詩 「例えば世界が夢オチだとしたら」
錆びた釘が散乱する鉄くずの荒野。頬をつねってみたら、痛くないので、ぼくはこれが夢であることを認識した。
次に確かめるべきは、これがぼくが見ている夢なのか、きみが観ている夢なのかである。
もしもこれがきみの見ている夢ならば、目覚まし時計の音と共にぼくは消えてしまうのであろうか。
ジリリリリリ。ああ、夜が終わってしまう。身体が透けて消えるのはぼくのようだ。
ぼくは散らばった鉄くぎを集めて積んで山にして、それに登って血が滲んだ指先で、夜空に穴を開ける。
ぼくが消える前に伝えたいことがあるんだ。大嫌いだ。どうか明日の夜は別の夢を見て欲しい。