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冒険者登録

カムイとシャルがクルルと出会い、街道を歩き始めて一時間程。

三人は何事もなく街道を歩いていた。しかし少しだけ変化があり、街道を真っすぐ行った先に町の門のようなものが見えてきていた。

道中、稀に何台かの馬車とすれ違うこともあったが特に気にかけられずそのまま走っていったため、自分たちの事は旅人にでも思われているだろうと予想できた。

その中でこの一時間はクルルに会うまでと違い、全く敵と遭遇することもなかったため全く時間をロスすることなく来れていた。

その原因は二つあり、まず町が近くなってきたこと。町を拠点にしている冒険者や、駐屯している兵士などが町周辺によって来るものを間引いているのだろうとシャルは言っていた。そのため獣の数は森の近くなどと比べ減っているのだろう。

二つ目はクルルの察知能力の高さである。獣人であるクルルは人族よりも身体能力が高く、その中でもクルルのような犬型の獣人は嗅覚などが優れているため、生き物のにおいを見分けることができた。そのため危険性の高い生き物のにおいが近くにあったりするとカムイに知らせてくれていた。そのまま戦ってみるのもありかとカムイは思っていたがクルルがいるという事や、早めに町に入るという事を優先と考え戦うことは控えて進んでいたので一つ目の原因と相まって敵との遭遇なしという結果になったのであった。



そのまま三人は歩いていき数十分もすると門の近くにいる馬車なんかも見えてくるようになった。

ただまあ夕方に近くなっているだけあって数台ほどの馬車が止まっている程度ではあったが。

そしてそれらの馬車もカムイ達が町に着くころにはすべて町の中に入ってしまっていた。

闇雲に喋ってボロが出ても困るので主に丁寧に対応のできるカムイが喋って他の二人は相槌を入れるくらいにしようと事前に決めておく。




カムイ達三人は門の前に立っている門番に話しかける。


「こんにちは・・・でいいのかな?とりあえずこんにちは。町に入りたいんですけどいいですか?」


「ん?ああ、お前らこの町に入るのは初めてか。まあお前たちくらいの年頃じゃあたぶんまだ冒険者登録とかもしてないだろうし簡単に教えておくよ。」


「ありがとうございます。ぜひお願いしたいです。」


カムイがそう答えると門番は機嫌よくうなずき続きを話していく。


「まずこの町みたいなある程度の大きさの町に入るには基本的に身分証が必要になる。ただお前らみたいなあまり開かれていない村とかで過ごす奴らは殆どの奴らが身分証なんか持っていねぇ。その時に発行するのが仮の身分証だ。この仮身分証は一定の条件さえ達成すれば発行できるものでなその条件ってぇのが二つ。

一つ目が発行前にとある魔道具に触ってもらうんだが、それが青く光ったら合格だ。俺らじゃあよくわかんねぇが魔力から犯罪歴とかの有無を調べるとかなんだか言っていたがまあ気にしなくていいぞ。二つ目は仮身分証の発行料として一人銅貨三枚ほど必要なことだな。これで仮身分証は発行できるぞ。ただし注意事項としてそれは有効期限があってな。その期限が七日間なんだがそれが切れると身分証が無効になるから気を付けろよ。まあその間に冒険者になるなり、どこかで仕事を探してそこで仕事してるっつう身分証をもらうこったな。まあそんなところか?」


「ふむ、そんなに詳しく教えてくれてありがとうございます。とりあえず銀貨一枚渡すのでこれで三人分発行してもらっていいですか?あとお釣りは教えてくれたお礼ってことで持っていてください。」


「おう、気にすんな。これも一応仕事だからな。あと釣りに関してはしっかりと返すぞ。こんなんで子供にもらってちゃあ大人の面子が立たん。知っていないといけないことを教えるのは大人の義務だかんな。っと、ほいじゃあお前たち一人ずつこれに触ってくれや。」


そういってお釣りの銅貨一枚と一緒に差し出してきたのは一つの握りこぶし大の大きさの水晶玉であった。

おそらく話の流れからこれが魔道具なのだろうと思いつつカムイ達三人は触れた。色は全員青。

無事に発行できるようである。


「おし、大丈夫そうだな。じゃあ今から渡すからそれに名前書いとけ。それが終わったらこの門を通っていいぞ。」


「はい、ありがとうございます。ところである程度の大きさの町って言ってましたけど何か基準ってあるんですか?」


「ん?ああそれはな、大抵は門が有るか無いかかねぇ。ただ堀で囲まれた町っつうんのもあるからそれだけを参考にすればいいってわけじゃねぇがな。そんなところか。まあ俺もよくわからんから説明できなくてごめんな。」


