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異世界治療院  作者: 森野熊惨
4/11

異世界サバイバル3日目

最近は文章の勉強のためラノベをいっぱい読んでおります!


ある程度ネタがあるので、頑張って毎週更新する予定です、よろしくお願いします!

異世界サバイバル3日目


朝朝、おはようございます!

ふむふむ、今日は思ったよりも寝覚めが良いぞ!

サバイバルでは健康第一!


いやいや、普通に暮らしてても健康第一だよね!頭痛とか、腰とか膝とかあちこち痛かったりしたらせっかくの楽しいイベントも存分に楽しめない。

ましてや大病で床に伏してたら日常生活すらままならない。忘れられてるけど健康ってほんと大事!


早速昨日沸かしておいた池の水を熾火にかけ、炒ったドングリで少々煮出し、砂糖代わりにラムネを投入した。

今朝の朝食はチョコとドングリコーヒーです!今回はラムネは溶かさずボリボリ食べた。


「うまい!」


30代の一般的な身体活動レベルの男性なら1日約2700Kcal、女性は約2000Kcal必要なのだが、

慢性的にカロリーが足りていない今の状況だと、少しの糖でも脳だけでなく全身に染み渡るようにひろがって元気が出てくる。

今日の分の新鮮な水を確保すために一度煮沸している間に、シェルターを簡単に原状復帰させ、お湯が適度に冷めたころにペットボトルに詰め替えた。


あぁ、ペットボトル!すごすぎる!軽くて丈夫で水が持ち運べるなんて!ありがとう文明!


サバイバルではナイフに目が行がちだけど、すっごい大事なのが水を入れられる容器なのである。

念のため缶コーヒーの缶にもお湯を入れ、こちらは蓋がないので、手を温めつつ歩きながら飲むことにした。

一応山火事にならないように焚火に水をかけ野営地を後にした。


「今日もきっとなんとかなる、楽しい一日になるぞ!」


と口に出して自分に言い聞かせ、

とりあえずまずは2時間ぐらい頑張って歩こう!と気合を入れていたら、

なんと散策してから30メートルぐらい歩いたら崖になっており、眼下に大きな湖が広がっていたのだ。


「あれ?、なんだ、意外と水場あるのね」


これはこれでうれしい誤算だ、

なるほど、崖に沿って広がっているから、結構な大きさがあるのに高台から見たときはみえなかったのか。

だがこの湖、これは右か左を選んで大きく迂回しなければならない、遠くを目をこらしてみても建物らしきものはみえない。食料のことを考えると少しでも早めに集落を発見したい。

まぁ湖関係なくどのみち崖だから迂回は確定なのだが。


「うーん、どうしよう、右かなぁ、よし、右にしよう!」


なんとなく利き腕である右腕が崖じゃない、モンスターがきそうな側に向いているほうが安心するようなきがしたので、右方向に進路を変えて崖に沿って歩く。


しばらく歩くと、まっすぐなよさそうな棒があったので拾っておいた。


さらにどんどん歩いていると、球体の多肉植物、グリーンネックレスというのがあるが、あれのやたらデカい植物がやたらと多くなってきた。この緑のガチャガチャの玉みたいな葉っぱ?が丸い植物はこの世界特有のものだと思う。


おぉ!綺麗な石だなぁ


そしてさっきから、宝石のような透明感のある石があちこちにいっぱい落ちている。

しかも非常にカラフルで、いかにもファンタジーって感じのなんかワクワクする光景だ。


だけど今はキレイな宝石よりも、斧やナイフとして使えそうな鋭く割れそうな石がほしいんだよなぁ。


お?この赤い石ガラス質っぽくないか?こんだけいっぱいあるんだし、宝石だとしてもあまり価値は高くないだろう。


「よし、試しに割ってみよう!」


水晶ってたしか硬度7だったよな?

さっそく両手ですっぽりおさまるぐらいの赤い宝石のような石を持ち上げて、クリスタルのような透明な石に叩きつけてみた。


「お!うまくいった!こんなにうまくいくとは思ってなかったが、今日はほんとツイてるな!」


ガラスが割れたように見事に鋭く3つにはじけ飛んだので、そのうちの最も薄くて鋭利なものを、さらに浅い角度からクリスタルで何回も弾き、日常で使う包丁サイズにまでうまく加工した。

そして今朝がた拾って杖代わりに使っていた、適度にまっすぐで硬そうな木の棒を、加工したばかりの赤いいナイフで先端を地道に二股に削り、できるだけ細くて丈夫なつる植物でぐるぐる巻きにして、先端に固定した、つまりは槍である。


「おぉ!かっけー!」


地面から炎のように光り輝く赤い刃先までは自分の身長より少し低いぐらい。

中二心全開の異世界打製石器(槍)が完成した。

我ながらテンションがあがる!

陸上自衛官だった親父に仕込まれた銃剣道の動きで、何回か突きを繰り出してみる。


ふむ、石が外れそうな気配もない、イイ感じだ!


