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邪神との約束と転生

しばらく(2話)

ボクは結局死んだ。

体を何回も何回も刺されて死んだ。


クズの娘が『お前のせいで』と叫びながら刃物を振り下ろす姿を見て、ボクは恐怖した。


狂っている、と。


最初は焼けるような痛みを感じていた。

けどだんだん体が冷たくなっていって、視界がぼやけていって、何かを考えるのも難しくなって来た。


ああ、ボクは死ぬんだな


まだ死にたくない、まだ生きたい。


そう思ったけど意識は遠のいていって……


ボクは意識を手放した。



ーーーーー


何もないような暗闇の中


「もう一度生きてみないかい?」


突然そう言われた。



周りは真っ暗。なにも見えない。

それにボクは死んだはずでは?

ボクが困惑している間、

話しかけて来た人物はなにも言わなかった。


ボクを待っていてくれたんだろう。


「質問の意味がわからないのですが…あとここ暗いです」


ボクが落ち着いてそう返したのは10分後くらいのことだろう。


中性的な声の主はボクの言ったことに対してこう答えた。


「そのままの意味さ。

君はあちらの世界で理不尽な死に方をしたよね。俺は理不尽が嫌いなんだよ。

『だから生き返ってみないかい?』

と俺はそう聞いたんだよ、君にね。

まぁ、もちろんただとは言わないよ。

君にはあることをしてもらいたいんだ

悪い話じゃないでしょ?」


中性的な声の主はそう言った。

転生はただじゃないらしい。

まぁただで生き返らせてもらうよりは全然信用できるし、生き返れるとは思っても見なかったけど。


うん?ということは今この状態は天国?地獄?

できれば天国がいいなぁ


「ここは世界のどこでもない、異世界との狭間ってやつだね」


中性的な声の主はボクの心を読んだのかそう答えてくれた。

ということはラノベにありがちな異世界転生だろうか。


「……ということはあなたは神様ですか⁉︎」


ボクはその結論に落ち着いた。

すると中性的な声の主は苦笑しながら言った。


「神は神でも遥か昔に裏切られて邪神扱いされてるけどね…はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


どうやら邪神様は悪くない神のようだ。

というかため息が長い


「別に核戦争始めたんだからその星ぶっ壊してもいいでしょ…ちりひとつ残さずに一瞬で消し飛ばしたから問題ないと思ったんだけどなぁ」


どうやら邪神様はすごい神様らしい。

ところで破壊しか能がないのだろうか?

おっと、不敬だね。申し訳ございません。


「いやいや、俺はそんなことじゃ怒らないよ。

別に破壊しか能がないわけじゃないよ。

一応元創造神だし。

で俺の目的のためにも生き返ってくれないかな?というか生き返ってください」


結構グイグイくるので思わず


「は、はい、わかりました」


と了承の旨を伝えた。


「やった!ありがと!感謝するよ!」


すると邪神様はボクにしがみついて来た。


ここまで近づくと朧ながらにその姿が見えてきた。


「あ、チビとか言ったら怒るからね」

「可愛い…」

「ちょっと⁈俺は男だよ!…多分」


邪神様は見た目が小学生の男の子?だった。

そもそも神に性別なんてあるんだろうか。

この見た目なら女の子だと言われても……


「女じゃないもん!男だもん…多分」


邪神様から威厳が消えてゆく…



かわいい



ーーーーー


「んんっ!」


邪神様が咳払いをする


かわいい


「君をあちらの世界に転生させるけど赤ちゃんから始めるわけにはいかないんだ」


そう邪神様は言う


かわいい


「なんでですか?」

「それはね、俺を邪神にでっち上げた他の神が君のことを殺してしまうと思うからだよ。

俺が生き返らせると言うことは邪神の手先だと思われるからね。まぁもちろん俺の手先になってもらうから間違ってはいないわけだけど。」


……え?それって人生ハードモードじゃ


「どちらかというとヘルとかルナティックって言われるくらいかな」


それってハードモードの上…


「オワタ…ボクの人生オワタ…」


命を狙われ続けるなんてやってられないよ…

あぁ人生終わった…もうだめだーおしまいだー


「終わってないよ!まだ始まってもないからね!で君にやってもらいたいことがあるんだ、

それに俺は君のことをできる限りサポートするからね…ねっ?お願い!」


手を合わせて邪神様が頼んでいる。


かわいい


「は、はぃ…ところでやってもらいたいことってなんですか?」


「それはね……」


邪神はその計画をボクに話した。


その計画とは


「その名も『直接乗り込んでお灸を据えてやろう』作戦!」


邪神様が可愛く……カッコよくポーズを決めてそう言った。


「うむ、よろしい」


邪神様がない胸を張って偉そうにしている。


かわいい


でその計画とはこうだ。


その1、ボクが神界に乗り込む。


うん、この時点で無理があるね。


その2、ボクが神様を拘束した頃に邪神様が神界に乗り込む。


うん、この時点で計画は破綻してるね。


その3、邪神様が気の済むまで神様をポカポカ殴り続ける


これ必要なの?

