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五人の陰陽師(仮)  作者: アッキ@瓶の蓋。


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9/10

金剛院綱紀はキャリアウーマンの家で寝泊まりする

 神様がわざわざ男と女と言う2つの性別を作ったのは、互いを愛でるためだとわたくし、金剛院綱紀(こんごういんこうき)は考えている。

 好きの『好』と言う感じは、女の子と書く。つまりは、何かを好きになると言うのは、女の子を見ていると出てくる自然な感情だと思う。女の子は柔らかく、脆くて、それでいて可愛らしくて美しい。全ての要素が本当に可愛くて、本当に美しい。だからこそ、人は女を愛する事を止められない。恋する事を辞められない。恋愛する事を()める事は出来ないのだと思っている。そんなわたくしは、例え周りからどう思われようとも女の子が大好きであり、出来れば関わる女の子全員を幸せに出来れば良いと思っている。まぁ、そんな事は不可能だと最初から分かっているのだけれども。


 わたくしには月曜日から金曜日まで日替わりの5人の彼女が居る。本当に彼女と呼べるかどうかと言われれば、そうでもないんだけれども。しいて言うならば、女友達以上彼女未満くらいだろう。わたくしが付き合っている5人は、愛に飢えた可哀想な、けれども決して本気にはならない人である。

 一途な相手は困る。一途だと、こんな5股生活を送っているわたくしを嫌ってしまうからだ。その点、一緒に寝るだけで満足される、適度に適切な付き合いを心得ている女の方が、こう言う生活を送る上では都合が良い。


 今日は火曜日なので、キャリアウーマンの聖澤宇美(ひじりさわうみ)ちゃんの所に寝泊まりに来ていた。聖澤さんはわたくしよりも5歳も年上の、所謂仕事の出来る女の人と言う感じだが、とっつきにくいと言うか喋りにくい雰囲気をいつも出しているので、未だに彼氏が居ないらしい。最も、この『彼氏が居ないらしい』は本人談の情報であるから、本当に彼女の事が好きな男性が自分以外に居るとは思っているけれども。


「まぁ、今は宇美ちゃんの、この素晴らしい身体はこのわたくし、金剛院綱紀の物だけどね」


「あぁん♡ こうちゃんったら、大胆……なんだから♡」


 そう言いながら、嬉しそうな顔でこちらを見る宇美ちゃん。宇美ちゃんは本当に可愛い。はにかんだ笑顔も素敵だし、時折見せるクールな表情だって魅力をアップさせる要素の1つだ。可愛らしいし、素晴らしい。あぁ、なんで宇美ちゃんの可愛さが世界に広まっていないのか不思議なくらいだ。こんなにも


「魅力的な女性なのに、ね☆」


「こうちゃんったら……♡ 良いのよ、分かってくれる人が1人でも居てくれれば、私は満足だわ♡」


「それなら良かったよ、宇美ちゃん。じゃあ、いつものやってあげようかな。宇美ちゃん、今日もお疲れみたいだし」


「あなたが居ないからよ……。1週間分の疲れが、もう出ちゃって……」


 そう言いながら、するすると仕事のために着ている黒のスーツの下から、白くてとっても柔らかそうなきめらかな白い肌が現れる。


「本当なら……いつもお願いしたいくらいなのに……」


「ごめんね。わたくしは1人の物にはなれないから。けどその分、今日この時は君だけを見ているよ。

 それで機嫌を直してくれないかい、宇美?」


「綱紀……」


 そしてわたくしは、


 このあと、めちゃくちゃマッサージをした。


 彼女のコリは酷い物であり、またこの黄金の義手の扱いもかなり上手くなるのでとても良い。あぁ、今日も彼女のおかげで、良い日になった。

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