そういえば、この世界にきてから何気にサバイバルできているのも、小さいころから親父にキャンプに連れまわされていたおかげだな、まさかこんなところで役に立つとは、思いもよらなかったが感謝せねばなるまい。


なんか武器を手にしたらだいぶ安心感がでてきた、もちろんどんなモンスターがいるなんてわからないし、こんな耐久性の低そうな武器でどうこうできるかわからないけど。

気分って大事だな。


ウキウキしていると、幸運はつづくもので、小さいけど、せせらぎの音が聞こえてきた。


「やった!小川だ!」


ほんとに小さい、頑張ってジャンプすれば飛び越せそうな小川なのだけど、流れのあるきれいな水だ、小さな魚の姿も見えた。


ちょうど3時のおやつぐらいの時間ではないかというころあいだったし、流れのある水場だし、いくつかクラフトしておきたいものもあったので、今日はここにシェルターを設営することに決めた。

焚火とシェルターの建設とも考えると時間がないくらいだ。

さっそくラムネを一個かじると作業を開始する。


うん、ホントうまい!


そのクラフトしたいものとは、釣り道具と濾過器である。

釣り道具は罠だから放置しておけば仕事をしてくれるため、先に釣り道具の制作から取り掛かった。


ペットボトルを切ってキャップ側を内側にして、中に餌の虫と重りの石を入れるという方法はとても成功率が高いのだが、小魚しか取れないのと、1っ本しかない貴重なペットボトルは、やはり長距離を歩くときに水をもちあるくための本来の用途として取っておきたかったのだ。


というわけで鍼灸の鍼で魚釣り用の釣り針をつくることにした。

日本の鍼灸の鍼は細くてしなやかで、一番細い鍼などは髪の毛ぐらいの細さのものもあるほど細いため、魚釣りようの釣り針としては到底使えないのだけど、中国鍼は太めに作られていて、特に坐骨神経痛などの時にお尻に打つような鍼はとりわけ太くて長い。


だいぶ小太りな3丁目の中村のおばちゃんの梨状筋にさすために、太くて長い中国鍼を持っていたので、これを加工して釣り針を作ってみようと思う。


ありがとう!中村のおばちゃん!


梨状筋はお尻の深いところにある筋肉なので、脂肪層の厚い人だと30㎝ぐらいの長さのものを使うこともある。

昔の鍼はオートクレーブという機械で滅菌して何度も使っていたらしいのだが、俺が学生になった時代はすでにディスポーザブル(使い捨て)鍼が主流になっていた。ディスポ鍼は多くは1本1本滅菌のためエチレンオキサイドガスが封入された袋に入っているので、1本袋を開封して鍼を取り出す。


現代の鍼はとてもしなってやわらかいものなので、折れることは先ずないのだけれど、釣り針のようにJの形にして魚が食いついたら、変形して抜けてしまいそうでもある。

できるだけ何重にも折り返して釣り針っぽくしてみたのだが、はたして魚は釣れるだろうか?


次に糸だが、これは木の皮を剥いで、なめして繊維をよって紐をつくっても良かったのだが、手っ取り早く持っていたテーピングをつかった。


スポーツ選手が補強のために使うキネシオじゃなくて、ホワイトの固定する目的のやつね。


それをこぶし大の石に結び付けておく。

長さは40㎝ぐらい。

最後に餌なのだけど、大きめの石をひっくりかえすとね、大体いるんですよね、虫。

さっそくバッタみたいなのがいたのでを針に取り付けて、石ごと川の中に沈めた。


1日のうちの大半を歩いているから釣りをしている暇がないからね、コレを川底に沈めておいて、魚がかかっていたらホントにラッキー程度のあわい期待をこめて。

一見して大型の魚はいないみたいだけど、どうだろうか?

まぁ実験といったところだ。


次にろ過機だが、これは缶コーヒーの缶を使った。

缶の底に尖った石で穴をあけ、底にテーピングを張り、昨日焚火から回収しておいた炭を詰めてテーピングを張りという作業を3層くりかえしておいた。これなら泥水状態でも濾過して、煮沸すれば水の確保にはこまらないだろう。


よしよし、順調だ!


その後薪の回収作業と、シェルターの材料集めを同時進行で行い、焚火の確保をして、そのすぐ横に斜めに屋根を立てかけただけの簡易的なシェルターを建設した、焚火側は開けっ放しの片側だけの屋根なのだが、このほうが焚火の輻射熱を利用して温かいと親父が言っていたことを思い出したのだ。


さて、すっかり日は暮れていたが、無事に基地も完成してお湯も沸き、ドングリ茶と焼きおにぎりがころあいというところになったのだが・・・


「ガサゴソ、バキバキ、ベキ!」


木の枝が折れる音が聞こえた。


「!!!?」


なんだ!?なんかいそうなんですけど?

まさか、モンスターなのか?

