襲われる町
史朗が剣を投げ捨てた後、当然の様に憤慨、激怒、悪態、嗚咽、悲哀を女神に対して、繰り返し行っていた、ハタから見ると、精神が崩壊した人のようだった……
__「殺す、殺す、殺す、殺す、殺――――――――す。」
__「あの馬鹿女神が、死ねよ、死ね、あのアホが、何度転生失敗するんだよ」
__「復讐だ、絶対復讐してやる、俺は初めて怒ったぞ、あの野郎。」
__「ああ、すいません、ゆるしてください、もうせえぃんから、ああ。」
__「ウエェェェン、ブエエエェェッェン、バビュウゥゥゥゥゥ。」
__「父さん、母さん、兄さん、……、香織会いたいよ…俺、俺――――!」
を草原で激しく、喜怒哀楽をぶちまける、士師類史朗の姿がそこにはあった。
まさに人が極限状態になり、錯乱している姿がそこにはある。
地球で、爽やかイケメンで通していた頃の面影はもうそこには無かった。
2時間以上その行為を繰り返し、彼は落ち着いた…ように見える。
「はあ、はあ、はあ、ふう――――――。」
よし、大分、落ち着いたぞ、俺、やれる、やれる、あの女神に復讐を果たすまで、俺は強くなるんだ。
先ずは、現状の把握からしないと、……おっとその前にステータスを確認しないと。
そうすると、ステータスが史朗の前に浮かび上がるが、__先程と違っていた。
名前;士師類史朗 性別;男性(人間)
Level; 1 経験値; 0000005
HP ; 34
MP ; 9999
力 ; 9999
魔力 ; 9999
攻撃力; 9999
魔法攻撃力;9999
防御力; 9999
魔法防御力;9999
俊敏 ; 9999
幸運 ; 9999
スキル; 怪力無双(力と俊敏を+9999上乗せする)
幻想自由魔法(士師類史朗の思い通りの魔法を創る。)
魔力無双(MPと魔力を+9999上乗せする)
神聖完全防御(防御と魔法防御を+9999上乗せする)
完全異常耐性 (毒、麻痺、混乱、熱等ありとあらゆる異常状態に耐性)
完全な幸運者(幸運に+9999上乗せする)
限界突破(??????????)
特殊スキル; 神を欺きし者(????????)
技術; 格闘技LV 1
????
装備;布の服、布の靴、
持ち物;女神の盾(防御+100)
ああ、出来ているぞ、やった、……あの瞬間に出来たんだ。
史朗は、幻想自由魔法で自分独自のスキルを創ったのだった、『神を欺きし者』を、これで心の声も女神にばれていなかった。
よし、これで俺の行動はあの馬鹿にばれないはずだ……、いやまてよ、あの時、散々悪態をついたが、ヤツは気付いて無い振りなんじゃ……、仮にも神と名乗っていたのだし…、しかし、あの態度で怒らないのも演技では無い様な気がする。
わからない、ここは慎重に行動しよう、……ばれていたら妨害がくるはずだからな、ヤツなら、そうするはずだ。
まずは、俺が強くならないと、なにせチートな能力があるからな……しかし、過信も厳禁だ、なにせ……死に過ぎたからな。
史朗は強くなっていた、5度も死亡したからだ、能力に頼る事は死ぬ事に繋がるとわかっていた。
さて、王道通りに魔物退治から始めるか、まてよ、食料も必要だろ、…カネみたいのはあるのかここでは?魔物を退治したら貰えるとかか?RPG風なんだし、言葉は大丈夫だと、あの馬鹿が言っていたが……。
思考の罠にはまっていく史朗。
アッ、暦とかどうなっているんだ、今は昼みたいだが。
__もういいか、まずは情報収集からだな基本からだ。
よし、やることも決まった、まずはどうするか…そうだ町を探そう、それが一番最初にやる事だろRPGの基本じゃないか。
史朗は自分のスキル幻想自由魔法で、__千里眼を唱えた。
[士師類史朗は『千里眼を覚えた。』]
すぐさま、使用する。
何か頭の中に声が響くな、これがゲームみたいな感じか、でもいいや、まずはこのまま町を探すか、幸い感覚もあるから楽勝だな…お、あるぞ、それっぽいのが……でも魔物に攻撃されているな。
「どうするか?___いこう、まずはここに。」
どうやっていく、そうだ。
史朗は自分のスキル幻想自由魔法で、__転移を唱えた。
[士師類史朗は『転移を覚えた。』]
そうすると、魔物の軍の200m後ろ転移する。
おそろしいな、俺、なんでも出来るんだ、それに思った通りの所だぞ、幻想自由魔法は凄いぞ、___という事は俺、次第という事だな。
彼は自分の力を悟る。
おお、どれ位いるんだ? …そうだ。
史朗は自分のスキル幻想自由魔法で、__気配察知を唱えた。
[士師類史朗は『気配察知を覚えた。』]
おお、だいたい3000体か、それにレベルもわかるぞ、細かい情報までわかるのか……、これ、ステータスのヤツの上位交換といった所か、雑魚だな、レベル50が最高か。…おっと油断は駄目だ、飛竜でわかっただろ。
史朗が自分を戒める、__すると後ろの魔物が此方に気が付いたようだった。
何やら騒がしい。
気が付いたな、まずは先制攻撃といこうか。
史朗は“収納”の魔法を唱えると、女神の盾を取り出した。
そして、フリスビーの要領で思いっきり、ぶん投げる。
[ バゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォン ]__もの凄い土煙りと共に、纏まっていた魔物の群れが吹き飛んだ、肉片と内臓が辺りに散乱していた。
(士師類史朗はレベルがあがった、……レベル98になったHPが増えた、………………)頭の中から声が聞こえてくる。
おお、結構いったな、予定通りレベルも上がった。
だいたい1500体位か、纏まっていた集団もあらかた死んだようだな、恐怖で固まっているな。
(士師類史朗は、殺戮者、恐怖、投擲者、を覚えた。)頭の中から声が聞こえてくる。
おお、何か覚えたのか、レベルが上がったら成長するといっていたな。
まあ、今はいい、今度は接近戦を試すか。
史朗は軽く走ったが。一瞬で200m先の敵の前までついてしまった。
その時不幸にも、生き残っていた魔物を吹き飛ばして倒してしまったのだ。
あ~~しまった、移動だけで倒してしまった、力加減が難しいぞ、強すぎるんだ俺が。
それに、汚い、血と内臓の海に止まってしまった、クソ汚いな。
あ、そうだ、
史朗は自分のスキル幻想自由魔法で、__火柱を唱えた。
[士師類史朗は『火柱を覚えた。』]
史朗を中心に辺りに火柱が上がる、半径500メートルが吹き飛ぶ程の火柱があがった、それは上空まで突き抜けていく。
史朗は抉れた大地の真ん中にたっていた、辺りは地面がマグマのように沸騰している。
あ~、失敗した、少し痛かったよ、調整はしたんだけど、難しいな魔法は。
(士師類史朗は、魔法操作、を覚えた。)頭の中から声が聞こえてくる。
遅いぞ、…そうか、覚えるのも俺がやらないと駄目なのか、そう言う事か。
「少しずつ、わかってきたぞ。」史朗はニヤリと悪い笑みをこぼす、昔の爽やかな笑顔ではない。
初回だけ増量しています。