「いえ、少し気になっただけなんで気にしないでください。・・・あ、二人とも書けた?」


「はいです。」「はいなの。」


「じゃあ、行こうか。じゃあ門番さんありがとうございました。ちなみにコレって正式なの発行したらどうすればいいですか?」


そういって今作ってもらった身分証を門番に見せる。


「おう、いいってことよ。ソレは正式なのができたらその発行したものと交換してくれっから気にしなくていいぞ。」


「なるほど、ありがとうございました。」


「ようこそ、この町、グラントへ。この町でいい仕事が見つかるといいな。」


カムイはお辞儀をしてそう礼を言うとシャルとクルルと連れ立って門の中へ入っていく。門番の歓迎の言葉を聞きながら。








「さて、これで町の中には入れたね。とりあえず宿をとっちゃう?それとも冒険者登録を先にしちゃう?」


「カムイさん、最初は冒険者登録をした方がいいと思うのです。そうすれば受付とかでちょうどいい価格の宿を教えてくれると思うです。」


「クルルもそれがいいと思うの。それに前に聞いたことがあるんだけど冒険者のギルドカードを持っていると少しだけ料金を安くしてくれるとも聞いたことがあるの。」


カムイの質問にシャルとクルルの二人はそう答える。


「じゃあ、そうしよっか。冒険者ギルドの支部ってどこにあるのかな?」


「たぶんですけど、この大通りのどこかにあると思うです。あっ、あの看板のある建物がそうなのです。」


カムイがシャルが指さした先を確認する。そこには周りの建物より倍ほどに大きく、盾と交差する剣と杖の紋章の描かれた看板のある建物があった。


「あの看板が冒険者ギルドの目印なのです。なんでもあの紋章が冒険者の証だそうです。」


「他にもあの紋章が店内のどこかにある店はギルド直轄か提携店らしいの。」


「へぇ、そっか。うん、ありがとうシャル、クルル。じゃあ早速だけど登録に行こうか。」


そういってカムイ達は冒険者ギルド支部の中に入っていった。



「へぇ。」

「わあぁ。」

「おぉ~。」


建物の中に入ってカムイ達は感嘆の声を上げる。ちなみに上から順にカムイ、シャル、クルルである。

建物の中は周りから見たものより広く感じらてる内装で入口から左側にはいくつもの掲示板。右側には依頼の受注などを行うであろう窓口があった。

カムイ達はそのまま中に入っていき、右側の窓口に向かっていく。


「こんにちは。冒険者登録をしたいのですがどちらに行けばいいですか?」


カムイが受付嬢に話しかける。


「あ、はい。登録ですね。そのままこちらで受けれますよ。登録は・・・後ろのお二人を含めた三人でいいですか?」


「はい、それでお願いします。」


「では冒険者についてと登録関連について説明させていただきますね。」


冒険者についての説明はほとんどがシャルに聞いたことと同じであった。

追加情報として各ランクの大体の位置づけとランクアップの方法。そして冒険者として登録した場合の規則があった。

まず各ランクの位置づけとして、一番下のGランクは見習いとされ、正式な冒険者と言えるのはFランクからとなる。そしてFランクは初心者、Eランクは半人前、Dランクまで上げれば一人前とされるとのことであった。ただ、冒険者として本格的に活動できるのはCランク以上とされるとのことである。その理由としてCランク以上の依頼には盗賊などの敵性の人種が出てくる依頼が増えるからである。Dランクまでは普通に依頼をこなしギルドへの貢献度を上げるだけでランクアップできるし、場合によっては間のランクを飛ばすことも出来る。しかしCランクからは貢献度に加えランクアップ試験が必要となる。

