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BUY〜ポーションを買いに〜

土日って至福のひとときですよね。でも、働くからこそ土日が光り輝くと思うんですよ。

現場からは以上です。

僕はクビを言い渡されたその日は食欲も無く、何も食べず眠りについた。


生憎、夢を見ることもなく目が覚めてしまった。ベットから起き上がり朝ごはんの用意をする。今日の朝食は苺ジャムを塗った食パンとミルク。正直質素なものではあるがこれぐらいしか食べるものはない。なぜなら、お金がないからだ。



<作者>


ここで一つダンジョン攻略班がどのようにお金を得ているか、その仕組みについて説明しよう。


この世界にはダンジョンというものがあり、最大300階層まで存在するとされており、今のところ125階層まで攻略されている。攻略班は攻略時に手に入るお宝などの50%を得ることができ、残りの50%は攻略班総司令部の資金となる。そしてその50%のうちの数%を実際に攻略したグループに給料という形で渡される。要するに実績(ダンジョンの攻略)を上げない限りは給料が入らないのだ。それでは失礼しましたー。



朝ごはんを食べ終えると荷支度をして家を出る。そしてダンジョンに向かう。これが僕のルーティーンのようなものだ。


僕の家は街から少し外れたところにあり、歩いて10分ほどでシャータウンという大きな街に着く。


今日もシャーの街は栄えており出店が軒を連ねている。時々、元ギルドメンバーと出会うがお互いに気づかないふりをする。僕はヒールポーションを買うためにある店に入った。


「おお、いらっしゃい!ジュンちゃん!」


「こんにちは。その呼び方やめてくださいよー。もう子供じゃないんですから。」


この人はポーション専門店のオーナー、ダイさんという。僕の父とともに行動していたので僕との面識がある。そのため、どれだけギルドをクビになってもダイさんは僕と話してくれる。父が亡くなってから、ダイさんのスキル「ミックス」を用いてポーションを営んでいるのだ。


ダイさんは「まあ、そうかっかすんなよ」と僕の肩をバンバン叩きながらいう。


「ダイさん、痛いですよ!もう」


「おお、すまんすまん。で今日もヒールか?」


「はい、でお金なんですが」


僕は鞄の中を漁りなけなしの金貨をカウンターに落とす。


「ジュンちゃん。金貨はいらねえよ。恩人の息子から金巻き上げるほど腐っちゃいねえ。」


「え。でも、――」


「いつもそうだろうが。まあ、払いたけりゃあ出世払いってわけで。」


ダイさんはそう言いながら僕の鞄を開け、カウンターにあった金貨を雑に入れた。


「ほれ、ヒールポーションだよ。いつも通り10個な。値段は無料だよ。」


僕は渋々鞄の中にポーションを入れ店を後にした。

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