はじめての魔法屋さん
今週も花粉MAXですね!
ひどい花粉症の人で足が冷たくなってる方は、少し熱めのお湯の足浴で温まると症状が緩和されますよ。
東洋医学的には上実下虚(上熱下寒)という状態で、頭がのぼせて、足が冷え、上下で温度が割れてしまっている状態です。
火は上にのぼる性質があるので、体全体の熱が不足しがちな陽虚という体質の方はとくに、熱が全部上の方に持っていかれてしまうため、足まで温める熱がなくなり足が冷えます。
花粉症の場合では炎症で首から上が大火事になっていますので、首から上に熱が集まってしまい足が冷え、温度差ができて上下でうまく滞留できなくなってしまうことが多いです。
海の表層と深層で温度差があるため、表深の海流の流れが違うのと同じです。
お風呂のお湯でも同じ現象がおきますね。
その場合はかき混ぜれば同じ温度になりますが、人体の場合は直接かき混ぜることができないですし、下から追い炊きするのが一番簡単です!
特に陽虚の人は足がサーっと冷たくなってきたなと思ったら、鼻水と目のかゆみが一気に来ると思います。
厚めの靴下をはいたり足浴で温めたりして上下の熱を同じ温度にしましょう!
さて、前書きが長くなってしまいましたが、今週もよろしくお願いします!
服装がまともになったら気分もシャッキっとする、森でのサバイバルから心機一転だ!
「こんどはまほうやさんにいこうね。」
マジか!?
魔法屋って言ったら、魔法の杖とか、あやしげなビンに入った薬とか、魔法の宝石とか、魔法の剣とかか?
めっちゃテンション上がるぜ!!
それに魔法屋って言ったら、魔女のおばあさんかもだが、
運が良ければセクシーな魔女娘さんとかいるのではないか?
かわいらしい魔女っ子でもいいけども…
リンデンさんの洋服屋からメインストリートを10分ばかり言ったところに他の木組の家よりも大きな石造の建物があり、鉄製のつるし看板には魔法陣が描かれている、どうやら早々に到着したらしい。
期待MAXで魔法陣の描かれた重々しい鉄製の扉をギイィと鳴らしながらゆっくりと開ける、やはり薄暗い店内、
微かに混じるカビの匂い。
そこには思い描いた通りの魔法屋の光景がひろがって…
いなかった。
本屋さんかな?
なんか思ってたのと違う…
革製の西洋アンティークなハードカバーの本がひたすら天井まである本棚にぎっしり並べられており、
まるで図書館にしかみえない。
いわゆるファンタジー的なアイテムは店の一番奥のカウンター回りにだけ多少の雑貨が並べられている。
うん、ぱっと見そんな感じ。
「あ、アイリス様、いらっしゃいませ。」
カウンター越しにかけられた声は良く通る優しげで、落ち着いた……
男の声!?
くっ、バカな!若いイケメンメガネ魔法使いだと!?
なぜだ!?ゲームやアニメの世界とだいぶ違うぞ?
男の魔法使いなどポッター君だけで十分ではないか!
しかも背が高くしゅっとしててサラサラの髪、優し気な微笑みが素敵な、いかにも女子に人気がありそうなタイプだ。
だがこのイケメガネくん、治療家の目から見ると、目の下にうっすらとクマがあり少し顔色が悪い、だいぶ疲れているように見える。
「こんにちはリコリスくん、ぽーしょんをください」
「あ、はい、アイリス様の場合、ウチにある最上級のポーションでも足りないと思いますが、すぐにご用意いたしますね。」
そう言うとイケメガネくんはバックヤードにそそくさと消えていった。
待ってる間のアイリスとの会話で、
こちらの世界ではHP回復のポーションはないらしく、
ポーションと言ったらMP回復薬のことをさすのだということを学んだ。
すばらくすると、イケメガネくんが店の奥からラグビーボールのような赤い水晶玉?をもってきた。
金色の台座がついており、ところどころにやはり金細工の装飾が施されている。
「どうぞ、こちらです。」
「え!ポーションって飲みもんじゃないの??」
あまりにもゲームや漫画のポーションと違うので思わず口に出してしまった。
「はい、魔力を貯蔵して摂取できる形にしたものです。
その昔、始まりは液状の物であったと聞きますが、今ではこの形のものが主流ですね。
人族も進化とともに魔力量が増大し、魔素を含む飲食物だけでは不十分になってしまったのと、
一番の原因は竜の心臓が手に入るようになったことですね。」
といってちょっとお疲れ気味のさわやかスマイルをこちらに向ける。
「それじゃぁ、いただきまーす!」
アイリスが目をつぶってそっと赤く輝く水晶に手を触れたとたん光があふれだした。
「おぉ!!」
これは!なんというか…
稲妻のように力強い光ではあるが、一瞬で流れるわけではなく、ゆっくりと力強い光輝く微粒子が空間にはっきりと存在しながらアイリスの周りに渦巻きつつ吸収されていくのがわかる。
すさまじい質量と存在感!
