王都空中決戦
おお、結構いるな、10万位か、まあ問題無しだな。
史朗は高速飛行を使い王都の上空に来ていた。
周りも囲まれているし、全員翼を生やしているな、魔王軍は軍団ごとの特徴でもあるのか?
まあいいや、良い経験値稼ぎになるだろうから。
お…なんだ、ひとり出てきたぞ、デカイな鳥と魔獣を掛け合わせたようなヤツだな、それにしても、翼ちっちゃいなぁ~~、あれで飛べるのか?いや、俺と一緒で魔法か!
「よく聞け!人間ども!我が名は魔王軍6魔将が一人、風将軍フュールである。大人しく投降するか、殺させるかのどちらかである。
それと、そこのお前、一人で出てくるとは良い度胸だ、最後に名を名乗らしてやろう。」
傲慢な物言いで史朗を指差すフュール。
空中に居る史朗は現在鎧も武器も装備していない、ハ―ジマーリの町で貰ったライトブリンガーと鋼鉄製の鎧は次の町の戦闘で壊れてしまった。
そして彼は思ったのだ…俺に使える武器がない、鎧も不要だろうと…そしてある結論に至る。あつ…バリアで武器作れば良くね?と。…それから武器の装備していない、もちろん防具も不要になった。
よし、挨拶代わりに、一発お見舞するか、バリアを30mで太さ5mの先が尖った物イメージして…えい!
[ごばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ]
音速を超えるスピードで投げられたそれは容易にフュールの身体を突き破り、その後ろにいる魔物の身体も貫通していった。当然、血の雨と内臓の雨になって辺りに飛び散る。
それが王都の降り注ぐ…とはいかなかった。当然戦闘が始まる前に史朗は王都全体にバリアを張り巡らしていた。
つぎだ、次、サクサク行くぞ俺。
[バゴォォォォォン、バゴォォォォォォン、バゴォォォォォン、バゴォォォォォォン、]
周囲にいる魔族の群れに連続爆破の魔法を掛ける。
またも飛び散る肉片と臓器だが、王都の安全は守られている。
よし、最後だ。
巨大なバリアの板を何枚も創り、蠅たたきの要領で、飛んでいる魔物を潰していく。
[グチャァァ、グチャァァ、………]、と使用するたびに、空中で肉片になっていく魔物達。
そして、魔物達の悲鳴から20分後、王都にまた静寂が訪れる。…
終わった、あとはバリアについた、魔物の血を洗うだけだな。
それが面倒なんだよな、以外に。あっ、…そうだ。
史朗は自分のスキル幻想自由魔法で、__綺麗洗浄を唱えた。
[士師類史朗は『綺麗洗浄を覚えた。』]
バリアについた汚れが消えていく。……
あ~おれも馬鹿だな、なんで今まで思い付かないんだろう、以外に魔法は想像しにくいな。
史朗は10万近くの大群と戦ったのだが平然としていた。心の壊れた彼には当然の事と言った所だろう。
その後、王城の謁見の間に戻ると、全員が呆気にとられていた。
そして、英雄の帰還とばかりの表情と、スマイルで王妃に…
「魔物討伐終わりましたよ、王妃様。」
「あ、ありがとうございます、我がヘルニア王国は救われました。」
そう言うと史朗の元に歩いていき、そっと史朗を抱きしめる。
「ありがとう、ありがとう、英雄シロウ、人類全ての勇者です、貴方は!」
と言って泣きながら、抱き締めてくる。
あ~~、いい匂い、まさに極楽や~~。
それの胸も凄いな、王妃、これで未亡人か。もったいない。
そんな、ゲスな事を感動の場面で考えている史朗、顔は真面目にしていた。
「王妃、私は行かなくてはいけません。」史朗は真面目な顔で王妃を見つめる。
「ど、どこえ、ですか? ずっと私の元に居て下さいまし。」
「ふ、…いえ、王都にいって怪我人を直してきます、そこに行くと言うだけですよ。」