中腰までたちあがり、石の槍を手にとって、目を凝らすと、茂みの隙間から、

デカいクマみたいな影がこちらにゆっくりと近づいてくるのがみえた。


「っ!!!!!!」


一気に血の気が引き、動悸がおこり、手足が震えだす。

交感神経は正常に働いている。


下手に動かないほうがいい、いや動けない。

できるだけ息をしないように、音を立てないように、その場にうずくまる。

たぶん見られてはいない。

が、やはりヤツは鼻が聞くのか??

ゆっくりと、だが確実に近づいてきている。


どうする?どうする?


戦う?

何で?

武器なんてさっき作ったできそこないの石の槍しかない。

眉間に一撃を加えれば昏倒させられないか?

いや、鋭利な鉄の斧ならまだしも、コレじゃ柄が折れて終わりだ...

というかクマ公に一撃をあてる前にこっちの頭がふっとぶイメージしか思い浮かばない。


考えろ、頭をまわせ!!


あっ!


次の瞬間、崖の下の湖の映像が脳裏をよぎった。


バキバキ!ガサッツ!


しゃがんでいる茂みの裏まで来てる!!

迫りくる死の恐怖が原動力となり、行動までの時間は早かった、

今日のご褒美として楽しみにしていた焼きおにぎりを引っ掴み、力の限りクマ野郎の後方に向かって放り投げると同時に

勢いよく跳ね起き、

全速力で走りだした!!


「くっ!おおぉぉおおお!!」


20年ぶりぐらいに全力で、力の限り、全生命力を振り絞って、

走った!!

もう結果なんてどうでもいい!

とにかく全力を出し切って逃げてやる!


が、日頃の運動不足がたたった、

すぐに心臓が爆発しそうになる、

肺が焼ける、

ヤツはすぐに焼きおにぎりをひと呑みにしたのか!?、一瞬止まったみたいだがもう背後に迫ってきている、

地鳴りのような足音がヤツのデカさを物語っている。


あと30メートル!?


足がもつれる、もう足がいうことをきかなくなってきた。

頑張れ俺の足!

月明りが見えた、もう少し!!


一瞬、湖の水深の深さをなぜ調べておかなかったのかが悔やまれたが、

もう行くしかない、

視界が開ける!

満月!


俺はこれまた20年ぶりぐらいの決死の走り幅跳びを崖のヘリに狙いをつけて敢行する、

高校生のときは5メートル以上は飛べたぞ!

頑張れオッサン!


ホップ!


ステップ!


左足の足底から確かな反発を感じつつ!


「いっっけぇぇぇぇー!!!」


跳んじまった!

映像がスローンモーションになる、

眼前にはきれいな満月に照らされて、夜でもわかる緑が鮮やかな森と、美しくきらめく湖、


そして・・・


口をあけたドラゴン!?


「げっ!!!?ちょまっ!!?」


意識がやけにゆっくりと流れる、羽がないからネッシーのような、湖に生息するタイプのドラゴンなのだろうか?恐竜にもこんなのいたな・・・?


ふと目の端で、さっきまで一緒に決死の追いかけっこをしていたクマ公も一緒に落っこちてきているのを捉えた。

んっ!?、こいつクマじゃなくてデカい土でできた巨人だったのか、いわゆるゴーレムってやつだ、ゲームの中で戦ったことがある。

石の槍じゃ絶対にどうにもならなかったな、攻撃しなくてよかった。

こんなの勝てるわけない、ゴーレムじゃ死んだふりも通用しない、どのみちバッドエンドじゃねーか!

せっかく異世界にきたのにもう終わりか、

前世も含めて35年、今度こそ俺の短い人生に幕が下ろされるのか?

それとも、今度こそ神様にチート能力をもらって転生できないかな?

チートでハーレムな最強異世界ライフを満喫してみたかったなぁ...

いや、そんな贅沢は言わない、せっかく生まれ変われたんだったら、

この世界でも治療家としてみんなのやくに立つような治療院を開きたかったなぁ・・・


異世界治療院を!!



この世界でも物理法則は正確にはたらいているらしい、オッサンと一体はキレイな放物線を描いてドラゴンさんの大きな口のなかにパクっと放り込まれた。

どうせならおいしくいただいてくれよ!

そしての電源を落としたようにぷっつりと意識が途絶えた。





意識が...?


意識が?・・・ある!?


ここはドラゴンの腹の中なのか?


ん?これは、オオカミの鳴き声?鳥の鳴き声もする、その他なんだかわからない動物の鳴き声が遠くのほうでこだまするように聞こえる。


そして湖の上のボートに寝そべっているようにふわふわ揺れた感覚がしばらく続いたと思ったら、

ほのかに視界が明るくなってきた。


もう疲れた・・・もうちょっと心地よく寝ていたいのだが・・・


あまり開けたくなかったのだけど、おそるおそる目をあけてみた。


えっ!?


「また森!?」


「ナニコレ!?まさか死に戻りってやつか??」


リゼロ的なやつなのか?


だが今回は前回と違うところがある。


どこが違うかって?


こいつは一目瞭然だ!!




なんと、となりに女の子が横たわっていた...




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