「うんうん、だいぶ戻ってきたみたい。8割ぐらいかなぁ」
「さすがアイリス様!うちの一番大きなポーションを一人で空けてもまだ足りないなんて…
一般的な人の100人分なんですけどねぇ、ははは…
小さいものでしたら、まだ在庫がありますがお持ちしましょうか?」
「ううん、大丈夫だよ、みんなの分もとっておかないとね。」
魔力回復後のアイリスはだいぶ流暢に話すようになった。
やはり魔力量と翻訳魔法の発動度合いは影響するようだ、
それに声まで大人っぽくなった気がする。
「リコリス君、それと今日はこの人の魔道具を少し見繕ってほしいの。」
「はい、どのようなものにいたしましょうか?」
「まずは翻訳のペンダントは必要ね…、その他は魔力値によって決めたいから、計測してもらえないかしら?」
「かしこまりました、それでは、ステータスを拝見させていただきますね」
爽やかイケメン理系お兄さんはメガネの上にからさらに丸渕片目のメガネをのぞき込んでしげしげと俺を見つめてくる。
スカウターかな?
「おかしいな?少々お待ちくださいね」
イケメガネくんはスカウター的な魔法具を外して、なにか調整しては覗くを何度か繰り返した。
「なんか、俺ってなにか変なの??」
「それがですね、魔力値が285がしかないんです…
計測眼鏡も壊れている様子はないんですが」
「285って相当低いの?」
「低いなんてもんじゃないです、生きてるのが不思議なぐらいですね。」
まじか!?そりゃ現世では魔法なんて皆無だったからね、
むしろ魔力が285あって少しうれしいかも。
「肉体的に瀕死の状態だったり、精神的に落ち込んでいたりすると魔法力が一時的に落ちることはあるのですが、見た感じお客さんの健康状態ではありえない数値です。」
「うーん、やっぱり魔力の底上げが必要だね。竜の心臓制のアイテムって他にあるかな?」
「はい、あるにはあるのですが、何分貴重ですからね、ウチには小さいサイズのものしかないのです…」
そういってまた店の奥に消えていった。
「翻訳魔法も喋るのに魔素を消費するの、クマさんの魔素量だと、魔法陣の機能が不十分で簡単な単語でしか翻訳されないから子供がしゃべっているようなつたない感じになっちゃうの、」
なるほど!話す側の魔素量に影響されるということか、
アイリスは俺の蘇生魔法でほとんど魔素を使い切っていたから言い回しが子供っぽくなってたのか。
逆に自分の魔素量が非常に少ないと…
今まで俺もずっとそう聞こえてたってことか!?
今になって恥ずかしいんだが…
「お待たせしました。」
イケメガネくんは金の彫刻が施されたはがきサイズの木箱を持ってきて開けてみせると、中には真ん中に深紅に輝く宝石がはめこまれたシルバーの腕輪が入っていた。
「竜の心臓ってもしかしてこの宝石のこと??」
「そうです、魔力を無尽蔵に吸収する竜の心臓が何千年もかけて結晶になったものです。」
さっきアイリスが吸収したポーションの器と同じ素材の様だ。
「竜の心臓は非常に貴重ですが、身に着けているだけで、そこから魔力が供給されます、
しかも龍脈上にいれば消費した魔力も自動的に魔力が回復しますからね、
この大きさだとだいたい平均的な人族一人分の魔力量ですね。」
なるほど、魔力が絶対的に足りない異世界人はこれを身に着けて普通の暮らしができる程度に魔力量を底上げしなさいということか!
これさえ身に着ければ俺でも魔法が使えるということでもある。
とてつもなくほしい!!
しかし値札には12000000LGと書かれている。
「えーと、千二百万エルジーって高いの?」
「えぇ、非常に高価です。
この国の通貨の単位はルグルと読みます。
物価で例えると…
酒場で飲み食いすると3000~5000ルグル
宿屋一泊で5000〜10000ルグルといったところでしょうか?」
「なるほど、そのまんま円に置き換えても良さそうなレートだ、
そうするとこの腕輪千二百万円以上するじゃねーか!?
無理です!ありがとうございます!
丁重にお断りさせていただきます!」
文無しにみせるシロモンではない。
「大丈夫私が買ってあげるから!」
アイリスは子供の相場には合わない誕生日プレゼントを無理して買ってあげる時の母親のような笑顔でそういった。
まったく冗談には見えない。
「まてまてまて、アイリスは有名人だし、たぶんスゴイいいとこのお嬢様で、
右も左もわからない異世界人を助けてあげたいっていう気持ちにはとっても感謝しているけども、
、さすがに子供から金は借りられないぞ?」
買ってもらうなど論外でしょ!
