(5)
やっと異世界です。
次の日、俺は昨日の夜にあった事を話した。
「なるほど…わかった。私も準備をしておく。」
「俺は学校に行くぞ。じゃーな。」
学校で普通に過ごし、俺は龍亞たちとまた一緒に帰った。
そして、みんなと別れた後俺は龍亞に真実を伝えた。
「『コロ2世』は異世界の戦士って面白いなそれ。そういう設定の遊びか?」
と言って真面目に聞いてくれなかった。
なので、仕方なくツチミカドに喋ってもらった。
「……お前、本当に戦士なのか?」
「ああ、ボクはウォーターアイランド第二部隊魔物討伐班防御係のツチミカドだ。騙してすまなかったな。」
「なーんだ、そうだったんだ。あの話って本当だったんだ…てっきり生まれ変わりかと思ったじゃん。で、俺にできることはあるか?」
「できても危険だぞ。いいのか?」
「ああ、『コロ』にしてやると思えばなんでもしてやるぜ。」
「ありがとな。」
こうして、龍亞も一緒に行くことになった。
俺たちは東の廃工場に向かった。
20分で着いてコチを待った。
「へ〜。龍我も飼ってたんだ。教えてくれればよかったのに。」
「だって今日みたいに真剣に聞いてくれないと思ったから…」
「う、それを言われると…」
などと話してる側で、
「私が隊長のアマノジャクだ。」
「ボクは防御係のツチミカドです。捜索が遅れてすいません。」
「それはしょうがない。気にするな、戻ってから活躍してくれればいい。」
「わかりました。」
「………もうそろそろいいか?」
物陰からコチが現れた。
「………紹介しておく、こいつはうちを匿ってくれた森優菜だ。」
「あれ〜、龍龍コンビじゃん。2人も仲間だったんだ〜。」
こいつは同じクラスの森優菜だ。
明るくて頭も良い。
いつも美結と一緒にいる美結の親友だ。
「………紹介も終わったしそろそろいきましょう。」
「ああ、案内してくれ。」
俺たちはワープホールに向かった。
歩いてすぐだった。
かたちはフリーハンドで描いた円のようで、人ひとりがやっと入れるぐらいの大きさだ。
「……本当にこれ入れるのか?」
と龍亞が言った。俺も同感だ。
「………入れるはずだ。」
「ボクが先に行くよ。いいですか隊長。」
とツチミカドが言った。
「ああ、何かあったらすぐに引き返せ。」
「わかりました。」
と言ってすぐツチミカドは入っていった。
3分ほどして引き返した。
「隊長、問題なかったです。」
「よし、1人ずつ入ろう。」
と言って順番を決めた。
アマノジャク、俺、ツチミカド、龍亞、優菜、コチの順番になった。
「この紐を引いたら次の人がはいってこい。」
と伝えて中に入った。
1分後、紐が引っ張られたので俺も入っていった。
中は明るいトンネルのような感じで歩きやすかった。
すぐ外に出られてあたりを見ると森の中だった。
アマノジャクは?と探していると知らない同世代ぐらいの女の人がいた。
敵かもしれないと思ったが、
「あのー、どちらさまですか?」
と声をかけてみた。すると、
「何を言っている私はアマノジャクだが。」
と女性が言ってきた。
どこからどう見てもおかしい…
「ああ、姿が違うからか、こっちに来たらいきなり大きくなってこうなった。たぶん、これが本当の姿なんだろうな。」
と詳しく説明してくれた。
「そうなんだ…」
よく見たら背は160㎝ぐらいでかなりスマートな体型だ。
髪型はポニーテール。
なんて思ってるとツチミカドが来た。
ワープホールから出ると人になった。
アマノジャクと同じぐらいの背丈、体型だ。
髪型はツインテール。
その後、龍亞と優菜が来て俺と同じように驚いていた。
すぐにコチもやって来た。
背丈は2人よりも小柄で忍者みたいな格好だ。
「………たぶんここはもののけの森だろう。あの川を上っていけばウォーターアイランドにたどり着くはずだ。」
とコチが言ったのでみんなで登って行った。
道はもちろん舗装されてなくぬかるんでいたりする。
さらに、急斜面なためどんどん体力が削られていく…
龍亞と優菜も同じようでどんどん息が上がってきている。
しかし、三人は難なく登っている。さすが戦士。
何回か休憩を入れながら1時間程歩いてきた頃、いきなり草陰や木の上から敵が現れた。
数はかなりいる。
三人はすぐに戦闘態勢に入り攻撃に入った。
俺と龍亞と優菜は真ん中で小さくなっていた。
しかし、敵が多くてこっちにも攻撃してきた。
もちろん、避けれるわけもなく攻撃を受け死ぬ…
と思ったら龍亞の口から
「炎之舞!」
と聞こえて振り返ると龍亞の手から炎が出てきた。
その炎で敵を薙ぎ払った。
出した龍亞にもわからないようでキョトンとしていた。
さらに敵が攻撃してきたが今度は優菜が
「第一結界」
と言って結界みたいなのを張って敵の攻撃をはじき返した。
しばらくして敵を全て倒して三人がこっちへ来た。
「あれ、言わなかったっけ。あっちの世界の人がこっちに来ると能力を使えるって。」
「…何一つ言ってなかったし。と言う事は俺も何か使えるのか?」
とアマノジャクに聞いた。
「たぶんな。どんな能力か知らないけど…」
出してみようとしたが何も出ない…
「おい、出ないんですけど……」
「…いつか出せるさ。」
……
「って事は一番足手まといなのって俺?」
「…そうなるな。」
助けるって言った奴が一番足手まといってすごく恥ずかしい…
「なんかあのー、すいません。」
「気にするな、私がお前を守る!」
さすが隊長。頼りになるわ。
心が折れかけた時、
「………たぶんもう少しで着く、頑張れ。」
とミナミカゼが言った。
みんなが歩き始めた。
言葉通り、20分で町のようなものを発見した。