王妃は顔を赤らめる。
「そうでした、私とした事が…国民の事を忘れるなんて。」
「いえ、混乱していたので仕方がないでしょう、それに、私も王妃にそのように思われて嬉しいですよ。」そう耳元で小さく甘い声で囁いていく。
そう言うと、史朗は王城を出て怪我をしている住民を助けにいく、混乱してかなりの怪我人が出ているはずだから……
しかし、この行動は善意ではない、全てスキルを上げる為の行動なのだ。
この行動で史朗の英雄としての地位とカリスマ性は飛躍的に上昇する。
まさに、ゲスの極みの行動だった。
その夜、王城では史朗の戦勝パーティが開かれていた。
華やかで豪華な催しだったと言っておこう。
その席で、すっと王妃は史朗に見惚れていた、もう惚れ過ぎてしまっていたが、集まった貴族の娘達も同様に、史朗の元に集まっていた、…そして、もう1つの視線がある、その場にいる全ての者より熱い視線、王女アリアの視線が……
全てのパーティが終わり、史朗は王城の客室に案内されていた。
あ~~、さすが王城、部屋も料理も豪華なもんだ、地球だとかなりの税金が必要だよな、いや~~、人の金で喰う飯は上手いな、それに絵画も彫刻も豪華だ。
史朗は部屋にある、絵と5000万入りそうなバックの様な彫刻を見て思った、某都知事達を。
その時部屋のドアがノックされる、史朗は返事をすると、この城の侍女が入って来た。
「シロウ様、ご内密にお話ししたい事がございます、ついて着てもらえますか?」
「構いませんよ、直ぐにいきましょう。」
なんだ~もう、時間は夜10時だぞ、この世界なら、夜中だろう。
仕方がないけど、ついて行こう。
そうして、連れて行かれる…王妃の部屋に。
「シロウさま、夜中に申し訳ありません。人目につかない所でお話したいことがありまして。」
そう言うと侍女を外に出し、史朗と王妃は部屋の中で2人になる。
王妃―――――!なんですか、そのエロい格好は、完全に誘っているな。
何、席に座ってくれ。え、そこじゃない、ベッドの近くの椅子だって。
「シロウ様にお話ししたい事がございます。実は我が王国は今滅亡の危機に瀕しているのです。
実は、国王が数日前に死亡しています。」そう悲しげに告げるが……
知っている。心を読んだからね、今更だけど驚いておこう。
「それは!真ですか、しかしどうして。」
「はい、数日前に突然王の寝室に何かの攻撃が、それでヘルニア王は……」
「それは、いたましい事です、何者の仕業でしょうか?」(※史朗のせいです)
「はい、それで問題がありまして、…今は、娘のアリアだけなのですが、その他の王族に男子が生まれて無いのです、……このままでは他の国から王子候補を取るか、貴族の中から、アリアの婿を探すしか無いのです。
しかし、海千山千の貴族の集まり、国が傾いてしまう可能性も御座います。
他の国から、婿を取ればその国の支配が…そんな重圧をあの子に掛けたくありません。」
他にも方法は有ると思うぞ、都合がいいな、この展開。
「そこで、思ったのです…代わりに強い力をもつ子が生まれれば…と。」
甘い表情で史朗を見つめるラミール。
「そう、英雄の子なら尚更問題は無いと思います…大臣も文句は言えないでしょうし。」
そう言うと史朗に近寄って来て、史朗の股座を、手で鷲掴みにする。
「ア…王妃そこは。」
カッコウ、カッコウ、カッコウ__とある鳥を思い出している。
「王妃ではありません、ラミールとお呼び下さい、そして私にお情けをくださいませ。」
この夜、史朗と王妃は一線を越える。
王様の死亡の経験値は2話のステータスに“5”と入っています。
気付いた方もいるかもしれませんね。