「わかったわ、私が子供じゃなければいいんだよね。
とりあえず腕輪をはめて…
リコリス君、ステータスグラスを貸してあげて、今ならみえると思うの」
言われた通りにしてみると…
ゲームのステータスのようなものがイケメガネ君の横に浮かびあがってきた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
名称:リコリス・グルキュスリザ
種族:人族
年齢:21歳
魔力値:6523000
ーーーーーーーーーーーーーーー
魔力値ろっぴゃくごじゅうにまんさんぜんって!!
「今度は私を見てみて」
笑顔が素敵な小柄な水色髪の少女をのぞいてみた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
名称:アイリス・アクアスフィア
種族:ハーフエルフ
年齢:38歳
魔力値:1327200000
ーーーーーーーーーーーーーーー
「38歳!!?」
マジか!?エルフは寿命が長いからハーフでも年齢のわりに幼い容姿ということなのか?
「しかも魔力値13億超えってなんだ?」
「これ、壊れてるよね?」
「いえ、お話を聞いている限りでは問題ありませんね。」
「わかったかな?わたしキミより3歳お姉さんなんだからね!
お姉さんが買ってあげるのならいいでしょ??」
制服着たらどうみても女子高生にしか見えないくせに、
腰に手を当ててちょっとうれしそうにドヤ顔してみせている。
「ちょっと耳が長めだと思ったらハーフエルフだったのか?」
「うん、厳密にはクオーターだけど、ステータスグラスのプログラム上ハーフエルフになっちゃうの、
この国ではたぶん数えるほどしかいないと思うから。」
クオーターエルフって初めて聞いたぞ??
両親のどっちかがハーフエルフってことか?
この国ではエルフは人間を下等な種族と見下したりせず、仲がいいのかな?
「しかしなぁ、いくら年上とはいえ、会ったばかりの女性からこんな高価そうな物を買ってもらうわけにはいかない。」
2人ともめっちゃキョトンとしてる。
ハテナマークいっぱい浮かんでる。
あれ?俺変なこと言ってないよね?
「わかったわ、クマさんの意見を尊重して1200万ルグルは貸すことにするね、
でも貴方は治癒魔法でも治せない病気を治す不思議な力をもってる。
それはこの世界の人々にとってはすごい重要な意味を持つと思うの。
例えばね、ここ3年ぐらい腰痛がひどいお父様や、
1年くらい肩が上がらない使用人の治療とか、街にはいろんな不調を訴えている人たちがいっぱいいるの。
今まで絶対に治らなかった不調が治せるのならそこにかなりの価値が生まれるはず、1200万ルグルくらいあっというまに返済できるわ。」
なるほど、俺にとって魔法力の底上げはこの世界で生活するために必要不可欠だ。
これは投資と考えよう。
「わかった、1200万ルグル借りて、アイリスの家族や、街の人からの治療費で少しずつ返済していくよ。」
アイリスは満足そうにうんうん、と笑顔でうなずいた。
「じゃあ、わたしの描いた翻訳の魔法陣ももうすぐ消えちゃうから、翻訳のペンダントはプレゼントしてもいいかな??
翻訳の魔術は国で術式を研究開発したものだからそんなに高くないから。」
この子本当に面倒見のいい子だな、
あ、この人か…
そこまで言ってくれてるのに断るのも野暮だ、
「ありがとう、そういうことならありがたく頂戴することにするよ…いや、します。」
「こらこら、急に敬語つかわなくてもいいんだからね。」
そう言ってアイリスは背伸びをして、サファイアのような宝石がついた銀のペンダントを俺の首にかけてくれた。
「それでは、こちらは僕からのプレゼントです、とても高価な買い物をしていただきましたからね!
液体をを球体にした状態で保持できるアイテムと、熱を発生させる指輪です。
今のお客様でしたら翻訳の魔法陣を発動した状態でも500mlぐらいなら保持しつづけることができるはずですし、指輪の方も150°ぐらいまでなら加熱可能だと思います。」
イケメガネくんはアイリスが腰に引っ掛けていた銀の指輪のような物(その下に水球がつく)
と、赤い指輪をおまけでつけてくれた。
「二人とも親切にしてくれてどうもありがとう!この借りは必ず返す!
で、さっそくなんだけどリンデン君、最近体に不調はないかい?
睡眠が足りてなかったり、運動が不足していたりするように見えるんだけど?
どうだい?」
前半がストーリーで後半が肩こり治療の予定でしたが、文章が思いのほか長くなりすぎてしまったので、症例は次回持ち越しにしました。
というわけで次回は於血タイプの肩コリについてです。