そのランクアップ試験はCランクの場合、人種と戦う際の技術、心構えの有無が必要事項なため戦闘試験となる。

それ以上はとりあえずCランクになったら説明があるとのことであった。

そのためほとんどの人はDランク以下の冒険者をアマチュア、Cランク以上の冒険者をプロと呼んでいるとのことである。

そして、規則としては主に三つ。そしてもし理由もなく破った場合、登録証剥奪の上処罰をするとのことであった。一つ、一般人への暴力行為の禁止。二つ、ギルド内での暴力沙汰(主に武器を抜くなど)禁止。ただし、訓練所でなら可。三つ、他人の獲物の横取り禁止。他にもいくつか規則が存在しており、それらは冒険者ギルドの信頼を失わないようにするためのものがほとんどであるといえよう。


「次は登録関連に関してです。まず正式な冒険者として登録するにあたり、一人銀貨一枚が必要となります。それを支払っていただいた後ですがこの魔道具に血を一滴たらしていただきます。そうすると登録証———基本的にギルドカードとも呼ばれますので今後そう呼ばせていただきますね―――に魔力認証がされますのでそれにご本人様の名前を記入していただけえれば登録完了となります。もし銀貨一枚が用意できない場合はGランクとして活動し、金額分の依頼を受けていただくことになります。ちなみにギルドカードは万が一紛失してしまった場合、再発行に金貨二枚が必要になりますのでお気を付けください。」


「え!?金貨二枚ですか?なんか高くありません?」


話を聞きながら受付嬢の言うように登録をしていたカムイであったが再発行にかかる費用を聞き少し驚いて聞き返していた。シャルとクルルも同じように驚いているようで口をぽかんと開けていた。


「まあ、そう思いますよね。しかし、これは必要なことなのです。正直なところ発行自体は簡単にできるので昔は再発行にもそんなに費用が掛かっていなかったのです。しかし、それが原因でギルドカードをなくしたという方が絶えなかったのです。そのたびに再発行され時間や材料などがかかりすぎてしまったのでそれを防ぐための処置なのです。」


「なるほど、そういう理由があったんですね。まあ失くさなければいいだけですよね。」


「はい、その通りです。納得していただけて何よりです。」


そんな会話をしている間に三人の登録が終わる。


「あとはそれぞれのカードに名前を記入してください。それで冒険者登録は完了となります。お疲れさまでした。」


「ありがとうございます。あ、それと町に入るときに仮の身分証をもらったんだけど、いつ渡せばいい?」


「ああ、それでしたら今受け取らせていただきます。」


そういって受付嬢はカムイ達の仮身分証を受け取り一度確認のために預かっていたカードを三人に返した。


三人は受け取ったカードを見る。

それは入口の看板にもあった紋章が片面に描かれ、もう片面には所有者の情報が書き込める欄がある石のような質感のカードある。


「三人が今見ている面に名前などを書き込むことができます。その面にも魔術が付与してあり、名前以外は所有者か所有者が許可した場合のみ閲覧が可能になるようになっています。そのためある程度のことはもし人に拾われたりしても情報が漏れることはないのでご安心ください。」


三人が何を思ったのか予想していたのか受付嬢は先手を取ってギルドカードについて説明していた。

それを聞いた三人は少し驚きながらも納得し、かける部分をある程度埋めていく。

数分もすればあらかた書き終わり、三人は同時に顔を上げた。


「書き終わりましたか?では少し補足を入れさせていただきます。今三人が持っているカードは石のような質感がありますね?」


「はい、確かにその通りですね。それが何かあるんですか?」


「はい、これもそのカードに付与された魔術の一つですが条件を満たすごとにそのカードの色と質感が変わっていきます。今はストーンですがこれがEランクに上がればアイアンに、Dランクに上がれば青銅ブロンズへと上がっていきそこからもランクが上がるごとにカッパーシルバーゴールド白金プラチナと上がり、今まで一人しかいませんでしたが最高のXランクに上がるとブラックとなるのです。三人はまずカッパー=Cランクまで上げることを目標にすると良いと思います。これにて簡単な説明を終わらせていただきます。もし今話したことについて詳しく知りたい場合はギルドの資料室に以上の事が書かれた本がありますのでそれをご利用ください。」


「はい、ありがとうございました。機会があったら利用させていただきます。」


そういってカムイが礼を言い、あとの二人も続いて礼を言った。

誤字脱字などありましたらご指摘お願いします。



ランクとあるのでそれにあわせて昇格の部分をランクアップに変更しました。

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