く違う景色を見て叫んだ。今いる場所は洞窟のような場所で、先には闇が広がっている。てか、30階層にこんなとこあったっけ?いや、見つけてないだけか?
そんなことを考えてると奥の方から「キー!」という奇声が聞こえてきた。
「なんだ?悪魔か?」
目を凝らすと見た事もない悪魔が全力疾走でこっちにくる。僕は自分自身の手にナイフで傷をつけスキルを使った。
「リバース‼︎」
すると悪魔はその場に倒れてしまった。30階層の悪魔はスキルを持ってないから後はナイフで止めを刺すだけかな。僕は悪魔に近づく。その時、悪魔が光り輝き目の前が真っ白になった。
「な、なんだ……!」
「どきな!誰かさん!」
顔はわからないが誰かに声をかけられた。すると僕は後ろに引っ張られ尻餅をついてしまった。
「スキル!オネスト‼︎」
男がそう叫ぶと次第に光は弱まっていき、最終的に目を開けらるまでになった。
「ありがとうございます。助けていただいて。」
僕は立ち上がりながら男に答える。
「おう!気にすんなって!困ったときはお互い様だろ?」
男はそういうと振り向き親指を立てて笑った。顔にはゴーグルのようなものを着けておりはっきりと顔は分からない。
「ところで名前は?」
「俺か?俺の名前はリュウ。まあ仲良くしてくれや。」
そういうとリュウはゴーグルを上に上げ、手を差し出し握手を求めてくる。
「よ、よろしくお願いします。」
僕もリュウの手を握った。
「よし!じゃあ、せっかくだし一緒に行こうぜ!」
ここから、僕とリュウは共に行動することとなった。