まぁこれが作戦の概要だ。

作戦になってすらいない気もするが、そこはどうでもいいらしい。

そのための準備として色々やらないといけないらしいけど…それは割愛。


そして転生の準備が開始された。


「ところで君…なんかデータない?」


突然邪神様がそう言った。

うんうん唸っている様子も可愛いよ邪神様。


「データってなんですか?」

まぁそう聞くのは仕方ないよね。


「あー、君を転生させるに当たって俺が肉体を作るわけなんだけど…どんな体にするかの具体的なデータが欲しいんだ。それを“基準”にして体を作るからさ」


データ…ね。そうなるとやっぱり


「[クロノリア・スカーレット]かな」

「え?誰それ?」

「ボクがやってたゲームで使ってたキャラの名前ですね」

「…あぁー!これか!これは君の所有してるデータだから使っても問題ないよね!」


なぜか邪神様がはしゃぎながら片手をこちらに突き出した。


そこには見慣れたキャラの3Dホログラムとステータスが映し出されていた。


ーーーーーーーー


[クロノリア・スカーレット]


Lv.250 転生回数999+α回


クラス

武神Lv99

魔神Lv99

創作神Lv99

ダンジョンマスターLv99


スキル(熟練度)

★5剣神(10260000/10260000)

★5槍神(10260000/10260000)

★5弓神(10260000/10260000)

★5格闘神(10260000/10260000)

★5暗殺神(10260000/10260000)

★5料理神(10260000/10260000)

★5鍛治神(10260000/10260000)

★5薬神(10260000/10260000)

★5魔法神(10260000/10260000)

★5無限収納

★5ダンジョン経営(1026369/10260000)


スキルポイント500


ステータス


HP99999999/99999999

MP99999999/99999999

STR999999

VIT999999

AGI999999

MID999999

INT999999

TEC999999


ステータスポイント5586



所持金9999999999G

ーーーーーー



努力の成果。

9の羅列が美しい。


「これを基準にして君の体を作るよ。いいかい?」

「あ、はいお願いします」


ボクがそう答えると邪神様はデータに向かって手を掲げた。

すると宙に浮かんでいたデータが邪神様の手元に圧縮されていきどこかに消えた。


「ふぅ…久しぶりの大仕事だったよ。じゃあ行ってらっしゃい」


いつのまにか足元には魔法陣が…




ボクの視界が白く染まった。


ボクは邪神様の願いを叶える手伝いをするという条件と引き換えに転生した。


あ、こっちの世界のこと聞くの忘れてたなぁ…

日本語対応してるかな?





ーーーーー



その日『D &S』から一人のプレイヤーとそのプレイヤーが作ったダンジョンが消えた。


プレイヤーの名前は

[クロノリア・スカーレット]


裏ボスが消えたことによりネットは一時期騒然とした。


が、その後すぐにダンジョンは復活した。


運営が限界まで彼の作ったものを模倣したダンジョンが。


そしてそのゲーム内で[クロノリア・スカーレット]というプレイヤーの名前を見ることは二度とできなかった。


ーーーーー



そして今ボクは石畳の上に全裸で倒れている。

冷たくもないし痛くもない。


とりあえず服…服を着ないと。

すごい恥ずかしい。


ちなみに下にあったはずの男の象徴たるものは今のボクにはついていなかった。


やっぱり[クロノリア・スカーレット]という少女にボクはなっているのだろうか。

この作品でのゲームの“転生”とリアルの“転生”の違いについて誤解のないように説明しておこうと思います。


ゲームの転生はレベルリセットの意味で使っています。レベルによるステータスの上昇は無くなりますがステータスポイントで上げた分は引き継ぎができるという設定です。


リアルの転生についてですが


これは死んだ人が別の人物になって蘇るという意味で使っています。





2/1

ステータスのSPDとなっていたところをAGIに変更しました

3/15

ステータスのDEFとなっていたところをVITに変更しました


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